採用面接では、応募者側が意識しておくことがある
1)面接は、お互いの活かしあいが可能か確かめ合う機会
就職活動をするにあって、必ず企業との面接があります。今、イメージしてみてください。面接官の質問で、どんなものが浮かびましたか?
多くの方が、「転職理由」「志望動機」「自己PR」が浮かんだのではないでしょうか。さらに障害者枠での雇用ですと、「企業にどんな配慮をお願いしたいか」も浮かぶかもしれません。
相手の質問に、どう答えるかということだけにとらわれないことが大事です。面接は希望を伝えたり、自分をアピールする場と考えがちですが、そこは実はそれほど重要ではありません。目的を、「企業に入ることで、お互いに活かし合うことができるか、深い対話をすること」としてみましょう。志望動機を自信を持って話せるようにするためにも、企業理解を深められるためにこちらから質問するということです。
深い対話を経て、相性が悪いと判断できるかもしれません。それはとてもいいことです。相手に無理に合わせる必要はありません。相性を深いレベルで確かめ合うには、こちらからも積極的に質問することが大切です。
参考:障害者の雇用 – 厚生労働省
参考:障害者雇用対策 |厚生労働省
2)どんな質問を準備すればいいか
面接を控えたとき、これまでにあなたはどんなことを考えましたか?
「自分のよさをうまくアピールできるかな…?」
「配慮を受けるために、自分の障害をうまく言えるかな…?」でしょうか。
必ず聞いておいたほうがいいことは『所属することになる事業部が、どんなことに困っているか』です。そこに、自分が行うことになる仕事や、自分が会社にやりたいと提案したい仕事が、どのように役立てるのかイメージできるかどうか、やりがいをもてそうかどうか、ここに納得できるかがとても大事です。
今回は、障害者枠で働きたいあなたが、面接官の質問にどう答えたらよいか。ポイントをご紹介します。もし上記のようなイメージを持っていたら、次の意識をプラスしてみてください。
面接では、ただ自己アピールをする場所ではない
採用面接は、お互いの価値観を確かめ合う場所
面接は、あなた自身をアピールする場ではありません。
それだけだと、「あなた→面接官」の一方的なコミュニケーションになりますよね。もちろん面接官の質問に機械的に答えるだけの場合も、「あなた←面接官」で一方的です。面接と聞くと、ついテストや儀式のようなイメージが浮かびます。しかしながら、それは本当に企業が求めていることではありません。
面接は、
○あなたが企業にできること。
○企業が困っていること。
これらが合致しうるか確かめられる機会なのです。できることや、やりたいことは、アピールするのではなく、過不足なくわかりやすく伝えればいいのです。
それでは、障害者枠で就職したいときに、具体的にどんな面接の準備をしたらよいのか。ヒントをご紹介します。
面接官の質問に対して準備すること【障害者枠で就職したい方】
あなたが企業へ「提案」したいことを考える
「『提案』だなんて、企業に失礼ではないか…?」と感じた方もいるのではないでしょうか。そんなことはありません。
例えば、企業の状況にかかわらず「パソコンが得意で、活かせると思ったから志望した。」だけを伝えたとしましょう。果たして企業にはあなたの「将来」が見えるでしょうか?企業もあなたの具体的な「生かし方」が見えなければ、採用には踏み出せません。
【『提案』を考えるために行うこと】
○企業の情報(企業理念・ビジョン)から、どんな課題があるかを調べる。
→企業がどう成長したいか。どんな課題を解決したいか。
○その課題に対して、あなたに何ができ、何をしたいかを考える。(あなたのビジョン)
→あなたが企業でどう成長したいか。
このように、あなたが就職することで双方がどう成長できるか。あなたなりの「ビジョン」を伝えることが大切です。あなたが社会や企業に対して素直に感じたイメージを大切にしましょう。それが作成への第一歩です。
この提案を志望動機に取り入れて考えていきましょう。
企業への配慮事項は、この「提案する仕事内容においてのみ、配慮が必要な障害について」になる
障害者枠の面接では、自分の障害をどう伝えたらよいのか・・と悩む方もいるのではないでしょうか。なぜ悩むのかというと、「相手がどんな質問をしてくるか分からない」「どんなことを言えばよいのか分からない」からという方が多いのではないでしょうか。
このような漠然とした状況ですと、不安は高まります。
しかし主体的に企業への提案を用意しておけば、「その提案の中でかかわる障害」に限定できます。あなたが企業でしたいこと。でも、それを行うにはどうしても自分の障害で難しい部分がある・・というところに対してのサポートをお願いすることが大切です。
企業の課題について質問したいことを考える
ホームページなど、企業の情報だけでは分からないことも多いです。
面接のとき、面接官に事業課題について詳しく聞いてみましょう。先ほど「面接は、お互いの価値観を確かめ合う場」と紹介しました。そのため、面接は、「お互いの話し合いで、双方の活かし方を出し合う場」なのです。企業もそのような自分のビジョンを持ち、意見交換ができる人材を求めています。
さらに企業について詳しい事情を聞くことで、あなたのビジョンや特性との相性も見えてきます。何より面接官に「自分の企業に興味を持ってくれている」気持ちが伝わります。
また、企業の情報をチェックしているときに、あなたが興味を持てるかどうかも大切です。その興味でもって仕事をしていく方が、成長できるからです。応募したい企業を決めることに迷っていたら、ぜひ参考としてください。
関連記事:【障害者枠での面接・選考】企業の事業課題について質問してみよう
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まとめ
【主体的に面接に取り組むことで、不安も解消される。】
いかがでしたでしょうか。
面接官の質問に対して、回答を考える・・では、受け身になりがちです。結果的にそれでは面接官に対して「言われたことしかしない社員」を示してしまっているのです。
さらに、面接が始まらないと「答えないといけないこと」が分からない。というのは不安になりますよね。しかし、このように主体的に提案を準備していれば、あなたが面接で何を答えるのか。それが事前に明確になります。
そうすれば面接前に「何を聞かれるだろう・・・」という不安が減ります。あなたの企業に出す「提案」が、採用後あなたの生活を充実させる「仕事のテーマ」になるよう、大切に考えていきましょう。