ソーシャルインクルージョンで、発達障害への福祉はどう変わる?

インクルージョンと障害福祉は関係がある?

インクルージョンと障害福祉は関係がある?

インクルージョンとは

「インクルージョン」とは、英語で「包括する」「包含する」という意味です。近年、社会的に差別を受けがちな弱者を援護する目的で、「ソーシャルインクルージョン」という考えが注目され始めています。

ソーシャルインクルージョンで、発達障害の受け入れ方が変わる

このソーシャルインクルージョンでは、社会生活をするひとりひとりの人間の考えを尊重しようとしています。低所得などの経済的に問題がある人や障害を持つ方なども「ひとり」として受け入れていき活かしていくという考え方なのです。

このソーシャルインクルージョンが浸透していくことで、障害を持つ方への受け入れ方が大きく変わる可能性があるかもしれません。

参考:ソーシャルインクルージョン|障害保健福祉研究情報システム(DINF)- 障害者の保健と福祉に関わる研究を支援するための情報サイト

発達障害にとっての福祉のあり方が変わるポイントになるかも

発達障害にとっての福祉のあり方が変わるポイントになるかも

一人一人の個性として受け入れてもらいやすくなる

よって、発達障害を持つ方への受け入れ方も変わるかもしれないのです。インクルージョンが浸透することで、「発達障害の特性」ではなく「あなたの特性・個性」として受け入れてもらえるようになります。

これにより、他の人たちに適応できるよう無理をして「矯正」するようなこともなくなる可能性があるのです。

障害を持つ方を「助ける」のではなく「活かす」考え方になっていくでしょう。

「グレーゾーン」の受け入れ方も変わる可能性がある

発達障害と同様の困難がありながら、診断されていない「グレーゾーン」の方もいます。

個々を「ひとり」として受け入れていくのであれば、「発達障害であるか否か」という縛りも弱まります。診断をされていなくても、障害特性と同じ苦労をしていることを受け入れてもらえるようになるかもしれません。

「障害の苦労」ではなく、「あなたの苦労」として考えられるためです。

ではインクルージョンが浸透することで、具体的なメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

参考:ソーシャルインクルージョンについて|社会福祉法人眉山福祉会 まゆやま学苑

ソーシャルインクルージョン浸透のメリット

ソーシャルインクルージョン浸透のメリット

自分の意見を受け入れてもらいやすくなる

インクルージョンが浸透すれば、「障害を持つ」「障害がない」など、人を『ジャンル分け』してみることが少なくなります。

今、職場で「障害を持っているから言いだせない」と遠慮していることもあるかもしれません。そのようなことも減り「自分の感覚から見た意見」として受け入れられる機会が増えていくでしょう。

個性を活かした業種、働き方につきやすくなる

インクルージョンが進むことで、個々のあり方を受け入れてもらいやすくなります。その影響で、今以上にさまざまな働き方が増えるでしょう。

働き方が多岐にわたることで、今はないような業種や働き方の種類も増える可能性があります。

選択肢が増えることで、自分の個性や得意分野を活かした業種・働き方に巡り合える機会が増えるかもしれません。

中にはひとつに絞らず、パラレルワークなどの方法をとるケースも増えるのでしょうか。

このようなことから、自分を活かした働き方で活躍できるチャンスが増えるかもしれないのです。しかしその反面、「デメリット」として意識しておくべきこともあります。

参考:パラレルワークとは?一つのビジネスに縛られない新時代の働き方とメリット|Square (スクエア)

インクルージョン浸透のデメリット

インクルージョン浸透のデメリット

さらなる自己理解が必要。『障害』だけでは説明不足

先ほども触れたように、「障害ではなくあなたの特徴」として理解されるようになるのです。

ですから、これまでは関連の書籍などを基準に特性を伝えてきたかもしれません。しかしインクルージョンが強まれば、障害特性ではなくあなた自身の特徴を知る必要があります。

自分の経験をもとに振り返り、自己理解を深めないといけません。

障害を理由に、甘えることが難しくなる

これまでは、障害を持つことを理由に周囲からサポートを受けていたことがあるかもしれません。しかしこれは「障害を持つ」「障害を持っていない」というジャンル分けからなっている考えです。「できないことをどうサポートしてもらうか」だけを考えていれば良かったかもしれません。

しかしインクルージョンが強まると、あなたも含め一人一人を戦力として見ます。よって「できないこと」に対して、サポートを受けるだけではなくなります。

個々を尊重されることで障害の有無に関わらず、平等に見られることが増えるでしょう。したがって、「できないことをサポートしてもらう」のであれば、「自分にできることで周りをサポートする」ということを求められる可能性が高くなります。

成長や変化を求められる可能性がある

現在障害者雇用で、常に同じ仕事をして帰る…という日々を続けている方もいるかもしれません。その中で、障害者雇用でない方は成果や成長を求められていることが多いでしょう。

どんな方でも「一人」として見るのであれば、あなたなりの成長を求められるようになるかもしれません。「職場にいるだけで良い」という環境も減ることでしょう。ですから自分を活かしていくために、成長や変化が必要な機会が増えます。

もし、自分の特性で変化に弱いことがあれば、それを特徴として伝え、見合う環境を探さなければなりません。

他人の個性を受け入れるケースが増える

あなたの考えを個性として受け入れられるのであれば、当然他の方の考えも「個性」として見る必要があります。

それは相手が障害を持つ・持たないに限りません。自分の考え方から気に入らない・許せないことがあっても「ひとりひとり違っていい」と受け入れないといけないのです。

違いを受け入れることは、気持ちが強くなければできないことです。ですから今以上に他人を受け入れる姿勢が必要になります。

参考:障害者雇用で働くための自己分析|就労移行支援のさら就労塾(さらぽれ)

Saladでは、個々の違いをスキルとして活かす「カスタマイズ就業」を応援しています!

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Saladでは、障害を持つ方がそれぞれの活かし方を考えて働いていく「カスタマイズ就業」を応援しています。

これまでに「みんなと違っていたからできなかった」「人と違っていたから馬鹿にされた」このような、悔しい思いをしてきたかもしれません。しかし、カスタマイズ就業は「みんなと違うからこそ活かせる環境で働く」ことです。

下記の関連記事を参考にし「もっと詳しく知りたい」など、興味がありましたらSalad編集部までお問合せください。

関連記事:ADHDの適職は?カスタマイズ就業で、向いてる仕事を見つけよう
関連記事:【発達障害を持つ方の就職】あなたもできる「カスタマイズ就業」とは

参考:障害者の能力や強みを生かす「カスタマイズ就業」って? – 毎日新聞

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

「インクルージョン」と言われても、スケールが大きすぎてピンと来ない部分が多いかもしれません。しかし、変化は少しずつ訪れます。気が付いたら「個性の時代が来ていた」ということにならないように、今から自分自身を振り返ってみることもよいかもしれません。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。公務員、民間企業の事務職(障害者雇用)を経て現在に至る。障害者雇用の職場では、仕事において徹底的にこだわりたい、追求していきたいという気持ちで臨んでいた。「障害者も人を助けてよい」と訴えてきた。しかし、周囲には迷惑がられていた。そのような成長させてもらいえない悔しさから転職を決意した経緯がある。

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