HSPは旅行嫌い? 旅行ならではの非日常の出来事に対する不安
普段の環境と違う、旅行ならではの環境や出来事が不安
「新しい場所に行くのが怖い」「人混みが苦手」「知らない土地で何かあったらどうしよう…」
このような不安を感じたことはありませんか?
特にHSPの自覚のある人は、周囲の雑音や人の多さなどの感覚への刺激、普段と違う環境に対して敏感になり、負担に感じてしまうかもしれません。
また、繊細な感覚のために、旅行中の出来事に様々なストレスを感じることがあるかもしれません。
一方で、豊かな感受性を生かして、旅を通して世界を深く感じ、さまざまな情報を受け取ることができる可能性もあるでしょう。
そんなチャンスを逃すのはもったいないと思いませんか?
家族や会社の行事など、本当は行きたくなくても参加しなければならない旅行もあると思いますが、この記事の情報を活用して対策を行い、安心して過ごしていただき、旅の中で少しでも楽しみを見つけていただければ幸いです。
関連記事:HSPは旅行が苦手?不安になる理由と楽しく旅をする為に行う準備4つ
HSPのための旅行の不安・ストレス対策
旅行の不安・ストレス対策は事前準備が重要!
旅行中のスケジュールを立て、無理のない計画を立てるなど、事前にできることで安心感をUPさせられる方法はいろいろあります。
備えあれば憂いなしです。
事前準備で予想される不安要素を取り除いておくことで、旅行中により安心して過ごせる環境を作りましょう。
リラックスできる環境づくり
旅先や宿泊場所の情報を調べておく
旅先の情報、宿泊場所の情報をあらかじめよく調べて知っておけば、予想できない出来事やトラブルが起きにくくなります。
例えば、寒さが厳しい地域へ旅するなら防寒対策を充実させますよね?
そうすることで、旅先で寒い思いをしたり、体調を崩したりすることを予防できるからです。
旅先のことを入念に調べ、普段の環境との違いを予想して、快適に過ごすための準備をしましょう。
静かな場所を探す
宿泊先で部屋が選べる場合など、エレベーターや食堂・浴場・ランドリーコーナーや自販機、トイレなど人通りの多いところから離れた部屋を選ぶことで、物音や声がうるさくて気になる可能性が低くなります。
部屋の中でも入り口近く、廊下に近いエリアを避ければ、より静かになります。
音に煩わされずにゆっくり休みたい場合には気を付けましょう。
コミュニケーションの工夫
旅先では初めて会う人、交通機関の職員やタクシーやバスなどの運転士、ホテル・旅館・飲食店や商業施設の従業員などとコミュニケーションが必要になる場面があります。
普段よく話す人とのコミュニケーションとは違い、緊張したり不安になるという人も多いでしょう。
場面を想定し、具体的なコミュニケーションを練習しておく
例えばホテルや旅館のチェックインの場面、道を聞くときの場面、店の人に何かお願いしたいときの場面など、人とのコミュニケーションが必要な場面を想定して、シミュレーションしたり練習したりしておくことで、心の準備ができます。
ここで重要なのはできるだけ具体的に詳しく場面を想定することです。
ホテルでのチェックインを例にとれば、挨拶→チェックイン→施設の案内を聞き、わからないことがあれば質問する→お礼を言って部屋に向かう…など、詳細にイメージしてシミュレーションしましょう。
チェックイン時刻に遅れてしまったり、イレギュラーな対応をお願いしたいときなど(けがをしてしまって応急手当用品が欲しい、具合が悪くなって病院の連絡先を教えて欲しい…など)、予想外の事態もシミュレーションしておけば、必要な時に緊張しにくくなります。
人混みを避ける、混雑する時間を避ける
旅行先で混雑する場所や時間が分かっている場合は、なるべく避けることでストレスや負担が少なくできます。
ホテルの外で人気の飲食店に食事しにいくよりも、近くの店でテイクアウトの食事を買ってきて宿泊する部屋で静かに食べる方が安心できて疲れないなら、そうしましょう。
無理に混雑した場所に行かなくても良いのです。
HSPの旅をサポートするアイテム紹介
旅に持っていくと負担を減らせる、快適に過ごすためのアイテムを紹介します。
移動を快適にするアイテム
・耳栓、アイマスク、ネックピロー、スリッパ
長時間、電車や車に乗って過ごす場合、騒音を防いで、楽な姿勢をサポートするアイテムを持っていくことで体への負担が減らせます。
寒いことが予想される場合は使い捨てカイロや体温調節のための予備の上着(カーディガンやベスト)などを用意しましょう。
宿での睡眠やリラックスタイムを快適にするアイテム
・耳栓、アイマスク
耳栓とアイマスクは、睡眠時の音や光が気になる人に便利なアイテムです。
・イヤホン、音楽プレーヤー
好きな音楽を聴くことでリラックスできます。気になる騒音を紛らわす役にも立ちます。
・ホワイトノイズマシン
ホワイトノイズを聴くことで安心する人は、携帯できる発生装置(ホワイトノイズマシン)を持っていくのも良いでしょう。
参考:ひそかに話題!ホワイトノイズとはどんな音? – Always Listening by Audio-Technica(オーディオテクニカ)
・薬、おくすり手帳など
鎮痛薬やアレルギーの薬など、自宅で使う機会の多い常備薬などは持参すると安心です。
おくすり手帳を持っている人は、緊急時に備えて持参するか、手帳の内容をスマートフォンのカメラで撮影して画像をいつでも見られるように保存しておくのもよいでしょう。
・ヘルプマーク、ひまわり支援マーク
ヘルプマークの取り組みは日本全国各地で広まっています。
公共交通機関などを利用する場合に持っていると安心できるなら持参しましょう。
また、海外で使われているヘルプマークと似たものにひまわり支援マーク(Hidden Disabilities Sunflower)があります。
日本では羽田空港で配布されています。
参考:ひまわり支援マーク | サービス一覧 | サービス案内 | 羽田空港旅客ターミナル
参考:Hidden Disabilities Sunflower(※日本語対応サイトなし、英語)
・ホットアイマスク、アロマテラピー用品、お気に入りのタオル
リラックスのためのグッズを持っていくことで、不安になったときや予期しないトラブルで動揺した後などに気持ちを落ち着ける役に立つかもしれません。
ホットアイマスクやアロマテラピー用品などは、現地のドラッグストアやコンビニエンスストアなどで調達することもできます。
HSPならではの旅の楽しみ方を見つけよう
旅で五感を研ぎ澄ます
HSPの人は五感がとても敏感です。この強みを活かして、旅をもっと豊かにしませんか?
