就労移行支援を受けるには、利用手続きが必要になる
就労移行支援事業所が増加していて、利用者も増えている。
就労移行支援事業所が増えています。障害を持つ方の特性や、希望するワークスタイルに合わせて、様々な事業所があるのです。就職活動のために、就労移行支援事業所を利用して就職する方が増えています。就職後の定着支援の制度などがあり、利用しない方と比べて就職後の職場定着率も高いです。このように、安心して就職できる施設として、いま就労移行支援事業所が注目されています。
参考:厚生労働省 就労移行支援
参考:障害者雇用実態調査 – 厚生労働省
参考:障害者職業情報総合センター 研究部門 障害者の就業状況等に関する調査研究
就労移行支援事業所を受けるには【利用手続きの流れ】
さて、そのような就労移行支援ですが、「これから利用してみたい!」という場合、各市町村などの手続きが必要になります。今回は実際に就労移行支援事業所を利用した筆者の体験も交えながら、利用手続きも含めた「利用開始するまでの流れ」についてご紹介致します。
1)どんな働き方をしたいか決める
事業所によってサービス内容や学べるスキル、就職にかかわる情報などが異なります。
まずはあなたがどんな働き方をしたいか、あなたの利用目的を明確にしましょう。目的がはっきりしていれば、その後の訓練もスムーズに進みます。
事業所選びに迷ったら、こちらの記事「失敗しない就労移行支援事業所の選び方!こん
な事業所には注意!」を参考にしてみてください。
2)通いたい就労移行支援事業所に相談する
次に、通いたい事業所に連絡して利用についての相談をしましょう。利用したい候補の事業所が複数ある場合は、体験利用もおすすめです。
関連記事:【事業所選びに迷ったら】就労移行支援事業所を体験利用してみよう!
3)あなたの住所を管轄する市区町村の窓口に行く
サービスを受けるには、あなたの住む市区町村に利用申請が必要です。お住いの区役所などの障害を持つ方担当の窓口(障害福祉課など)に相談しましょう。
申請方法の詳細はこちらを確認してください。
4)認定調査を受ける
市区町村の方と日程を定め、認定調査を受けます。認定調査とは、あなたが就労移行支援のサービス利用に該当する者かどうかを確認する、アンケート形式の調査です。詳細は各市区町村によって異なるため、窓口に確認してみましょう。
5)利用開始まで、じっくり待つ
人によってさまざまですが、認定調査をしてすぐに利用できる、というケースは少ないです。筆者も申請してから利用開始までにおよそ3か月かかりました。
この時期に不安が高まり、体調を崩すケースもあります。利用開始の連絡が来るまで、じっくり待ちましょう。
関連記事:【就労移行支援体験談】事業所利用前・利用中に起きた問題への対策
6)利用開始
事業所の方から連絡が来たら、各事業所の手続きを終えて、晴れて利用開始となります。
こちらが、就労移行支援を利用するまでの主な流れです。これから就労移行支援事業所を利用して就職したい、という方は参考としてください。
続いて、利用前に感じやすい疑問や不安に対することについて、解説します。
就労移行支援を受けるまでに感じやすい疑問・回答
1)障害者手帳の取得の有無は不要
【申請には、障害者手帳が必要ですか?】
障害者手帳がなくても、医師の診断があり、定期的な通院をしていれば問題はありません。ただし、受給者証という就労移行支援事業所を利用するにあたっての手続きが必要になり、この受給者証の取得を前提に申請する必要があります。
2)アルバイトなど、働きながら利用することは原則できない
【生活のために、アルバイトをしながら事業所に通いたいのですが、大丈夫ですか?】
就労移行支援は、就労のために学ぶことが目的です。原則としては、就業しながら就労移行支援のサービスを受けることはできません。
ただし「就業」の解釈は、各市区町村によって異なります。もし働きながら事業所に通いたい場合は、いちど市区町村の窓口の方に相談してみましょう。
関連記事:就労移行支援事業所 利用のメリット 〜こんなお悩みの方に知って欲しい〜
3)利用料金の負担額は、地域によって異なる
【事業所の利用料はいくらかかるの?】
利用料金についての詳細はこちらの『◎利用料金』を参照してください。
実状として、各市区町村によって料金体制が異なるケースがあります。筆者は利用中に転居したため、2か所の市区町村に申請しました。
利用料が全額負担なしのところもあれば、1割自己負担のところもありました。交通費の負担も、全額免除のところと全額負担のところがありました。そのため、利用料金の自己負担については、各地域によって異なります。
詳しくは、お住まいを管轄する市区町村の窓口に確認してみましょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
就労移行支援事業所は、国の認可を受けたサービス施設です。そのため、あなたが学ぶために多くの費用を国が出しています。そのため、就労移行支援事業所を受けるまでには、様々な手続きが必要になります。
もし就労移行支援の利用が決まったら、そのようなことも意識して訓練に臨んでくださいね。
(筆者紹介)
Salad編集部員。30代男性。大人になってから発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)と診断されている。公務員として10年間勤務、民間企業の障害者枠の事務職として4年間勤務。在宅勤務の転職を希望して、就労移行支援事業所に1年間通所した。事業所利用中に転居。2度の利用申請、認定調査を受けた。