自分は悪くないのに周囲の人に「責任転嫁」「被害妄想」「他責思考」などと言われる
組織の中で働くときに誤解を受ける
「自分は悪くないのに、なぜいつも責められるのだろう？」そう感じているあなたは、決して一人ではありません。
特に組織の中で働くうえでは、様々な意見が飛び交い、責任の所在が曖昧になることも少なくありません。
組織は、それぞれの役割を持つ個人が集まって構成される複雑なシステムです。
そのため、個人の能力や価値観、そして状況によって、責任の感じ方は人それぞれです。
また、コミュニケーションのズレや情報不足によって、誤解が生じることも少なくありません。
もしあなたが職場で「責任転嫁」や「被害妄想」と言われたとしても、過剰に落ち込む必要はありません。
それは立場の異なる他者の考えであり、あなたの能力や人格を否定するものではないからです。
正当な主張が誤解される苦しさ、そして自己肯定感の低下
正当な主張が誤解され、周囲から否定される経験は、自己肯定感を大きく損なう可能性があります。
自己肯定感を損なう体験が続くと、現在属している組織(働いている環境)に居続けることが苦しくなるでしょう。
能力を生かして自分らしく働きたい人にとって望ましい環境ではありません。
ではどのようにすれば環境を改善できるのか？
この記事では自分の置かれている状況を分析して理解し、具体的な対策を考えるヒントを提供します。
参考：人があなたの言葉を誤解する9つの理由 その対処法は？ | Forbes JAPAN 公式サイト（フォーブス ジャパン）
参考：誤解の原因、心理学で探る 省略・あいまい表現に感情や思い込みが影響｜高校生新聞オンライン｜高校生活と進路選択を応援するお役立ちメディア
責任転嫁ととられる行動や言動の例
誤解を防ぐために 責任転嫁と捉えられやすい行動パターンとその理由
「責任転嫁」という言葉は、聞くと少し心が痛みますよね。
しかし、責任転嫁と誤解されてしまうことは、誰にでも起こり得ます。
例えば、
「私にはできません」と断言する: 与えられた仕事に対して「自分にはできない」と主張すると、仕事の責任から逃れようとしているように思われる可能性があります。
不可能なことを無理にしようとする必要はありませんが、取り組む態度を見せずに仕事を放棄していると思われたり、上司の指示に従わない反抗的な態度と思われたりする可能性があります。
ミスをしたときに、すぐに他人のせいにする: 否定されたり責められたりしたくないために、すぐに自分が悪くない理由を探して説明し、自己防衛する態度をとることは「他人に責任を押し付けている」と思われる可能性があります。
ミスしたことには理由があり、それは本人に悪意や責任がない場合もあるでしょう。
ただし、仕事で結果的に行動を誤った場合には改善の必要があり、そのためにはまず自分がミスしたことを受け入れなければならない場合があります。
改善や対策という段階に進まず、ミスを認めずに自己弁護を始めてしまう場合は、言い訳と思われ、他人に責任を押し付けているように見えることがあります。
仕事の場において、ほとんどの人は他人のミスについて、責任の所在やミスした原因には興味はありません。
すみやかにミスを受け入れて改善や対策を行うことが求められています。
助けを求めることが苦手で、一人で抱え込む: 周りの人に頼ることができず孤立していることで、責任転嫁をしているように思われることがあります。
一般的に、課題解決のために他の人の力を借りることも、組織で仕事をする上での義務と思われています。
そのため、課題解決のために他の人に助けを求めなかった場合、怠慢ととらえられる場合があります。
意見を言えず、いつも同調してしまう: 自分の意見がないように見られ、責任感が低いと判断されることがあります。
具体的な意見や提案、相談を行わなかった場合、真剣に仕事に取り組んでいない、仕事を放棄している・怠けていると思われる場合があるからです。
自己防衛にとらわれず、誤解を防ぐためのステップに進もう
これらの誤解の原因となる行動は、必ずしも悪意があるわけではありません。
例えば「私にはできません」という言葉は、自信のなさや、そのタスクに対する不安を表しているのかもしれません。
しかし周囲から見ると、責任を回避しようとしているように映ってしまうことがあります。
つまり、誤解をうけない対策として、自分の主観的な考えよりも「周囲からどのようにみられるか」
という客観的な視点を意識する必要があるのです。
責任転嫁してしまう心理的な背景とその要因
一般的に、責任転嫁してしまう原因とは？
なぜ私たちは、ついつい責任転嫁をしてしまうのでしょうか？
