就労移行支援事業所に通うには自己負担が発生することがある
就労移行支援は、障害福祉サービスのひとつ
就労移行支援事業所は、障害を持つ方が就職し定着できるよう情報提供や訓練を受ける施設です。
全国各地にさまざまなスタイルの事業所が生まれており、それぞれの個性に合わせた働き方を行うためのトレーニングを受けられます。今後もさらに増加していく動きを見せています。
就労移行支援に通うには、利用者負担があることがある
さて、この就労移行支援事業所ですが、こちらで紹介していますとおり、利用者負担があるケースがあります。
利用者負担はサービス利用料の1割までとされ、収入や生活状況によっては負担がケースもあります。しかし高い金額の場合37,200円の料金を負担することになります。
「就労移行支援に通いたいけど、働けないのにお金がかかるのはつらい…」「交通費などはどうなるの?」と考えている方に、自己負担額と交通費についてポイントをご紹介します。
【就労移行支援事業所】自己負担額・交通費のポイント
事業所ではなく、自宅の住所を管轄している自治体の見解に委ねられる
まず就労移行支援事業所の利用負担額は、事業所ごとに決まっているわけではありません。同じ事業所でも交通費が支給されている人、利用負担額が異なる方が存在します。
これはお住まいを管轄する市区町村(障害福祉サービス担当)の見解によって決まっています。1割負担が上限ということは共通していますが、その内訳などが各地域で異なることがあります。
ですから同じ事業所に通っていても、住んでいる地域が異なれば交通費支給がある・なしなどの若干の違いが出てくることがあります。(お互いの利用料金を知る機会はありませんのでご安心ください)
利用中に管轄エリア外に転居した場合、負担額が変わることがある
そのため、同じ事業所に通っていても引越しなどで市外など管轄エリア外に転居した場合、再度認定調査を受け申請時と同じ手続きをすることがあります。
今度はこの転入先の市区町村の見解に委ねられますので、利用負担額や交通費についても変わるときがあります。
実際に転居したことで、自己負担と交通費支給が変わった
筆者は1年間、就労移行支援事業所に通所しました。(通所時の体験談はこちら)利用期間中に市外に転居しました。
結婚で世帯としても変わったため、転居前と転居後の市区町村での利用者負担について違いがありました。
【体験談】転居前と後での自己負担・交通費の違い
1)転居前の住所のとき
自己負担:1割負担。毎月指定の口座から引き落としされる仕組みになっていました。金額としては、2万円弱くらいでした。ただし試用期間中であったため、実際に支払うことはありませんでした。
交通費:全額支給される方針でした。これも試用期間中であったため、実際には自分で負担していました。
2)転居後の住所のとき
自己負担:利用者負担なし。担当からは、どんな方でも統一で自己負担がない方針と言われました。その代わり、転居前の地区よりも「サービス受給に該当するか」という点をシビアに見たうえで判断しているとのことでした。
交通費:支給なし。全額自己負担でした。利用料の負担がない代わりに、全額交通費は自己負担と決まっていました。
転居前と転居後で、実際にかかった費用はどうなった?
トータルで考えると、差はありませんでした。しかし、交通費は自分で払うもので、利用料は銀行から引き落としになる(予定だった)ため、「お金が減っている感覚」の違いはありました。
筆者と同じような方針の変更をした場合、遠くから通う方は損をしてしまいます。反対に近くから通うことになる方にとっては「得」になるわけです。
そのような観点からも、「通いやすさ」は事業所選びの重要なカギになります。事前に通いたい事業所のスタッフの方や市区町村の窓口の方に相談してみましょう。
関連記事:失敗しない就労移行支援事業所の選び方!こんな事業所には注意!
その他、事業所選びで迷ったらSaladにご相談ください!
事業所選びは他にも、サービス内容やスタッフの方との相性、どんな職種に強いか…など、迷う要素が多いですよね。そんな時にはぜひSalad編集部までご相談ください。
Saladでは、実際に就労移行支援事業所を取材させていただき、情報を紹介させていただいています。実際に取材しました事業所がこちらです。今後もどんどん取材して、よりよい情報を提供するよう努めてまいります!
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
就労移行支援の利用中は就業できないルールがあります。そのため、期間中にどれだけ費用がかかるかは不安なポイントではないでしょうか。
確かに訓練中は費用がかかります。しかし、しっかりと訓練を積んで強みを活かした就職ができる大きなチャンスです。
利用者負担に関しての詳細は、事業所のスタッフの方や市区町村の窓口と相談し、事前によく確認しておきましょう。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受ける。就労移行支援事業所でWeb関連の様々なトレーニングを行った。一年間の通所の末、強みを活かす就職が実現した。