就労移行支援の利用期限が迫っている…
就労移行支援事業所の利用期間は、原則2年間である
就労移行支援事業所は、国の認可を受けて障害のある方に向け一般企業への就職をサポートする福祉サービス施設です。利用できる期間は、原則2年間です(24カ月間。こちらで分かりやすく説明しております)。
参考:厚生労働省 – 資料2-1 障害者の就労支援について
参考:会津若松市 障がい福祉サービス支給決定基準 平成29年4月
まだ就職できず、利用期限が迫っている…
もうすぐ利用期限が迫っていて、まだ就職できない…このような状態ですと、焦りますよね。事情にあっては
・2年間通い続けてきたが、応募したい求人が見つからなかった
・通所中何度も求人に応募したが、採用を受けられなかった
・途中で体調を崩してしまい、長期的に通っていない時期がある(あった)
これらのような様々な事情があるのではないでしょうか。そこで今回は、『就労移行支援の利用期間は延長できるのか』について紹介します。
就労移行支援の期間延長申請ができる可能性があるケース
期間延長の条件は、合理的な根拠があること
結論からお伝えしましょう。就労移行支援の利用期間を延長できるケースはあります。ただし、これには『合理的な根拠』がないといけません。この『合理的』というものが具体的などんなものなのかの明記はなく、その判断は各市区町村に委ねられている形です。
しかし、何が「合理的な根拠」なのか。まずは「合理的」の意味について紹介します。
【「合理的」の意味】
1.道理や論理にかなっているさま。
2.むだなく能率的であるさま。
これを「就労移行支援の通所」に置き換えると、
1.就労移行支援事業所に正しく通っていること(ルールや目的に沿っている)
2.通所中、積極的(かつ効率的)に就職活動を行っていたこと。または就職に向けて進めていたこと
これを各市区町村が認めれば、期間延長申請ができる可能性があるということです。
参考:就労移行支援事業の延長 – 障がい者自立支援 [No.210597]
参考:就労移行支援の利用対象者と利用期間・利用料金・必要な手続きとは? | 就労移行支援事業所チャレンジド・アソウ
長期休養していた場合、再申請できるケースもある
また体調不良などで長期休養していた(長期的に通所していなかった)場合、
・新たに2年間の再申請
・1年間の延長申請(休養していた分の延長ができない場合)
これらのうち、いずれかが認められる可能性もあります。しかしこの場合も各市区町村の判断に委ねられており、明確な基準はお住まいの市区町村に確認してみる必要があるのです。
利用期間終了後、就労継続支援事業所の利用となるケースもある
利用期間内に就職ができなかった、かつ延長後も一般企業に就職することが難しいと認められた場合、『就労継続支援事業所』の利用を勧められるケースもあります。
就労継続支援事業所にはA型とB型の2種類あり、どちらも働きながら就職に必要なスキルを身につけていくことが目的です。就労移行支援との違いなど、詳しくはこちらの記事「就労移行支援と就労継続支援A型・B型の違いとは?ポイントを解説」をチェックしてみましょう。
まずは事業所のスタッフに相談しよう
利用期限が近づいたら、まずはスタッフの方に相談しましょう。延長申請する場合にあっても、利用者個人で申請して認められるという可能性は低いです。これは「合理的であるかどうか」が、本人の主張のみでは明確になるケースが少ないからです。また、地域によっては事業所に書類を作成してもらうケースもあります。
ですから「まだギリギリまで就職のチャンスがあるかどうか」の確認も含めて、スタッフとよく相談しましょう。
期間延長は難しそう…となった時は
自分で求人や仕事を探すこともできる
また、就労移行支援で学んだことをもとにハローワークなどで求人を探すこともできます。「就労移行支援の利用終了後も求人を探す方法」「企業に勤める以外の働き方」についてなど、関連記事をまとめました。興味を持ったものがあれば、ぜひチェックしてみましょう。
【企業への就職・求人検索を続けたい】
・ハローワークに相談してみる→こちら
・転職エージェントに相談してみる→こちら
【企業に勤める以外の働き方をしてみたい】
・クラウドソーシングに登録して、仕事を請けてみる→こちら
・自分で起業する→こちら
自分のスキルを活かして仕事にする方法もある
働くという方法は、一般企業に勤めるだけではありません。自分のスキルを活かして仕事にするという方法もあります。もし下記の項目に心当たりがあれば、参考としてみてください。
・音楽関係の仕事をしたい→関連記事はこちら
・アート、美術関係の仕事をしたい→関連記事はこちら
・eスポーツとして、ゲームプレイを仕事にしたい→関連記事はこちら
このように、働く手段はまだたくさんあります。諦めずに自分らしい働き方を探していきましょう。
関連記事:発達障害、精神障害者が自宅で起業するメリットとデメリットとは?
就職に悩んでいたら、Saladにご相談ください
就職について悩んでいたら、ぜひSaladにご相談ください。Saladでは、障害を持つ方の強みを活かして働く「カスタマイズ就業」をもとにした、就職に関するサポートをしております。こちらのページにSaladで取り扱っている非公開求人がありますので、ぜひアクセスしてみてください。
その他就職についてのお問い合わせやご相談は、こちらのお問い合わせフォームから連絡することができます。あなたの第一歩、お待ちしております。
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
タイムリミットのように日々が過ぎていくと、不安になりますよね。しかし、『利用期限が過ぎたらすべてが終わり』ということはありません。今回の記事でお伝えしたように働く手段には様々な方法がありますし、事業所で学んだことは決して無駄にはならないからです。
しかし、まずは事業所のスタッフの方とよく相談することが『最優先』です。あなたに合った今後の道のりについてよく話し合いましょう。たまには立ち止まる日があっても良いです。それでも自分らしいワークスタイルに辿り着けるよう、少しずつ進んでいきましょう。
【筆者紹介】
Salad編集部員。主に記事制作を担当。1980年生まれの男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。公務員、障害者雇用として民間企業の経験、就労移行支援事業所の通所を経て、現在の働き方に至っている。