障害者スポーツ指導員とは?
障害者スポーツとは
『障害者スポーツ』とは、主に障害を持つ方を中心に行われるスポーツです(どんな方でも参加可能です)。障害を持つ方の運動習慣作りや社会参加などの効果が期待されています。障害者スポーツにどのような競技があるかは下記のリンクから記事を参考としてください。
障害者スポーツを主催している公益財団法人 日本障がい者スポーツ協会(JPSA)は1964年に開催された東京パラリンピック大会をきっかけに誕生しました。国内の障害を持つ方のスポーツの普及・新興を図る組織として厚生労働省の認可を受けたのち設立された団体です(1965年)。
関連記事:『障害者スポーツ』とは?競技や参加場所、継続することでの効果は?
障害者スポーツ指導員とは
障害者スポーツ指導員(障がい者スポーツ指導員)は、この障害者スポーツ協会や加盟団体などが指導者制度に基づき資格認定された指導者の仕事です。主な勤務先はスポーツセンターやスポーツクラブ、健康増進施設などで国内の障害者スポーツの普及と発展を目指していくことが目的です。
参考:公益財団法人 日本障がい者スポーツ協会|指導者養成概要 障がい者スポーツ指導者とは
参考:公益財団法人 日本障がい者スポーツ協会|指導者養成概要 公認スポーツ指導者
障害を持つからこそ、活躍できる場で働きたい
障害者スポーツ指導員は、障害を持つからこそ活躍できるチャンスのある仕事です。例えば車いすバスケットボールは、車いすに乗っているからこそ機敏に動くことができ、より活躍することができるスポーツです。また、当事者だからこそ指導の際にもより親身になって接することができるかもしれません。
『運動が好き』『かつて運動部だった』など、運動が好きな方に働く選択肢として、今回は『障害者(障がい者)スポーツ指導員』について紹介していきます。
障害者スポーツ指導員の仕事内容
障害者スポーツ指導員は、全て資格の取得が必要で「級」や分野などの種類に分かれています。その種類ごとに仕事内容を見ていきましょう。
初級障がい者スポーツ指導員
まずはこの『初級障がい者スポーツ指導員』からスタートします。主に障害を持つ方のスポーツ参加のきっかけ作りをサポートするのが仕事です。地域の大会や教室などで、健康や安全に配慮した指導を行います。
初級取得後、経験を積み講習会を受けることで中級や上級の指導員にステップアップできるシステムです。
中級障がい者スポーツ指導員
初級取得後に講習会を受けなれるのが、『中級障がい者スポーツ指導員』です。主に各地域の障害者スポーツ振興のリーダーとして活動をしていきます。指導現場で十分な知識や経験を持つことを求められる役割です。地域で行われるスポーツ大会やイベントにおいても中心となって活動していきます。
さらに専門的な知識を学ぶことで、上級やスポーツコーチ(後述)へのステップアップを目指すこともできます。
上級障がい者スポーツ指導員
『上級障がい者スポーツ指導員』は、各都道府県におけるリーダー的役割を担います。障害者スポーツについて高度な専門知識を持ち、地域の初級・中級指導員を取りまとめる役割があります。
指導のほか、各種大会やイベントの企画・運営などを行うのも上級障がい者スポーツ指導員の仕事です。
その他
その他専門的な役割を持つポジションとして、下記の3種類の役割があります。別途医師免許など必要になる資格があるため、残念ながら未経験からなることは難しいポジションです。反対に資格を有しているのであれば、中級以上の資格を有することでなれるチャンスがあります。
【障がい者スポーツコーチ】
パラリンピックをはじめとする国際大会で活躍するアスリートを専門的に指導する。中・上級資格を持つ方で競技団体の推薦により選ばれる
【障がい者スポーツトレーナー】
スポーツトレーナーとしてはもちろん、障害に関しても高い知識や技術でもってアスレティックリハビリテーションやトレーニングなどを行う
【障がい者スポーツ医】
障害を持つ方のスポーツ・レクリエーション活動に必要な医学に関する管理や指導などのサポートを行う。なるには日本の医師の国家資格を持ち、5年以上経過している必要がある
障害者スポーツ指導員になる方法
障がい者スポーツ指導員になる方法は、大きく分けると2種類です。
①公認養成講習会を受講する。
②認定された大学・専門学校に在学し、該当するカリキュラムの単位を取得し、条件を満たす
上記のうちのいずれかの方法で資格を取得することができます。さらに各級ごとにそのカリキュラムや条件が異なります。今回は初級・中級・上級の3つについて順に説明していきましょう。
初級
初級は全国各地で行われている日本障がい者スポーツ協会が認定した養成講習会を受けて資格を申請します。
受講条件:満18歳以上
講習内容:基準カリキュラムに基づいて行う
講習時間:全18時間以上
講習開催時期・受講料・申し込み先・受付期間:開催地で異なる
日本障がい者スポーツ協会のホームページで紹介しているカリキュラムと講習開催場所の検索ページのリンクを下記に紹介します。興味のある方はチェックしてみてください。
中級
中級取得に関して今回は、『初級を取得した方』を対象とした条件を説明します(別途専門的知識を有することで講習内容や条件が異なることがあります。詳しくはこちらをご覧ください)。
(初級指導員から取得したい場合)
受講条件:初級障がい者スポーツ指導員資格を持ち2年以上が経過している。80時間以上の活動実績がある
講習内容:基準カリキュラムに基づいて行う
講習開催時期・受講料・申し込み先・受付期間:開催地で異なる
初級と同様、こちらも下記の参考リンクから、カリキュラムと開催地の案内のページにアクセスすることができます。
上級
さらなるステップアップとして上級障がい者スポーツ指導員の資格取得については下記の通りです。
受講条件:中級障がい者スポーツ指導員資格を持ち3年以上が経過している。かつ120時間以上の活動実績がある
講習内容:基準カリキュラムに基づいて行う
講習時間:全18時間以上
講習開催時期・受講料・申し込み先・受付期間:開催地で異なる
下記の参考リンクにカリキュラムと開催地(中級と同じページです)の案内がありますので、トライしてみたい方はチェックしてみてください。
運動やスポーツが好きな方はこちらもチェック
運動が好き・得意なことを活かして仕事がしたい。そのような気持ちでこの記事に辿り着いたかもしれません。今回お伝えした障害者(障がい者)スポーツ指導員のほかにも、運動が得意なことを活かした働き方をするチャンスがあります。こちらの記事から、どんな仕事があるかぜひ見に来てくださいね。
『得意』『好き』を活かして働くには
得意なことや好きなことを活かして仕事をしたい。少なくとも一度はそう思ったことがある方は多いでしょう。強みを活かして働くことこそ本来の力を発揮しやすく、モチベーションも保ちやすいものですよね。
得意なことや好きなことを活かすには、まず
・自分がどれくらいできる(好きな)のか
・自分の『得意』『好き』を求める企業や職場環境はあるか
この2つを理解し、両者が組み合わさる手段がないか見つけていくことを覚えておきましょう。このニーズが重なることで、強みを活かして活躍できるチャンスが広がるのです。
もし『実現にはスキルが足りない…』『どんなチャンスがあるか分からない…』という方は、ぜひこのまま下記の案内をご覧ください。
障害を持つ方へ。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
身体を動かす習慣を仕事にすることで、自身の健康や社会との関わりを作りながら働くことができます。障害者スポーツ指導員は、そのチャンスの一つです。ぜひトライしてみてくださいね。