人によって状況は異なりますが、多くの場合に当てはまる要因もあるので、参考として下記にいくつか挙げます。
状況の把握不足: 状況を正確に把握できていないために、責任の所在が曖昧になる。
情報伝達の不足: 必要な情報が共有されていないために、誤解が生じる。
人間関係の問題: 周囲の人との関係性が良好でないために、責任の押し付け合いが起こる。
時間的なプレッシャー: 時間的な制約がある中で、冷静な判断ができず、安易な選択をしてしまう。
完璧主義: 常に完璧な結果を求めるあまり、失敗を恐れて責任から逃れようとする。
過去の経験: 過去の失敗体験から、責任を持つことに対して恐怖を感じている。
不安やストレス: 仕事や人間関係など、様々なストレスを抱えている状態では、冷静な判断ができず、責任転嫁に繋がってしまう。
これらの要因は、組織の文化や個人の性格によっても大きく左右されます。
また、要因は1つだけでなく、複数の要因があって複合的に作用している場合もあります。
思い当たる要因はあるでしょうか？
責任転嫁と言われて違うと思ったとき、一度これらの要因が自分に当てはまっているかどうか、考えてみてください。
要因を分析することが解決への糸口となる場合があります。
精神障害の人が責任転嫁の誤解を招く理由
精神障害がある人の行動が、障害に起因する症状によって、意図せず責任転嫁と受け取られてしまうことがあります。
例えば、
うつ状態: 意欲の低下や集中力の低下により仕事が遅れてしまい、仕事をやり遂げる責任を果たしていないように思われる。
躁状態: 自信過剰になり、周囲の意見を聞き入れず、仕事に取り組む責任を放棄しているように思われる。
不安: 不安から、責任をもって行動できない。
これらの症状は、本人の意図とは関係なく、周囲の人から誤解される可能性があります。
発達障害の人が責任転嫁の誤解を招く理由
発達障害の特性が原因で、本人の行動が責任転嫁と誤解されることもあります。
例えば、
ADHD: 注意力や衝動性の問題によりミスが多くなり、仕事のミスの防止の努力や完成した業務が正しいかチェックをしていないと思われる。
そのため仕事に真剣に取り組んでいない、責任転嫁をしていると思われる。
ASD: コミュニケーションが苦手で、問題が解決できなくても周囲に助けを求められない。
自分の状況や能力、キャパシティを相手に正確に伝えられない。
課題解決のために他の人の力を借りることも、組織で仕事をする上で必須と思われています。
そのため、課題解決のために他の人に助けを求めなかった場合、本人に責任があるとらえられる場合があります。
発達障害の特性への対策は、本人の努力だけでは克服が難しい部分もあり、周囲の理解とサポートが重要になります。
知的障害・境界知能の人が責任転嫁の誤解を招く理由
知的障害や境界知能の特性により、責任転嫁と誤解されることがあります。
例えば、
学習の遅れ: 仕事を覚えるのが遅く、努力不足や仕事への意欲が低いと思われる。
判断力の遅れ: 状況判断が難しく、適切な行動が取れないように思われる。
障害への理解不足と偏見:相手の障害特性に対する理解不足や偏見のために、努力不足や性格・人間性の問題であると誤解される。
周囲の人の障害への知識・理解不足や偏見は、本人の努力だけで解決する問題ではなく、責任転嫁とは異なります。
その他の障害や病気のある人が責任転嫁の誤解を招く理由
その他の障害や病気が及ぼす身体的な制限や精神的な負担の仕事への影響が、責任転嫁と誤解されることがあります。
例えば、
業務遂行能力の低下: 痛みなどの症状の影響で、業務遂行能力が低下することがあります。
それが意図的に仕事をしないように見られてしまうことがあります。
遅刻や欠勤: 病気や障害の症状や、必要な通院のために、やむを得ない遅刻早退や欠勤が増えてしまうことがあります。
それが仕事に責任感がないように思われてしまうことがあります。
ステレオタイプ: 病気や障害のある人に対して、ネガティブな固定観念を持っている人がいます。
本人は自分が偏見を持っていることに気づいていなくても、実際は差別的な行動をとっている場合もあります。
偏見の例: 「病気の人はすぐに休む」「発達障害の人は性格が悪い」「うつ病は甘え」「障害者は努力していないのに特別扱いされていてずるい」
コミュニケーション不足: 職場内で、病気や障害のある人とそうでない人との間のコミュニケーションが不足している場合、誤解が生じやすくなります。
他者を十分なコミュニケーションがとれない相手であると思い込んでいる人は、一方で自分のコミュニケーション能力や行動には問題がないと思い込んで相手のせいにする傾向があります。
