【体験談】仕事が遅い…障害者雇用で働くなかでの業務効率化のコツ

障害者雇用の仕事で、業務効率化の工夫をした

障害者雇用の仕事で、業務効率化の工夫をした

配慮も受けられるが、職場定着には主体性が大切

「業務効率化」と聞くと、「事業主や上司のすること」という感覚を持っていませんか?確かに、企業には障害を持つ方がスムーズに仕事を行えるよう、配慮を行うことが義務付けられています。

しかしながら、今後も仕事を続けていく上で、主体性が大切になります。ですから、あなた自身でも業務の効率化を工夫することが大切になってきます。

障害者雇用で就職した当初、業務の進め方に苦しんだ

筆者は障害者雇用でおよそ4年間勤務しましたが、特に最初に一年は業務の進め方に苦しみました。あらゆる環境に適応しながら仕事を覚えていくことが大変でした。そのため、上司と相談しながら自分でも業務の取り組み方の工夫が必要であると感じました。

関連記事:【体験談】発達障害を持つ方が、就職後気を使いすぎるタイミングは?

今回はそのような筆者の経験をもとに、障害者雇用での業務でよりスムーズに仕事を進めるコツをご紹介します。

参照:5.障害者の雇用の促進等に関する法律(抜粋)

【障害者雇用】職場や業務で抱えていた問題

【障害者雇用】職場や業務で抱えていた問題

1)コミュニケーションが整理できない

問題として、周囲の方からの指示や指摘、助言など、コミュニケーションが整理できないことがありました。理由としては、同じチーム内でも人によって指示や方針が正反対になることもあるくらい、混乱しやすい状況だったからです。

仕事自体にも慣れていないのに、周囲の人やそれぞれの機嫌に合わせて対応しなければならないことは、障害を持つ筆者にとって大きな負担でした。

2)業務の進捗状況を管理できない

このようなコミュニケーションが混乱していたこともあり、どれだけ業務が進んだかを把握することも大変でした。課題をクリアしたらまた新しい課題が出てきて・・の繰り返しでした。

3)定例行事や教えてもらったことを覚えきれない

周囲の環境の影響でもありますが、定例行事や他の方が当たり前のように行っていることを「できて当たり前だ」と言う方もいました。少しでも聞きもれがあると「もう教えない!」と関わりを拒否されるようなこともありました。

4)自分の言動などを覚えておく必要があった

少し仕事にも慣れてきて、ある程度自分で任される業務が多くなりました。そのため、他の方や他部署に依頼したり、問い合わせに回答したりする機会が出てきました。誰に何を言ったのか覚えきれず、仕事が遅くなってしまった経験があります。

これらの問題を解消し業務の効率化を図るために、上司と相談しながら自分なりに工夫したコツをご紹介します。

参考:職場での困りごと全般:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト|NHK

【障害者雇用】自分でできる、業務効率化のコツ

【障害者雇用】自分でできる、業務効率化のコツ

これらの問題を、全て手帳に記録しておくことで業務効率化を図りました。課題ごとにご紹介していきます。

1)指示や指摘などのコミュニケーションは「ルート」も記録した。

複数の方から違う指示や指摘を受けた場合、最上位である上司の指示を最優先にしなければなりませんが、他の方の話を無視するということも難しいです。よって他者から言われたことを自分で整理して、上司に報告して判断を仰ぐ、という形を取りました。

具体的な方法としては、

1.誰に言われたのか、名前を自分に分かるように「Ⓐ」「㊤」など記号で書く。
2.言われた内容を書く。
3.その内容を他の方に言ったり、上司に報告したりした場合は、その方の名前も分かりやすく記号で表しておく。
4.これらの「コミュニケーションの流れ」を自分の記号を中心に矢印でつなぐ。

このように、内容そのものだけでなく、「聞いた内容を他の誰かに伝えるまでのルート」を記録するようにしました。こうすることで、「これは〇〇さんに伝えました」「この前□□さんから聞いています」などを伝えることができ、相手も安心してくれるようになりました。

2)記入方法を長期間にわたって確認できるようにした

仕事は、全てがその日のうちに終わるとは限りません。それは障害者雇用の業務でも同じです。むしろ他の方の関わりもありますから、自分のペースで終わらない仕事がほとんどなのではないでしょうか。

その日に行ったことを手帳などに書いておく、ということをしている方は多いのではないでしょうか。筆者もそうでした。しかし、これが翌日以降に関わった場合「明日へうまくつなぐこと」ができず、苦労しました。

この経験から、その日のうちに終わらなかった仕事は次の日まで線を引いて、「明日の自分への引継ぎ」として分かりやすく記録しました。

また、時間がない時は、卓上にメモで「明日の自分が行うこと」を残しておく工夫もしました。

3)内容ごとに書く欄や配色を工夫した

筆者の場合、手帳の書き方がバラバラですと、見落としやすいことがありました。そのため、行った業務や言われたこと、当日の行事などの記入欄を決めることにしました。

さらに分かりやすく色を変えることで、すぐに見つけられるよう工夫もしました。

4)「誰に何を言ったのか」正確に記録した

担当として、自分が何を言ったのか覚えることが必要です。それは上司に報告するためでもありますし、周囲と共有するためでもあります。

〇誰に、何を言ったのか。
〇それを誰かに伝えたかどうか。

が後から見ても分かるように、記載方法を工夫しました。

参考:「発達障害かも?」という人が職場での「困りごと」を解消する小さな工夫|ディスカヴァー・トゥエンティワン|note

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おわりに

今回は、業務の効率化を図るために、筆者の整理の方法をお伝えしました。業務の覚え方は、人それぞれです。しかし、確実に言えるのは「自分で考えて工夫していくことが必要」だということです。

この記事の内容は5年以上前の経験です。今でも覚えているのは、人から言われたことではなく自ら悩んで改善のために工夫してきたからこそです。そのような意味でも、主体性が大切なのです。

今回お伝えしたことが、少しでも業務の参考になりましたら幸いです。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。公務員およそ10年、のち民間企業およそ4年の職歴がある。1年間の就労移行支援事業所での訓練を経て、強みを活かす就職を実現している。

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