【発達障害】OKRのヒント。仕事の進め方、目標設定に関する体験談

従業員の業務目標を共有する方法として、OKRが注目されている

OKRに注目する男性

OKRとは?

OKR」とは、「Objective Key Result」の略称です。意味としては『目標・目標達成のためのカギとなる成果や指標』になります。

企業や団体が従業員の個人目標を管理する方法のひとつで、ツールを用いて従業員同士で目標や課題を共有できるシステムであり、注目されているのです。

参照:OKRとは? 【Google、Facebookが使う目標管理ツール】KPI・MBOとの違い、導入・運用・目標設定方法について解説 – カオナビ人事用語集
参考:OKRコンサルティング・OKR研修なら|OKRの株式会社タバネル

事務職として担当した業務が、課題や問題を多く抱えていた

筆者はおよそ4年間、障害者雇用の事務職として民間企業で勤務しました。発達障害の特性などから苦労しながらも、入社2年目から単独で業務を担当するようになりました。しかし同時に多くの課題と問題があることを知ったのです。

このとき「OKR」と言う言葉は知りませんでしたが、自分の業務の問題を解決させるために

・業務目標を設定する
・その目標を達成するために行うべき指標やプロセス

この2点について考え、常に上司などに伝えてきました。

こちらの記事「目標管理の一種、OKRとは?障害者の業務スキル向上にも繋がる!」で、障害を持つ方が職場でOKRの機能がなかったとしても考え方を活かすことができる旨をお伝えしました。

今回は、実際にそれがどのようなものなのか、筆者の体験をベースにして説明していきます。この記事を読んで「自分にもOKRってできることなんだ」と感じていただけましたら幸いです。

仕事の進め方について抱えていた課題

業務課題について考え込む男性社員
まず、目標設定とそれに対するプロセス(=OKRの考え方)をすることを求められたきっかけとなった問題について整理します。

【筆者の担当した業務についてのポイント】
≪業務内容≫
内部事務。従業員(の立場に当たる方)の契約書類の確認と管理。及び経費書類の確認。基本的に各部署が作成した書類をチェックするため、各部署との連携が重要。

≪業務上の課題≫
①契約書類の提出が遅く、本来の流れから3カ月程度遅れており、業務監査から指摘を受けていた。
②請求書類や関連システムの誤記・誤入力が多く、経費担当の方が給与計算の際、訂正や再確認をする手間を作ってしまっていた。

このような問題をもとに、筆者は担当として受けた際に目標設定をすることになったのです。

それでは、本題となる「目標設定」と「目標達成に関するプロセスの指定」について説明していきましょう。

【OKR設定のヒント】障害者雇用で業務の目標設定をしたこと

OKRの考え方にもづいた目標設定について説明する男性

目標設定

まず目標として設定したことは以下の2つです。

①契約書類の提出が遅れているので、1年間でリアルタイム(規定通り)の流れに戻す
②各部署の担当者との連携を強化し、経理担当の業務に支障がないようにする
③業務監査の指摘がないようにする

この3つを掲げました。当時は障害者雇用への取組みとして上司と日誌のやり取りをしていました。これにより、フィードバックを受けながら考えを伝えていくことができたことから、目標を伝えやすい環境にいました。(今回のこの記事の内容も、この日誌の記録に基づいて作成しています。)

上司が異動した後や、環境が変わった後も伝え方を変えて継続していったのです。

※OKR設定のポイント
・できる限り具体的な期間を設定する。目標として、7割程度達成できるものであること
・おおむね1個人につき3~5個ほど立てていく

目標達成への指標

筆者は目標達成のために、細かくステップを分けて考えていきました。目標設定のために考えた「ステップ=指標」は以下の通りです。

①担当が変わったばかりなので、自分の名前を各部署に覚えてもらう
②各部署が抱えている、関連業務に関する問題を把握していく
③②についてそれぞれ改善策を考える
④②を改善したうえで、こちらの要望を伝えていく

この4つを設定しました。

OKRでは、各目標につき3~5個の指標を立てることとされていますが、今回はどの目標にも共通している指標のため、この4つに絞って説明します。

※OKR設定のポイント
・成果指標の設定は、1つの目標につき、3つから5つあたりまでにとどめる
・成果についてどれだけ達成できているか、都度職場や上司と共有し調整する

参考:「OKR」の目標設定はなぜ人気なのか | あしたの人事オンライン

発達障害を持ちながら、成果指標を達成するために行ったこと

さまざまな人とのかかわりを感じながら業務を行う男性

各部署の担当者との意思疎通を強めた

筆者は電話対応が苦手なため、極力電話での対話をしないように配慮を受けていました。しかし、指標に定めたように連携していくためにはコミュニケーションが必要で、さらにそのためには名前を覚えてもらう必要があると考えたのです。

自分でも伝えられるコミュニケーション方法はないかを考え、以下の方法を行いました。

・40か所以上ある部署すべてに、手書きでメッセージを記載して送った
・各部署の要望を聞き流すのではなく、しっかり返答を行うようにした
・各部署の担当者が抱えていた問題に対して真剣に対応し、解決するよう努めた

このような取組みを続けた結果、最終的には「○○(自分の業務内容)といえば□□(筆者の名前)」と感じてもらうようになり、やりがいを感じました。

発達障害でもできるコミュニケーション方法で意思疎通ができると体感し、自信にもなりました。

経理担当者との連携を強めた

毎月経理担当の方とやり取りする機会がありました。その中で「業務の中で不便に感じていること・問題に感じていることは何かを聞いていったのです。その要望を各部署に伝えることによって、次第に請求時のミスや遅れも少なくなっていきました。

担当業務について、誰よりも勉強した

誰よりも勉強することで、その担当業務についての自信をつけていきました。「まず確実に伝わる」と感じるまで勉強することで、普段の担当者とのコミュニケーションでも動揺せずに応対できるようになったのです。

最終的に、目標達成ができた

目標達成し、充実している男性
設定した目標では、「1年で本来の書類の流れに戻す」と決めましたが、実際には3年かかりました。しかし、それに伴うプロセスの中でできた信頼関係ができたことで達成感がありました。

書類が正確にそろったことで、業務監査の指摘もなくなりました。これにより、当初掲げていた目標をおおむね達成することにつながりました。

まとめ

テレワークをする男性
いかがでしたでしょうか。

このように、OKRとは具体的に目標を設定し、周囲に伝えていくことでもあります。ツールやシステムがなくても、またはOKRの基準通りでなくても目標設定することでその後の業務の流れや仕事に臨むモチベーションが大きく変わるのはないでしょうか。

筆者もこうして具体的な目標を持つことで、辛い時も職場定着できるモチベーションを保てたと感じています。

障害者雇用などで業務の進め方に迷ったら、ぜひこの記事をヒントに目標を設定し、上司に提案してみてください。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の新d難を受ける。初めに勤めた公務員時代にうつ病を発症し、就職12年目で退職。4年間のリハビリを経て障害者雇用の事務職として4年間勤務した。現在はさらなるステップアップを図り、就労移行支援でのトレーニングを経てテレワークの仕事が可能な現職へ。

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