自己肯定感の低下: 病気や障害の影響で自己肯定感が低下すると、自信が持てないために、責任を回避し、責められるのを避けようとする心理が働くことがあります。
責任転嫁の誤解を招く原因のまとめ
本人の意図とは関係なく、周囲から誤解される可能性は常にあります。
自分の意図はいったん置いておいて、周囲の状況を分析して、誤解を受けた理由について考えることが、誤解を解消するための第一歩となります。
主体性を高めるための具体的なステップ
責任転嫁を防ぐためにできる具体的な行動
行動一つ一つを意識して、自信を持って働こう
責任転嫁と誤解されないためには、自分の行動を意識することが大切です。
例えばミスをした時に、ただ謝るだけでなく、「次に同じミスをしないために、どうすれば良いか」を考え、具体的な改善策を提案することで、改善の意志があることと責任感の強さをアピールできます。
また、周囲の人と積極的にコミュニケーションを取ることも重要です。
普段から、困ったことがあれば、早めに相談する習慣をつけることで、周囲の協力を得やすくなります。
小さな一歩から始めよう！
職場で責任転嫁している、無責任であるという誤解を受けないためには、仕事で主体性を発揮することが重要です。
責任と主体性をもって働くために、小さなことから少しずつ始めていくとやりやすいでしょう。
例えば、会議で自分の意見を一つ言ってみる、新しい業務の改善案を提案してみるなど、小さな成功体験を積み重ねることが、仕事への主体性を持つことへとつながります。
そのためには目標を具体的に設定することも効果的です。
例えば「もっと仕事がしたい」という漠然とした目標ではなく、「今週中に資料作成を終わらせる」のように、達成できるかどうかのわかる目標を設定することで、達成感を得やすくなります。
ミスをした時の対処法
ミスから学び、成長しよう
誰もがミスをするものです。大切なのは、ミスを恐れるのではなく、ミスから学び、成長することです。
ミスをした時は、まず何が原因だったのかを冷静に分析し、次に同じミスをしないための対策を立てましょう。
このときに失敗の原因や責任の所在にこだわりすぎ、自己弁護することに執着してしまうと、誤解を受ける可能性があります。
周囲の人に相談してアドバイスを求めることも、周囲にどう見られているのか、客観的な視点を知るために有効です。
助けを求める相手を選ぼう
一人で抱え込まず、頼れる人に相談しよう
仕事で困った時は、一人で抱え込まずに、頼れる人に相談することが大切です。
信頼できる人に相談することで、客観的な意見をもらうことができ、解決策が見つかりやすくなります。
ただし、相談する相手を選ぶ際には、相手が本当に信頼できる人かどうかを慎重に判断しましょう。
障害や病気への知識がない人、偏見や差別意識がある人は相談相手として適切ではありません。
適切な相談相手がいない場合は、働く環境を変えることも有効な選択肢の一つです。
意見を伝える練習
自分の考えを自信を持って伝えよう
周囲の人に自分の意見を伝えることは、仕事を進める上で非常に重要です。
ただし、障害や病気が原因で自己評価が下がっていると、自分の意見に自信が持てず、否定されたく
ないために、意見を言うのが難しくなる場合があります。
その対策として、普段から意見を伝える練習をすることが有効な練習になります。
例えば、会議で自分の意見を言ってみる、上司に提案してみるなど、様々な場面で自分の意見を伝える機会を作りましょう。
成功体験を積み重ね、意見を伝えることに慣れるのが目的なので、内容は小さなことからで構いません。
主体性を高めることの効果とメリット
主体的に働くことで得られるもの
主体的に働くことで仕事に対する満足度が向上し、意見を言える環境を構築することで自己肯定感が高まります。
また、積極的に仕事に取り組んでいる姿勢が周囲の人に伝わり、周囲からの評価が上がり、キャリア
アップにつながる可能性も高まります。
失敗を恐れずに立ち向かうことで、自分自身の可能性を広げることができます。
参考：仕事における主体性とは？主体性のある社員を育てるために企業ができることを解説 | オンライン研修・人材育成 – Schoo（スクー）法人・企業向けサービス
参考：「主体性」とはどういう意味？仕事で主体性が重要視される理由と高める方法 | リクナビNEXTジャーナル
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす職のサポートをします
自分の強みを仕事にできる求人サイト
強みの活かし方を知るための情報サイト
新しい働き方を知りたい！
カスタマイズ就業って?
