障害者枠の給料って、どの程度なの?
身体障害者:22万3千円
知的障害者:10万8千円
精神障害者:15万9千円
これは平成25年10月の平均月給なので、2019年現在は少し増額しています。平均額ですので、企業によって額は異なります。
平均では、月給20万円もいかない
知的障害者と精神障害者は平均月給20万円にも満たしません。身体障害者と知的障害者との差が約2倍生じてます。
賃金・生涯年収としては、現状は決して高くない
平均月給を年収に換算すると、ほとんどの人が年収250万円以下ということになりますが、健常者も含めた平均年収は360万円なので、障害者の平均年収と比べると100万円くらい低いです。
賃金・生涯年収として考えると決して高いとは言えません。
障害者枠で入る金銭的な観点でのメリットは?
障害を持つ方が、お給与としての金銭的な面でのメリットは、現状ではあまりありません。
受け入れ先の企業としては、
・雇用管理上の人・ノウハウ・設備などの集中的な投入が可能になる。
・職場定着率の向上の採用コストの低減
障害者の生産性の向上
各種助成金の活用ができる。
といったメリットを感じているケースがあるようです。
安定性
障害者雇用促進法があり、これは給料を下げるといったことだけでなく、食堂や休憩室の利用させないなどの差別を禁じています。
障害者のハンディーを取り除くために、以下のような合理的配慮を求めてます。
・採用試験の時間をのばす。
・問題用紙は点訳や音訳をする。
・机の高さを調節するなど、作業を可能にする工夫をすること(身体障害)。
・習熟度に応じて業務量を徐々に増やすこと(知的障害)。
・『出退勤時刻・休暇・休憩』に関し、『通院・体調』に配慮すること(精神障害ほか)。
といった配慮をしてもらえるので、就労の継続はしやすいので収入は高くなくとも安定は実現します。
大企業は、福利厚生などが充実しているケースが多い
大企業であれば、各種社会保険などの福利厚生が充実しているケースが多いです。企業によっては社外研修やチーム福利厚生制度などの幅広い福利厚生があります。
税金の減免がある
障害や障害の等級、制度などの条件がそろぞれありますが、「所得税・住民税・事業税・相続税・贈位税・自動車税・自動車取得税・軽自動車税・非課税貯蓄制度」の減免があります。
障害者枠では、自己成長を目的にしてもいい
障害者枠での就労では、企業から求められるスキルなどが低かったりしますので、その分時間などの余裕ができたりするので、自身のスキルアップを目指せます。
実践的なトレーニングセンターでの、スキルアップを目指すこともできます。
成功を目指さずに、成長を目指す。すると失敗することはない
成功ではなく、『成長』を目指すと失敗することはなくなります。
成功をめざす過程で失敗することはあっても、その過程で得られる学びを目的とすると、成長は必ず実現できます。
成長を目的とした場合でもトラブルは発生します。トラブルが起きている真っ只中は苦しいですが、その後ゆっくりでも成長のためだと踏ん張って立ち上がることで遅くはなっても失敗にはなりません。
社会で必要とされる職業やスキルを知っておく
社会で必要とされる職業やスキルを知っておくと業種選びや就労がしやすくなるのですが、これついては経済産業省が2006年から提唱している「社会人基礎力」を参考にしてみましょう。
この「社会人基礎力」とは「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくのに必要な基礎的な力」のことで、以下の3つの能力・12の能力要素で構成されています。
◎前に踏み出す力
主体性・働きかけ力・実行力
◎考え抜く力
課題発見力・計画力・創造力
◎チームで働く力
発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力・規律性・ストレスコントロール力
IT業界で、プログラミングやWebマーケティングなどの専門スキルを活かす
現代はパソコンやインターネットが普及しているので、それを使いこなせるスキルは基礎能力として身につけておきましょう。
事務職以外の業種でも、パソコンスキルは必須です。その延長線上とも言えるプログラミングなどのIT専門職を目指すのも有効です。
デザインスキルや文章ライティングなどの、感性が試される仕事
上記のIT専門職以外にもデザインに興味がある、デザインスキルに自信がある人はロゴやアイコンなどがあるWEBデザイナーを目指すという道があります。
障害の当事者性を活かす仕事もある
障害者の仕事選びは障害特性に合った仕事を選ぶのかが重要です。
発達障害の場合は、ポジティブ心理学の権威であるミハイ・チクセントミハイの「フロー」の理論があります。このフローとは、時間の感覚がなくなるほど何かに深く没頭している状態を表す言葉で、人間はフローを経験したとき、結果として幸福を感じれるといいます。
時を忘れて没頭できる物事を仕事にすると、飽きっぽいや先延ばしが多いなどの発達障害の症状を乗り越えて、優れたパフォーマンスを挙げられるかもしれません。
スキルの専門性を高めておくと、キャリアの安定性が増す
ある特定の業界で長く仕事を続けていれば、誰でも身に付けれる能力だといえます。
中途採用においては、即戦力が重視されますので専門性はかなり重要です。これは、書類選考を通過するのに重要なスキルとなります。
専門性が伴ってなければ書類選考で落とされやすいので、自分の業界のスキルは確実に身に付けましょう。
障害者枠、一般枠にとらわれず、やりたい仕事を選ぶ
自身が障害者であることをオープンにするかしないかにとらわれずにやりたい仕事を選ぶとをいいと思います。
その理由は、オープンにするメリット・デメリットがありますので、とらわれずにやりたい仕事をした方が仕事に取り組みやすかったり、仕事をやる気にもなると思うからです。
専門性が高まると、給料も自然と高くなる
「企業に就職する=企業が雇用する」ことについて、企業が「給与」という投資をするという観点で考えてみてください。企業が投資を行う以上のリターンを求めます。それが会社の利益です。
会社が給与を支払うのは「雇用者の生活の安定」のためではなくて「雇用者のスキル・経験」であり、その給与という投資からどれだけ会社利益というリターンを得られるかが経営上の本質です。そのリターンを多く得られる能力の専門性を高めると、給料も自然と高くなるということです。
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まとめ
障害者枠での給料は一般枠と比べると安いですが、大企業だと福利厚生が充実していますので大きな差を感じるケースは少ないでしょう。
企業が求めるのは給与の支払いの対価ですので、枠よりもスキルや専門性を高めると給料が高くなりますし、企業に戦力として計算してもらえるようになりますので見る視点を変えるといいと思います。
中途採用だと即戦力を重視しますので、専門性がより重要になります。