ADHDの持つ衝動性から、怒りっぽい傾向に現れるケースがある
ADHDとは
ADHD(注意欠如・多動性障害)は、発達障害の一種です。
特性として、
・注意欠如
・多動性
・衝動性
主にこの3つの特性を持っています。
これにより、「落ち着きがない」「つい失言してしまう」などの行動に現れるケースがあるのです。
つい「カッとなって」起こした行動で、トラブルに発展するおそれがある
特に「怒り」を抑えられない場合、カッとなって起こした行動でトラブルなどの問題に発展するおそれがあります。職場でイライラすることや他者に当たってしまうなどにより、自他ともにストレスをためてしまうことにもなりかねません。
そこで今回は、ADHDを持つ方の「怒り」をコントロールする方法として『アンガーマネジメント』を紹介します。
アンガーマネジメントとはなに?
アンガーマネジメントとは
「アンガーマネジメント」とは、怒り(アンガー、Anger)を管理(マネジメント、Management)する心理療法プログラムをいいます。怒りの感情とうまく向き合うスキルを身につけることで、トラブル防止やストレスがたまりにくくなる効果が期待されているのです。
怒りやすいタイプや傾向を知り、意識を向けていく
アンガーマネジメントでは、人間が怒りやすい傾向として数種類の特徴が考えられています。この怒りやすい傾向を事前に知っておくことで、事態に直面した時に対処しやすくなるのです。
怒りやすいポイントは、下記の参照リンクのテストから分かることができます。興味があればぜひトライしてみてくださいね。
アンガーマネジメントは、どんな効果があるの?
感情が触れ合う場面で冷静に考えられるようになる
仕事はもちろん、私生活においても様々な場面で人の感情が触れあいます。
例えば職場でお願い事をしていたのに、確認した時に実施していなかったとしましょう。このようなときに「なんでやっていないんだ!」と怒りの感情が涌きます。しかし、アンガーマネジメントを行うことで、「何か事情があったのかな」と一呼吸置いて考えられるようになるのです。
これにより怒りによるストレスや疲労が減少し、周囲とのトラブルもなくなる効果が期待できます。
動揺・混乱した時、感情に任せて行動しなくなる
ADHDを持っていると、自分の感情が整理できないことで苦しむケースがあります。これにより怒りが生じてしまうことがあるのです。
主に仕事などで困難に直面した時、動揺や混乱した時に思考をまとめにくくなります。このときに勢いに任せて「もういいや!」と行動したことで後悔したことはありませんか?アンガーマネジメントはこのような衝動を抑えることはもちろん、動揺する原因改善にも効果が期待されているのです。
アンガーマネジメントのステップ3つ+α
ステップ1:イライラした時、6秒間待つように心がける
怒りは感情エネルギーを放出させる行動です。ですからイライラしたり、カッとなったりした後って、疲れますよね。
アンガーマネジメントでは、「人の怒りは6秒間がピーク」と考えられています。6秒を過ぎた後は、怒りのピークが過ぎ落ち着いていくとされているのです。
ですからふと「イライラする!」「ムカつく!」と感じたら、「深呼吸をする」「その場を離れる」「怒りの感情を書き出す」などして6秒間耐えてみてください。
あれ?それほどでもないかも…と感じられるようになるかもしれません。
ステップ2:自分の中の「ルール」を見直してみる
怒りの原因の大半は、『自分の中のルールと異なる行動に直面した時』といいます。分かりやすく言えば自分の中の「~であるべき」「~でないといけない」という価値観に沿っていないものを受けた時に怒りやすいということです。
もしかしたら、自分の価値観が大きくずれている可能性があります。反対に周囲がずれていることもあるでしょう。どちらにしても、自分と周囲との価値観の違いに気づくことが大切です。
価値観の違いについて詳しく知りたい場合は、こちらの記事「アンコンシャスバイアスから発達障害の自分ルールや思い込みを改善!」もチェックすると効果的です。
ステップ3:行動や感情の向け方を工夫してみる
最後に怒りに任せた行動についても考えてみましょう。怒りの中で「自分ではコントロールできないこと」はありませんか?どんなに怒って行動しても、他人や周囲の事情を変えることは難しいです。
ですからこのようなことにエネルギーを向け、ストレスをためてしまうことは勿体ないことなのです。二次障害などを防ぐためにも、自分でコントロールできることに意識を集中できるよう、行動や感情の向け方を工夫してみましょう。
精神の健康状態を保つよう、医師の指示通り服薬を行う
補足として、ADHDの特性により感情のコントロールが難しい場合があります。これを緩和してくれるのが、医師から処方された「薬」です。ですから医師の指示通り服薬を行い、必要に応じて医師と相談して調整してもらうよう心掛けましょう。
感情をコントロールできる健康状態を保つことも、対策の一つです。服薬について詳しくはこちらをチェックしてみましょう。
職場での怒りが収まらない場合は、環境を見直してみよう
今回は、アンガーマネジメントで自分の感情をコントロールしてみようとお伝えしました。しかし、先にお伝えしたように自身ではコントロールできない問題もあります。
今怒りの感情やストレスの原因を振り返ってみてください。「コントロールできないこと」が原因になっていませんか?このような場合は環境を変えることで改善されるかもしれません。そのヒントの一つが、『カスタマイズ就業』です。
カスタマイズ就業は、障害を持つ方の本来持っている長所や個性を活かして社会貢献していくという働き方です。したがって従来の「苦手なことを克服して、みんな(障害を持たない方)と同じことができるように」というスタイルではなく、より自然体で臨みやすいスタイルなのです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
アンガーマネジメントを身につければ、これまで怒りの感情によって見えてこなかったものが見えてくるようになるかもしれません。
例えば先ほど挙げた「お願い事をしてもらえなかった」ことによる怒りも、冷静に考えたのちに『実は子どもの急病で帰宅していたためできなかった』という事情に気づけるかもしれません。
そのように『気づき』が増えれば、大きく成長できることにもつながります。その第一歩として、ぜひアンガーマネジメントを身につけておきましょう。