五感を通して自然との一体感を感じよう
例えば、海辺で波の音を聞きながら、潮の香りを深呼吸してみてください。
砂浜を裸足で歩けば、足裏から伝わる砂や海水の感触が心地よく、心が安らぎます。
森の中を散策すれば、木漏れ日や鳥のさえずり、土の香りなど、五感を刺激する様々な要素があなたを包み込んでくれるでしょう。
宿泊地の近辺で散策できるコースを調べておけば、思い立ったとき、時間ができたときに気軽に散策を楽しむことができます。
味覚と嗅覚の探求
旅行先の名物料理、地元で採れる珍しい食材などに積極的にチャレンジしてみましょう。
現地の店や市場で新鮮な食材を選び、自分で料理してみるのも新鮮で楽しい体験です。
食材本来の味や香りを味わうことで、その土地の文化に触れることができます。
また、カフェ巡りをして、こだわりのコーヒーや現地特有の飲み物を味わうのも良いでしょう。
味覚と嗅覚を刺激することで、記憶に残る豊かな体験になるでしょう。
五感を研ぎ澄ますことの心理学的なメリット
五感を意識的に使うことは、マインドフルネスと呼ばれる心の状態に近づくための効果的な方法の一つです。
五感に集中することで、過去の出来事や未来への不安から解放され、今この瞬間をより深く味わうことができます。
参考:『マインドフルネス』って何だろう?|東京大学経済学部・経済学研究科学生サポートルーム (PDF版)
参考:厚生労働省eJIM | 瞑想とマインドフルネスについて知っておくべき8つのこと[コミュニケーション]
マインドフルネスについてもっと詳しく知りたい方は、下記の関連記事もぜひご覧ください。
関連記事:マインドフルネスとは?発達障害のストレス改善にもつながる!
関連記事:【体験談】集中力を高める習慣。マインドフルネスを心掛ける行動3つ
自分のペースで旅を楽しむ
感覚の鋭いHSPの人は、周りの人に合わせて行動することが苦手かもしれません。
そんな時は、自分のペースで旅を楽しむことを心がけましょう。
自由な時間の過ごし方
例えば、人の多い観光地を巡るのではなく、宿泊先の部屋で景色を眺めてリラックスする、静かなカフェで読書をする、公園でぼんやりと過ごすなど、自分の好きなように時間を使うのも良いでしょう。
多くの人が集まるスポットでなくても、美術館や博物館でじっくりと展示品を鑑賞する、歴史ある街並みを散策するなど、自分の興味のあることに集中することで、豊かな時間を過ごすことができます。
一人旅のメリット
旅行が不安なひとにとって、一人旅はよりいっそう勇気がいるかもしれませんが、一人旅は自分と向き合う貴重な時間にもなります。
自分のペースで行先や日程を調整できるのも大きなメリットです。
誰にも邪魔されることなく、自分の心に正直に旅を楽しむことができます。
また、新しい自分を発見するきっかけにもなるでしょう。
自分だけの時間を過ごすことの心理学的なメリット
自分だけの時間を過ごすことは、自己肯定感を高めることにつながります。
自分のペースで行動し、自分の好きなことをすることで、自己肯定感が高まり、自信を持つことができるでしょう。
旅の記録をつける
旅の思い出を記録することは、旅を通して得たことや思い出、経験の記録になるだけでなく、良い気分転換にもなります。
また、旅の記録を残しておくことで、旅での貴重な経験やその時の感覚を思い出しやすくなります。
日記やブログを書く
日記に感じたことや考えたことを書き留めることで、自分の心の変化を客観的に捉えることができます。
また、ブログやSNSに旅の記録をまとめることで、他の人から共感やいいねなどの反応を得てコミュニケーションのきっかけになるかもしれません。
写真や動画を撮る
美しい風景や美味しい食事の写真を撮ったり、動画に記録したりするのもおすすめです。
後で見返したときに当時の感動がよみがえり、自分自身の成長を感じることができるでしょう。
旅の記録をつけることの心理学的なメリット
旅の記録をつけることは、自己表現の一つの手段です。
自分の体験を言葉や映像で表現することで、自己理解を深めることができます。
また、創造性を刺激し、新たな視点を得るきっかけにもなるでしょう。
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす職のサポートをします
まとめ
世界が広がる!旅を楽しもう
HSPに特有の豊かな感受性を持っているからこそ、旅を通して得られる喜びは大きいはずです。
この記事でもご紹介した対策を参考に、あなたにとって快適な旅を計画し、心ゆくまで楽しんでください。
勇気を出して旅に出ることで、自分の強みや弱みを再認識する、新しい自分に出会うきっかけになるかもしれません。