【体験談】同じ悩みが無限ループのように離れない…止め方の工夫は

【筆者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれ、男性。ASD(自閉症スペクトラム) HSP の特徴がある。周囲から「悩むのが趣味か」と言われるほど、悩むことが多い。

テレワークをする男性

悩みが無限ループのように繰り返される

無限ループにより増える悩みに苦しむ男性

HSP特性の影響で、悩みの元を多く受け取ってしまう

筆者はHSPの特徴からか、周囲から多く情報を受け取ります。自分にとって必要なものをキャッチするなど良い面もありますが、辛い思いをする情報も多く受け取ってしまうのです。

周囲に相談する際に相手から「それなら情報を受け取らなければよい」と言われると、自分の特性を無視されたようで悲しくなります。それはHSPの特性を踏まえたアドバイスではないと感じるからです。

参考:HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは?その特徴や症状|心療内科・精神科|うつ病治療の新宿ストレスクリニック

ASD特性で、悩みの元を忘れられない

そのようにHSP特性で多く「悩みの元」を受け取ってしまうことに加えて、ASDの持つ特性の影響で「忘れる」ことができない問題もあります。これは

・その問題が解決する、はっきりすることがない限り、気になってしまう
・関連する出来事から芋づる式のように過去の記憶がよみがえりやすい

この2つの特徴からフラッシュバックを伴う苦労を感じることがあるのです。この悩みを相談すると『また同じこと言ってる!』『いつまでも過去のことをぐずぐず言うな』と相手にしてもらえないケースがありました。そのため迷惑をかけないようにと自分一人でいつまでも悩んでしまう…と苦しみ続けてきたのです。

参考:ASD(自閉症、アスペルガー症候群)|どんぐり発達クリニック|東京都世田谷区 千歳烏山

関連記事:アスペルガーは過去にこだわる!? フラッシュバックを防ぐ対策3つ

こうして筆者の場合、

・沢山『悩み』をキャッチする
・キャッチした悩みをいつまでも忘れられない

この2つの要因から、『無限ループ』を起こしてしまいます。今回は、この『悩みの無限ループ』について

・どんな悩みが「無限ループ」になりやすいか
・無限ループを止めるために、どんなことをしているか

この2点を中心にお伝えしていきます。

無限ループになりやすい『悩みの元』

無限ループの悩みを抱え込む男性

 

①他人の言動や感情について

他人が話していたこと、表情などから取れる感情がどのようなものなのか。どうしてそのようなことを話していたのかなど、心理について永遠に考えてしまいます。

・直接相手には聞きたくない場合
・相手自身も、言動の動機について覚えていない場合(何となく言った、など)

このようなときに自分一人で答えを出そうと悩んでしまいます。しかし、「答え」は相手が持っているか、そもそも存在しないのです。それを知りつつも「はっきりしないことに耐えられない」ために、悩み続けてしまいます。答えや根拠をはっきりさせて、「正当な原因の上に起きたこと」としたいために深く悩んでしまうのです。

②過去に起きた経験について

過去に起きた物事や経験に関しても無限ループに陥りやすいです。なぜ無限ループになるかと言うと、「過去に起きた出来事を変えるために考える」ことが原因になります。どう考えても過去に起きたことは変わらないのですが、何か『汚点があるようで納得いかない感覚になるのです。その汚点をどうにかしてきれいにしたいと、無限ループにつながってしまうのです。

③将来に向けて感じることに対して

将来自分がどうであるべきか、どうなりたいかなどの漠然としたものから、仕事の目標など具体的なものまで様々です。これも「過去」と関係してくるのですが、「過去の自分を基準に考える」傾向があるため、ネガティブなイメージを持ちやすいことがあります。そのネガティブなイメージが膨れ上がる形で、いつまでも悩んでしまうのです。

参考:感情をコントロールできない:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト|NHK

「答えが見えにくい、曖昧なもの」に悩むことが多い

無限ループに苦しむ男性

例えば「1+1の答え」について悩むかと言えば、それはありません。なぜなら答えが「2」であると明確だからです。その根拠や流れも明確であるため、そのような「はっきりしている物事」で悩むことはありません。

問題は、上記3つの悩みの元に共通する「答えが見えにくい、曖昧な物事」に対してです。「見えない」というよりほとんどのケースで、答え自体がないことの方が多いかもしれません。だからこそどこまでも答えについて考えてしまうことに繋がってしまいます。

自分で折り合いをつけることが苦手なために、答えが出ていなくてもいったん考えないでおく…などもできないため、無限ループにはずっと悩んできています。

関連記事:アスペルガー(ASD)は暗黙の了解が苦手…曖昧な表現への対策4つ

このような「無限ループ」を繰り返していると自分への負荷がかかるどころか、相談している相手にもストレスがかかってしまうおそれがあります。このような無限ループを止め、ストレスを軽減するために工夫していることを紹介しましょう。

参考:こだわり、不安がつよい:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト|NHK

悩みの無限ループの止め方で工夫していること

思考のコントロールを行い、悩みの無限ループを防いでいる男性

行動を加えてみる

繰り返し悩んでいるときは、思考のみ働かせていることが多いです。頭だけで考えていると状況が変わりにくいため、行動を加えることが思考を変えるきっかけになることがあったのです。

悩んでいる問題についての行動の時もあれば、全く別の行動に移すことまありました。

自分の現在位置を確認する

現在位置」とは、今置かれている状況や現時点で意識していることを指します。特に過去について悩んでいる場合、その過去の状態の自分に戻って悩んでいることが多いのです。そのために、現在位置を確認するようにしています。

分かりやすく例を挙げると、足し算ができなかったことで悩んでいたとします。今は足し算ができるから、本来それで悩む必要はないはずです。しかし当時に感じた屈辱や苦しさがフラッシュバックすることで悩みが復活してしまう…という仕組みです。

筆者はこのような「過去から自分を今に戻す」ために、現在位置を確認することをしています。学生時代の悩みであれば学校に行くなどして、「過去の時と今の自分では違う」ことを再認識することで、悩みが収まったことがあります。

詳しくはこちらの記事「【アスペルガー】過去の記憶のトラウマとどう向き合う?体験談を紹介」も参考にしてみてください。

書き出す

最後に「言葉にして書き出す」こともしています。もともとASDは感情表現が苦手なケースが多いですが、筆者も例にもれず感情をため込んでしまうことが多いです。そのため書き出して感情を出してしまうことで

・吐き出せたことから気持ちがすっきりする
・客観的な視点から心情を見ることで、答えが見えてくる

これらの効果を感じています。筆者自身もこうして記事を書くことで、思考が整理されていくこともあるのです。

参考:PTSD|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

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まとめ

悩みの無限ループから抜けた男性
いかがでしたでしょうか。

学生時代は答えのあるものばかりを見てきました。そこに向けて真剣に取り組んでいれば良い、というシンプルなものだったはずです。しかし社会に出ると「答えのないもの」に溢れていることで、はじめはとても苦労しました。

答え(正解)が学校のテストのように提示されるものではなく、『自分の中で見出す』ことがなかなかできませんでした。少しずつ時間をかけて「これでよいんだ」と意識することを続けて、今に至っています。

同じように悩みの無限ループに苦しんでいたら、自分で答えを見つけてそれを受け入れるよう、少しずつ心がけてみてください。筆者もまだトレーニング中ですから、一緒に頑張っていきましょう。

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