今すぐ働きたい！
ノウドー求人情報画面
あなたの強みを活かす働き方を。
あなたの「好き」を『伸ばす・活かす』サポートをいたします。
でもそれはあくまでサポート。
「好きなことならがんばれる」というあなた自身の熱意を
求めている企業をみつけませんか。
まとめ
周囲の理解を得るための効果的なコミュニケーション
言葉選びと伝え方で、心を開いてもらおう
周囲の理解を得るためには、言葉選びや伝え方を工夫することが重要なポイントになります。
例えば、「～できません」ではなく、「～するために、〇〇のサポートがあれば嬉しいです」と、具体的な行動を伴って伝えることで、より建設的な会話になります。
成果を得るためには、伝え方を工夫する努力が役立ちます。
障害や病気について周囲の人への伝え方
障害や病気について、周囲の人へどのように伝えるべきか悩んでいる人も多いでしょう。
「要求が多い」「わがまま」「特別扱いはしない」「ずるい」などという、知識や理解不足、偏見、的外れなねたみからくる心ない言葉に傷つけられた経験があり、コミュニケーションをためらう人も多いでしょう。
ただ、職場で周囲の人から必要なサポートを得るためには、障害や病気について伝える必要があります。
伝え方のポイントを以下に挙げます。
伝える相手を選ぶ: 障害や病気について伝える相手を選ぶ際には、相手が信頼できる人かどうかを慎重に判断しましょう。
社会的地位や職位が高い人や医療の知識や経験がある人でも、相手との関係が良好でなければ、理解して便宜を図ってくれるとは限りません。
理解とサポートを受ける側の立場は低くなりがちで、理解とサポートをしてもらえるかどうかは相手のモラルに依存するケースもあるので、自分の職場での立場を守るためには、慎重に伝える相手を選びましょう。
伝え方: 具体的にどのような症状があり、どのようなサポートが必要なのかを簡潔に伝えましょう。
障害特性や病気の症状について、経験のない人に伝えるのは難しいことです。
人は自分の理解の及ばないこと、経験のないことに関しては、どうしても厳しい見方をしがちです。
理解を得るために、医師や専門家、上位の上司など、より説得力と発言力の高い人から伝えてもらうのも有効なテクニックの一つです。
タイミング: 適切なタイミングを選びましょう
できるだけ相手が忙しくない時期を選び、必要な相手だけに伝わる場で伝えましょう。
関係のない相手にも伝わる状況だと、多くの人に誤解を受けてしまう場合もあります。
相手を絞って連絡した場合でも、相手との関係や相手の理解度によっては、メールなどの記録や会話の内容を組織内で勝手に共有されてしまい、集団から差別・非難されてしまう場合も、残念ながらあります。
組織内で自分の立場を守るため、伝える必要のある信頼できる相手だけに伝わるよう工夫しましょう。
具体的な言葉: 専門用語を避け、わかりやすい言葉で説明しましょう。
相手を傷つけない、相手を尊重する表現を選んで使うことも、理解してもらいやすくするために有効です。
責任転嫁の悩みから抜け出し、自分らしく働くために
自信を持って、自分らしく働くために
「責任転嫁」という言葉に悩まされているあなたは、きっと真面目で責任感の強い方でしょう。
しかし、いろいろな人と一緒に仕事をする際には、たとえ落ち度がなくても、周囲から誤解されてしまうこともあります。
自分に責任のない事柄や誤解してくる人にこだわりすぎると、解決するための行動をとりにくくなります。
この悩みから抜け出して自分らしく働くために、まずは自分のことをしっかりと理解し、自信を持つことが大切です。
