就労移行支援と精神科デイケアには、異なる目的がある。
就労移行支援事業所とは
就労移行支援事業所は、障害を持つ方がそれぞれの希望に合った働き方ができるよう、スキルを学ぶための施設です。また、就職にかかわる情報やアドバイスを受けることもできます。
就労移行支援について興味のある方は、この記事を読んだ後に下記の関連記事もチェックしておくことをおすすめします。
関連記事:就労移行支援事業所 利用のメリット 〜こんなお悩みの方に知って欲しい〜
関連記事:【事業所選びに迷ったら】就労移行支援事業所を体験利用してみよう!
精神科デイケアとは
精神科デイケアとは、精神科などの医療機関などで行う通院リハビリテーションです。生活リズムの調整や社会生活機能の向上を目的とした福祉サービスです。
種類として日中に行うものや、夕方から夜にかけて行うものなどがあります。
詳しくは、下記の参考リンクまたは関連記事も併せて読んでいくと、この記事がさらに分かりやすくなります。
関連記事:【体験談】精神科デイケアに通う効果~復職後活かせたスキルとは
就労移行支援とデイケア。併用することはできるのか?
答えから言いますと、就労移行支援と精神科デイケアの併用は『可能』です。就労移行支援で日程などを調整し、訓練のない曜日や時間帯にデイケアに参加することになります。
なお自立支援医療(精神通院)制度を使ってデイケアに参加している場合、デイケアのプログラムによっては、同じ日に受けられないこともあります。
そのため、同じ日に2つとも利用したいときは「日中に就労移行支援で訓練をして、終了後ナイトケアを受ける」というような利用する時間帯を分ける工夫が必要になります。
必ず、デイケアとの併用の際には就労移行支援事業所のスタッフの方、デイケアのスタッフの方に相談しましょう。
それでは、就労移行支援とデイケアを併用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
就労移行支援・精神科デイケアを併用するメリット
スキルの学び分けができる
就労移行支援と精神科デイケアを併用すれば、スキルの学び分けができます。
例えば、就労移行支援ではコミュニケーションを用いないスキル(パソコンやITスキルなど)を学び、デイケアでは対人コミュニケーションを学ぶという使い分けができるわけです。このように短い期間で幅広くスキルを磨けるメリットがあります。
ただし、どちらも同じような内容のプログラムを学ぶのでは、併用の意味がありません。適切な使い分けには、事前に就労移行支援とデイケアでどんなプログラムがあるのかを確認しておくことが必要です。
就労移行支援事業所には、事業所によって学べるスタイルが全く異なります。こちらの「取材済みの就労移行支援事業所一覧」を参考にして、各事業所の特徴をチェックしてみましょう。
訓練での疲労のケアができる
就労移行支援事業所は、就職やその後働くためのスキルを学ぶ場所です。そのため、心身共に負担がかかるときもあります。そのようなときに、デイケアのプログラムで疲労のケアを行い、生活リズムを調整することもできます。
相談先が増える
デイケアのみでは、特に就職に関わる相談を行うには限界があります。そこで就労移行支援と併用すれば、「就職に関しては事業所のスタッフに、体調に関してはでケアのスタッフに相談する」などの工夫もできます。
また、相談先が増えることであなたの心の負担も軽くなりやすいです。
併用のデメリットはあるの?
原則、併用することで、あなたに不利益が及ぶことはありません。
ただし、デメリットとして挙げるとすれば、
○長期間のまとまった訓練がしにくい
○就労移行支援のスタッフと相談する機会が少ないぶん、就職についての話し合いが進みにくい
という点が挙げられます。
よって最短ペースでの就職を考えている方は、併用することでのメリットは少なくなります。
その他就労移行支援と併用できる施設
グループホーム、各地域の就労支援センターなどがあります。併用を考えている場合は、就労移行支援事業所のスタッフの方に相談しましょう。
就労移行支援と併用できない施設
就労継続支援A・B型事業所
雇用契約を交わすため、一部市区町村を除き就労移行支援との併用はできません。ただし、手続きを踏まえれば就労移行支援から移行することはできます。
また、反対に就労継続支援から就労移行支援に移行することも、同様に可能です。興味がありましたら、下記の関連記事をチェックしていただき、特徴を比べてみてください。
関連記事:就労移行支援と就労継続支援A型・B型の違いとは?ポイントを解説
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、主に就労移行支援と精神科デイケアの併用についてご紹介しました。あなたの体調や希望に合わせて、無理のない取り組み方を考えていきましょう。
もし、あなたに合う学び方に迷う場合はSalad編集部までご相談ください。