アスペルガーは過去にこだわる!? フラッシュバックを防ぐ対策3つ

過去にこだわるゆえ、フラッシュバックに苦しみやすい

特性の活かし方が分からず、コミュニケーションに苦しむ

「アスペルガー」と呼ばれていた障害は、現在は「ASD(自閉症スペクトラム)」という名称で扱われています。

ASDには、主に「こだわりが強い」、「臨機応変な対応が苦手」という特徴があります。これらの特性の活かし方に悩み、他者とのコミュニケーションに苦しむ方がいます。

特性上、「忘れる」ことが苦手

ASDを持つ方の「悩み」の中に、
過去にこだわりすぎてしまい、いつまでも忘れることができない
というものがあります。他の人ならすぐに忘れるようなことでも、何十年も細部にわたるまで覚えていることがあります。

これにより、辛い経験や苦しい思いがフラッシュバックのようによみがえってしまい、ストレスを生みやすいです。

では、ASDを持つ方が
○なぜ過去にこだわるのか(忘れにくいのか)
○フラッシュバックによるストレスへの対策には、どのようなものがあるのか

について紹介します。

参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について| e-ヘルスネット(厚生労働省)

【ASD、アスペルガー】過去にこだわる理由

こだわりが強い特性から、過去に執着しているため

ASDを持つ方は、特定の物事へのこだわりが強いことが多いです。

こだわりの矛先が「過去」にある場合、常に強く意識しています。辛い体験などは感情が伴うため、執着する物事になりやすいです。

納得のいかないことに折り合いをつけられないため

ASDを持つ方は、曖昧な物事への対応や処理が苦手です。これにより、自分の中で納得ができないことに関していつまでも考えてしまいます。

代表的なものとして、他人の反応や心情についてがあります。

「どうしてあの時、陰口を言われていたのか?」「相手はあの時、どうして嫌そうな顔をしたのか?」など、根拠のないものが多く、自分の中で答えを出そうとします。

心情のほとんどは、根拠がありません。そうと知りつつも、明確な答えを探してしまいます。

自分の中での落とし所がつかめないことで、苦しんでいる方もいるのではないでしょうか。

変化が苦手で、新しい情報が入りにくい

ASDを持つ方は、臨機応変な対応が苦手なことがあります。これにより、決まったパターンに落ち着いてしまいがちです。

変化を好まず、同じ行動を繰り返しやすいため、新しい情報が入りにくいです。

よって「記憶の更新」がされにくく、過去にこだわりすぎてしまいます。

参考:「アスペルガー症候群を知っていますか?」Web版・日本語 | 自閉症を知る | 東京都自閉症協会

過去にこだわることは、不調の原因になりやすい

過去にこだわり、フラッシュバックを繰り返していると、精神的に負担がかかります。

それどころか、過去の辛い経験を基準に他人を見てしまいがちです。そのため、他者とのコミュニケーションにも支障をきたしてしまいます。

これらの課題をなくし、フラッシュバックを防ぐには、どのような対策が必要なのでしょうか。

参考:発達障害の特性(代表例)|厚生労働省

フラッシュバックを防ぐ対策

過去を変える唯一の方法は、現在以降の行動を変えること

「過去は変えられない」とよく言われています。しかしこれは、過去に起きた物事を変えられないだけです。

何を基準に過去を見ているかというと、「現在の自分」です。今うまくいかない原因を、過去から探そうとしているのです。

しかし反対に、現在の生活がうまくいけば、過去は経過に変わります。少なくとも、執着する必要がなくなります。

過去の「見方」を変えるために、今から行動しても間に合います。

なぜ今でも納得がいかないのかを振り返ってみる

納得がいかないことには、理由があります。しかし過去の似た経験からではなく、現在のあなたの思考のくせから起こるケースがあります。

もしフラッシュバックに悩むことがあれば、「そもそも自分はどうして悩んでいるんだ?」「そもそもどうして過去と今回の出来事が共通しているんだ?」と問いかけてあげてください。

そうして考えるくせを改めていくだけで、フラッシュバックを防ぐことができます。

関連記事:認知行動療法とは?セルフケアで発達・精神障害の不安を解消!

少しずつ、感情を外に出せるようにする

過去にこだわってしまうのは、あなたの感情を外に出すことができていないときが多いです。我慢しているストレスから、過去の記憶に紐づけされてしまうのです。

しかし我慢せず、相手にそのたび感情をぶつけるのは危険なことです。かつ、体力を要することです。ですから感情を吐き出す相手がいる、いないは問いません。自分の感情を紙に書きだすだけでも構いません。

少しずつ感情を外に出すように心がけていけば、ストレスを解消させやすくなります。その結果、過去に振り返る機会が減っていきます。

身近な目標を立てて、負担のない方法で刺激を作る

現状が変わっていなければ、今あることを考えます。これでは強引に過去を忘れない限り、フラッシュバックは起こります。

執着していた過去に対して、自分の意思で断ち切ることは至難の業です。「いつまでもそんな昔のことを考えるな!」と言われても、なかなか忘れられないものです。

ですから簡単な方法として、身近な目標を立てて取り組んでみましょう。

「1日5千歩歩く」、「一言日記を書く」でも構いません。続けやすく、手軽に達成感が得られることから始めるのがコツです。

参考:認知行動療法 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

過去にこだわる特性は、記憶力向上にもつながる

過去にこだわりすぎることは、フラッシュバックにもつながり不調を招きます。

しかし過去にこだわることは、「記憶力」として活かすこともできます。記憶によるストレスのコントロールができれば、仕事などで重宝される能力になります。

必ずしも今悩んでいることは悪いところだけではありません。今悩んでいることがあるということは、それに相対して必ず強みがあります。

関連記事:【大人の発達障害】「アスペルガーの人は記憶力がいい」って本当?

参考:発達障害の特性(代表例)|厚生労働省

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

過去の記憶を思い出すうえで危険なことは、一つの出来事から芋づる式のように沢山の物事を思い出してしまうことです。現在のストレスに関わる記憶がどんどん浮かび上がってしまうことで、不調を招いてしまいます。

過去の悩みの答えは、過去にはありません。今のあなたの生活から捉え方を変えることで、貴重な人生経験に変化します。

少しずつ、思い出とうまく向き合っていけるようにしていきましょう。

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