過去と今とのギャップから、再就職が怖いと感じやすい。
うつからの職場復帰に苦しむ方が多い
うつ病を発症し、復職や再就職に踏み込めず苦しんでいる方がいます。うつ病を発症する前は、ほとんどの方が精力的に仕事をされていたのではないでしょうか。うつ病になると、意欲が減退し眠気などにおそわれます。今の自分と過去に活動的だった自分と比較して、「今の自分は何もできない」とギャップを感じやすいです。
このギャップから働くことに距離感をおぼえ、「怖い」と感じて悩む方が多いです。
今回は、このようなうつ病に悩み再就職に恐怖感を抱いている方に、
○なぜ再就職を怖いと感じるのか。
○恐怖感を克服し、再就職に踏み出す方法
をお伝えします。
参考:うつ病|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省
参考:うつ病|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
再就職を怖いと感じる理由
過去の体験を思い出してしまう
うつ発症当時の
○上司の叱責
○仕事に追われて辛い状態
○失敗を繰り返してしまう
などの体験を思い出してしまいます。過去から作られた「仕事でうまくいかない自分」をイメージして、「怖い」と感じてしまいます。
ブランクが長く、悪いイメージが膨らんでしまう
休職や離職の時期から期間が経っていると、つい悪いイメージを浮かべてしまいます。ブランクがあると、「早く再就職しなくては」という焦りも高まります。「再就職しなきゃ、でもうまくいかないのが怖い」と、さらに不安を強めてしまいます。
再就職が、ものすごく高いハードルに感じる
再就職には「求人を探して、何件も応募して、面接して…」と活動の段階があります。この就職活動の段階の多さに圧倒されているケースもあります。
また、仕事を始めたら体調を見つつ、少しずつ慣らしていくのが実情です。しかし、再就職を「怖い」と感じている方は、いきなり精力的に働く想定をしがちです。または、精力的に働かないと気が済まないプライドがある場合もあるでしょう。
このような感情から、再就職というものが、今の自分には越えられないものだと感じてしまいます。
理由もなく恐怖感が増してしまう
はじめは再就職に関して具体的な恐怖感だったのが、恐怖が恐怖を呼び芋づる式に膨らみます。最終的には「何が怖いのか分からないけど怖い」という状態になります。このようなケースは、症状や体調が悪化している可能性もあります。
再就職に関して、怖いと感じるポイントがたくさんあります。この恐怖感をどのように克服し、再就職を進めていくのでしょうか?
「怖い」再就職へ踏み出すための方法
怖さが完全にはなくならないことを知る
恐怖感が完全になくなるまで、就職活動を控える方がいます。確かに、高い恐怖感を持ったまま就職活動を始めても辛いです。しかし恐怖感が完全になくなることは、まずありません。理由は「仕事を始めないと見えてこないもの」に関しては、絶対に見えないからです。先のことへの恐怖感は、必ず残ります。ですから、恐怖感を完全に消そうとして、プレッシャーをかけすぎないようにしましょう。
参考:うつ病の認知療法・認知行動療法マニュアル(平成21年度厚生労働省こころの健康科学研究事業「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」)
うつ病の認知療法・認知行動療法治療者用マニュアル 厚生労働省
企業の情報をチェックして、過去の職場との違いを確かめる
過去に関して恐怖感がある場合、解決法はひとつ、「今を知ること」です。再就職を「怖い」と感じている場合、どの職場も過去にいた職場と同じだと考えていることが多いです。実際には、職場によって良し悪しはさまざまで、同じ職場はひとつとしてありません。さらに、今は障害を持つ方はもちろん、あらゆる特性の方に対応した職場も増えています。
情報のきっかけとして、下記の関連記事もチェックしてみてください。今企業がどんな取り組みをしているかを一部紹介しています。興味があれば、あなたもぜひ見学などに申し込んでトライしてみてくださいね。
関連記事:【障害者枠求人】企業見学を行って解消された就職活動の不安とは
支援機関に相談してみる
あなたひとりで、あなたの適性やスキルは分からないものです。うつ発症時の割るイメージに縛られて、あなたの実際の能力が見えないことが多いです。このようなときは、客観的な視点を織りまぜることで自信が回復していくことがあります。
自分について分からないことがある場合は、就労移行支援事業所などの支援機関に相談してみましょう。あなたの気付かない「市場価値」に気付けるかもしれません。
もし相談先に悩んだら、このあとお伝えする案内「うつ病や障害を抱える方へ。『Salad』が自分らしく働く就職のサポートをします」をご覧ください。
関連記事:就労移行支援事業所に通うには~手続きから利用開始までの流れ~
身近にこなしていることから適職を探してみる
過去の体験もあり、「仕事とは、苦しみ我慢するものだ」と考えていませんか?
こう考えていると、ハードルが高くなってしまいますよね。仕事のために何かしようと思うと、なかなかはかどらないものです。
あなたが普段の生活のなかで、自然にこなせているものを思い浮かべてみてください。趣味や日常生活の中など、仕事に直結していないことでも構いません。
あなたが身近にできることの中に、適職のヒントがあります。
関連記事:【発達障害を持つ方の就職】あなたもできる「カスタマイズ就業」とは
関連記事:【体験談】就職活動でPR!発達障害の「強み」の探し方
医師に相談して、必要に応じて服薬を調整してもらう
恐怖や不安の原因が分からなくなっている場合は、医師に相談してみましょう。
体調を崩すことや疲労がたまると、ネガティブになりやすいです。体を万全にすることで収まる恐怖感もあります。
関連記事:【医師に要相談】発達障害を持つ方にかかわる、服薬の効果と注意点
うつ病や障害を抱える方へ。『Salad』が自分らしく働く就職のサポートをします
一度職場のストレスが原因でうつ病を経験すると、それまで順調に仕事を進められていても全く自身がない…そんなこともありますよね。その中でストレスを感じることなく自分らしく働きたい。そんな働き方がもしあったら頑張れる。その気持ちをぜひ、このサイト『Salad(サラダ)』に教えていただけませんか。Saladでは、障害や難病を持つ方が強みや得意なことを活かして仕事をするための様々なサポートをさせていただきます。
サービス内容については、下記の通りです。
まとめ
怖さが完全になくならなくても、再就職はできる
先の分からないことに怖さを感じるのは自然なことです。今、その怖さを何とかしようと頑張っているのではないでしょうか。しかし、その「怖い」という気持ちを大切にしてください。
再就職が怖いと感じているぶん、復職後には自信に変わります。理由は「怖さを知っている」ことが財産になるからです。
遠回りは経験です。ですから、怖いと感じている自分を恥じたり、けなしたりする必要はありません。ゆっくりと、成長の種を育みましょう。