【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。過去に公務員およそ10年、障害者雇用として民間企業におよそ4年勤務している。曖昧なこと、決まりとして定められていない「自己判断」の際に苦労しやすい。現在はテレワークに転職し、自分の特性を活かす働き方を目指して勤務中。
障害者雇用の職場環境に苦労した
オフィスの作業であらゆる不便さを感じた
筆者は障害者雇用の事務職として4年間、民間企業に勤務していました。担当は内部書類のチェックと管理がメインです。オフィスワークをしていく中で様々な苦労がありました。
働き方改革の取組みを知り、改善されるかも?と感じた
筆者は現在民間企業を退職し、テレワークとしてこの記事制作のお仕事をしています。記事制作をしていく中で「働き方改革」「ワークスタイルイノベーション」などを知りました。
働き方改革関連法が生まれたことにより、オフィスの働き方や企業風土を改善していこうという取組みが始まっていることを知りました。
改善に向けて取り組んでいることを知り、「改善されるかも?」と感じた点があったのです。
さて、今回は
○筆者が経験したオフィスで苦労したこと
○働き方改革・ワークスタイルイノベーションにより改善が期待されるもの
○反対に改革により、筆者が不安に感じるかもしれないと感じたもの
こちらを紹介します。
参考:「働き方改革」の実現に向けて-政省令告示・通達 |厚生労働省
参考:総務省|ワークスタイルを変えるオフィス改革の試行的取組
職場環境に苦労したこと
書類の管理に苦労した
筆者は毎月、大量のA4サイズ用紙を取り扱います。主に請求書や契約書です。請求書は毎月で、契約書は3カ月に一度更新時期に伴い取り扱う流れになっていました。感じていたこととして
・書類の量が多く、保管場所に困った。書庫が離れたところにあり、台車で運ぶ作業が大変だった。
・作業の進捗状況を覚えておくことに苦労した。常に担当者とコミュニケーションをとり共有はしていたが、自分の処理状況を忘れてしまうことがあった。
・書類に溢れて、一度だけ紛失してしまったことがある。再作成をお願いするのに様々な労力を使わせてしまった。
このような苦労がありました。
コミュニケーションのメインが苦手な電話で、無理をする必要があった
筆者のオフィスにもメールがありました。しかし送っても受信に気づかないケースがほとんどでした。結局「今送ったから見てください」という電話をする始末でした。
筆者は電話が苦手で、耳から聞いた情報を受け取ることにエネルギーを使います。しかし周囲がカバーしきれないほど電話が鳴りやまない状況でしたから、苦手な電話対応に対して取り組まざるを得なかったのです。
十分な情報の共有が行われない
大切な情報のメインが、「仲の良い人同士での雑談」のなかで行われていることが多かったのです。筆者は雑談が苦手で、なかなか情報を受けることができませんでした。
・内容確認のため担当者に確認すると「それはもう○○さんに言ったよ!」と怒られる。その「○○さん」に確認すると「忘れてた」と言われた。このような「共有漏れ」が起きやすい。
・偏った情報共有が行われているので、他者に対して不信感を持つことがあった。
このように、同じチーム内でも平等な情報共有が行われる環境が整っておらず、業務がうまく進まないことがありました。
上司が不在などで、指示をする人がいない
上司も常に在席しているわけではありません。休みのときもありますし、他の部署に応援に行くこともありました。そのようなとき、筆者は誰から指示を受けたらよいのか分からない状況になりました。
筆者は「こういうときは、この人に聞く」と明確に決まっていないと聞くことができません。「誰に聞いてもいい」状態ですと「どうしてこの人に聞くのだろう?」と根拠を考えてしまうのです。だからこそ、他者とも上司を介してコミュニケーションをする機会が多かったです。
周囲から「どうして自分に聞かないの?嫌っているの?」と誤解されることもありました。上司以外に聞けないのは感情の問題ではなく、機能的な問題であるということを理解してもらえず、苦しい思いをしました。
このような問題が「ワークスタイルイノベーション」により、改善されるのではと感じたのです。
働き方改革で職場環境の改善が期待される
働き方改革関連法の取り組みが進んでいる
多様な働き方や労働者人口の減少に備えて「働き方改革関連法」が誕生しました。これにより、各オフィスでも様々な改善への取り組みが始まったのです。
関連記事: 『働き方改革関連法』とは?障害者雇用には、どんな影響があるの?
ワークスタイルイノベーションで、オフィスの改革も目指している
総務省の行政機関では、試験的にオフィスの改革を進めています。
・フリーアドレス制(固定の座席がない)
・ICT(情報通信技術)を活用したコミュニケーション、情報共有
・電子情報をメインとし、ペーパーレス化を進める
このようなところに焦点を当てて改善を進めているのです。
このような取組みが筆者の勤めていた職場で行われた場合、どう改善されるのか感じたことを紹介します。
ワークスタイルイノベーションで改善が期待される職場環境
ペーパーレスが進み、書類管理がなくなる
紙ベースでの管理から電子情報ベースの管理に変われば、作業がスムーズになるでしょう。
・沢山の書類の中から対象の書類を探す作業が、検索機能だけの簡単作業となり得る
・書庫に書類を運ぶ・定期的に廃棄する必要がなくなる
このようなメリットが期待されます。
共有すべき人同士で正確な情報共有ができる
フリーアドレス制で、その日に行う仕事をする人同士で集まって打ち合わせや話し合いを進めていけば情報共有漏れが減少するでしょう。
ICTを活用して、いつでも繰り返し情報を見られる
メールやチャットなど、ICT(情報通信技術)が浸透すれば、上司が不在でも指示を受けられる機会が増えます。何度でも見ることができるので、聞き漏れや聞き間違いによるミスが起きにくくなるでしょう。
直接対面して話す負担も減りますので、精神的ストレスも少なくなるのかもしれません。
ワークスタイルイノベーションで困るかもしれないことは?
フリーアドレス制に困る可能性がある
筆者は「決まっていないこと」が苦手です。自分で決めたことが正しいかどうかが分からないと不安になります。そのため、席が決まっていいない「フリーアドレス制」に苦労するかもしれません。自分が座ろうとして考えていた席に既に誰かが座っていたというケースに納得がいかないかもしれません。
あらかじめ「明日以降はここで作業する」など事前に決めておくなどの工夫が必要なケースが出てくるでしょう。
ICTも充分に活用できるレベルではない
テレワークを行っている今だからこそチャットやWeb会議機能を使うようになりました。しかしテレワークを経験していなければ十分に使えるのはメールくらいでした。
ICT(情報通信技術)に対しての知識や技術が不足していて、周囲の流れに追いつけない不安を感じていたかもしれません。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
筆者が働いていた環境は、自分の特性を活かしきれないことが多かったのです。そのため、自分の特性を活かすべくテレワークへの転向を決めました。
Saladでは、このような自分の長所を活かすことを大切にした「カスタマイズ就業」を応援しています。
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