アートは、障害の有無に関係なく活躍できるチャンスがある
小さいころから絵を描いてきた
筆者は小さいころから絵を描くことが好きで、高校時代からは現在に至るまで作品を描き続けています。クレヨン画や水彩や油絵、ペン画や鉛筆画など、様々なジャンルの画法を独学で学んできました。最近行っているのは、就労移行支援で学んだデジタルアートです。
関連記事:【体験談】障害者雇用のイラスト業務につくために学んだスキルは?
成人してからは、趣味として考えていた
20歳の時に当時勤めていた職場につくか、アートを職業とするか迷いました。当時は経験が浅く「仕事とする」自信がないことや、勤めていた職場についても目標があったため、アートは「趣味」という位置づけで考えてきました。
職場を辞めてから、もう一度夢と向き合うことを決めた
その後うつ病や発達障害(ASD(自閉症スペクトラム))の診断を経験し、初めの職場も含め2か所の職場を経験しました。
筆者には現在、妻がいます。2か所目の職場を退職し、新しい働き方をしたいと決めたきっかけは、妻の「自分の好きなことを仕事にしてほしい」という言葉からでした。
その際に2か所目の職場で成し遂げられなかった「障害を持つ方がもっと遠慮せず活躍できるように取組む」という目標に加えて、「アートを本格的に頑張ってみよう」という目標ができたのです。
就労移行支援に通所時、障害者アートを支援する団体の存在を知った
利用開始当初就労移行支援事業所には「アーティストになりたい」と伝えていたほど、アートへの思いは強いものでした。しかし実際に「障害者雇用として」「求人として」アートのお仕事に応募する機会はなく、あっても実務経験者のみ対象のもので応募できませんでした。
そのようなときに事業所のスタッフの方から、「障害者アートを支援する団体がある」旨を聞きました。そこでは自分のアートを公開し、チャンスがあれば収入を得ることもできることも知ったのです。
筆者は事業所で紹介してもらった支援団体にアーティストとして登録し、作品を公開することにしました。
筆者が登録したのは「一般社団法人障がい者自立推進機構 パラリンアート運営事務局」ですが、他にも数多く支援団体がありますので、下記に一部を紹介致します。
参考:障がい者アートを社会に広める – 一般社団法人 障がい者アート協会 社会に認知され経済的対価を得られる仕組み
参考:アートの輪 | 障がいのある方(障害者)が描いた絵を集めたオンラインギャラリー
参考:PARAART – パラアート オフィシャルサイト
登録料や登録の際に必要なもの(障害者手帳など)については、各団体にお問い合わせください。
アートで夢をつかむチャンス、コンペやコンクールにも参加できる
障害の有無に関係なく、コンクールに参加ができる
アートの世界では、障害を持っているから不利になるということはありません。全国規模、または海外の範囲にも及ぶコンクールも数多く存在します。「自分の絵で夢にチャレンジしてみたい!」と言う方は下記のリンクから検索してみてください。
障害者アートしてのコンクールもある
また、『障害者アート』してのコンペやコンクールなど活躍できるチャンスがあります。中には全国規模、世界規模で行われているコンクールもあり、障害を持つアーティストの社会貢献や活躍の場が広まり始めているのです。(※下記リンクのパラリンアート世界大会2019は終了しています。来年2020年にも開催予定です)
企業のコンペに採用されますと、商品のデザインなどに自分の作品が使われる可能性もあるのです。また、企業から採用されることで作品を企業内に展示してもらうことなど様々なチャンスもあります。詳しくは、各支援団体にお問い合わせください。
参照:障害者アートの変遷と可能性
参考:障害者アートコンテスト:全国から応募、21点表彰 最優秀賞に新潟の田尻さん /埼玉 – 毎日新聞
参考:パラリンアート世界大会2019
アートに挑戦することで、様々な効果があった
毎日をワクワク感じる気持ちが戻ってきた
うつ病を発症し、以降は「とにかく収入を得られる手段があればよい」という考えになっていました。『我慢して無理を続けている自分』が個性や義務だと誤解していたほどです。
もちろん、自分に係る負担は大きいものでした。「障害者で支援を受けているのだから、これ以上楽をしてはいけない」という思い込みも影響していたでしょう。
妻の一言のおかげで、今は自分らしい生き方ができています。人のため(記事作成)と自分のため(アート)の両方の目標を持ち続けることで、毎日を楽しく迎えられる生活が戻ってきたのです。
自然体に近い形で居られることで、比較的体調を崩すこともなくなってきています。
目的意識を持って生活できるようになった
それまでは流されるように仕事に行き、家に帰って何気なく過ごすという生活でした。明確な目標ができたことで、目的意識を持って生活できるようになりました。「もっと活躍するためにはどうすればよいか」など、目的を基準に毎日の生活の組み立てをしていくようになったのです。
そのため、だらだらと生活することも少なくなりました。
テレワークの場合、オンオフを切り替える良い方法になっている
筆者の場合、テレワークであるこちらの記事作成のお仕事と同時進行で取り組んでいます。
テレワーク(在宅勤務)は、オンとオフ(仕事とオフ)の切り替えを自分で判断する機会が多くなります。もちろんだらだらと行うことや、サボることもいけません。しかしながら筆者の場合は、仕事一本で集中していると延々と続けて無理をしてしまうリスクが高いのです。
ここにもう一つ「真剣に行うこと」が増えることで、オンオフのよいスイッチとなる効果を感じています。
働くスタイルの多様化が進んでいる
現在は働き方改革が進み、仕事のスタイルの多様化が進んでいます。かつては「絵を描くことだけで仕事にはならない」と言われていたこともあったかもしれません。しかし、今後は「自分らしさ」や「個性」でもって社会貢献できるように変わってきているのではないでしょうか。
「個性を活かして仕事がしたい」と感じたら、Saladにご相談ください
今回の記事のように、アートで収入を得る機会も増えてきましたが、それ以外にも様々な働き方が増えてきています。
『自分の良さを活かして働きたい』、『個性を活かし、無理をせず自然体で働き続けたい』というときは、Salad編集部までご相談ください。
Saladでは、アートの支援団体など様々な働き方の情報がある『就労移行支援事業所の紹介』や、障害や個性を活かして働く「カスタマイズ就業」をもとに、『長所を活かせる非公開求人の取り扱い』もあります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
障害を持っていると「障害を持たない方(一般的にいう『健常者』)より一歩下がって生活するべきだ」という考え方に悩む機会があったのではないでしょうか。筆者もまた、障害者雇用のときに「どうして前に出て活躍してはいけないのか?」と悔しい思いをしたことがあります。
それまでは「障害者『でも』できること」をしてきました。しかし今は「障害者『だから』できること」を行えていると感じています。
アートに関わる方のみならず、生きがいややりがいが見えなくなっている方に少しでも「自分を楽しみたい」と感じるきっかけになりましたら幸いです。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。HSPの傾向も強い。子供のころから趣味として続けていたアート(絵画)を『活躍する手段』として真剣に考えるようになった。障害を持つ方がより活躍できるきっかけ作りを記事作成で、自身もアートでもって活躍するというのが現在の目標である。