ノーマライゼーションとはなに?
「ノーマライゼーション」とは?
「ノーマライゼーション」とは、一律、均等や平等なことです。障害を持つ・持たないに関係なく、平等な生活ができる社会にしていこうという考え方になります。
日本でも厚生労働省が障害福祉の施策として、ノーマライゼーションを取り入れているのです。
ノーマライゼーションには、課題や問題点もある
このようにノーマライゼーションは障害のみならず、年齢や国籍をも平等に暮らせるように取り組む考え方です。しかし、ノーマライゼーションを進めていく上での課題や問題点も生じています。
今回は、そのなかで障害を持つ方に関わるノーマライゼーションの課題と問題点について紹介していきましょう。まず初めにこちらの記事「「ノーマライゼーション」とはどんな意味?障害者の生活に影響あり!」でもお伝えしている『ノーマライゼーションのポイント』について簡単に説明しましょう。詳細は、記事をチェックしてみてください。
ノーマライゼーションのポイント
ノーマライゼーションに関係する主な取り組みとして、以下の項目が挙げられます。
・バリアフリー・ユニバーサルデザイン
・障害者雇用促進法
これらが障害を持つ方に関係してくる主な取り組みです。特にユニバーサルデザインは障害を持つ方のみでなく、高齢の方や日本語が分からない海外の方でも平等に暮らせるように工夫していこうというものです。
障害者雇用促進法により、障害を持つ方が就職できる取り組みや福祉就労から一般就労に移行する取組みが行われています。障害者雇用なども、このノーマライゼーションに関係している取組みです。
この2点のほかにも、障害福祉サービスを充実させることや、オリンピック・パラリンピックを迎えるうえでの取り組みなどを行っている団体もあります。
このような取組みを行う中で、様々な課題や問題点が発生しているのです。
障害者に関わるノーマライゼーションの課題・問題点
それでは、ノーマライゼーションに関わる課題や問題点には、どのようなものがあるでしょうか。
障害を持つ方をサポートするノウハウの不足
障害を持つ方をサポートする法律や制度は整ったものの、それを実行する企業側にノウハウがなければ十分なサポートは得られません。これには以下のような問題が挙げられます。
・障害を持つ方が、障害によってどんな苦労をしているかが分からない
・障害を持つ方に合う職場環境・業務内容が分からない
・障害を持つ方の活かし方が分からない
このような問題が考えられます。これに対してどんな準備をすればよいのか、どんな体制によって問題が解消されるかという明確なノウハウがないのが現状です。
そのため、障害者雇用として就職しても「充分なサポートを受けられない」「行っているサポートと本人のニーズ(サポートしてもらいたいこと)にずれが生じる」事態を招く可能性があります。
業務の適性が合わず、離職するリスクが高い
上記のように、障害に関しては当事者でないと理解しにくいです。そのため、企業が知らないところで苦しい思いをしたのち仕事を辞めてしまう…というリスクが高くなります。
また、企業のみでなく障害を持つ方本人も就職後に初めて困難に気づくケースもあるのです。この様な場合はさらに企業のサポートは難しくなるでしょう。
このような問題をクリアして、障害を持つ方・企業の双方のニーズがマッチした働き方を行うことに苦労しているケースがあるのです。
参考:障害者雇用の現状と課題 – 全国重度障害者雇用事業所協会
参考:障害者総合研究センター 研究部門 障害者の就業状況等に関する調査研究
障害についての理解度は、個人個人に委ねられている
障害を持つ方をサポートするのは、直属の上司を始め周囲の社員に委ねられます。そのため、個々の障害に対する考え方や価値観の違いで大きく事態が変わってきます。現場が障害に対して関心がない、または異なった解釈をしていることで本人のニーズとずれてくる可能性があるのです。
また、上層部や企業の理解が不足していることで、現場の社員がサポートしたくてもサポートしきれない状況になってしまうリスクもあるのです。
障害者にできる対策はあるの?
企業や周囲の方の理解が得にくい、合う環境を受けるノウハウがない…このような状態のとき、障害を持つ方の職場定着のためにどのような対策があるでしょうか。
障害者ができる、ノーマライゼーションを活かす対策
自分の障害を知り、共有できるよう工夫する
企業は資料などから障害に関する情報は理解しているかもしれません。しかし、障害によってどのような苦労をしているかは、本人しか理解できないことです。ですから企業と障害についての理解を合わせていくために、自身の障害について具体的に職場に伝えていくことで、適切なサポートを受けやすくなります。
これから障害者雇用で就職してみたいと感じているときは、こちら「面接で企業に伝える「自分の障害について」作成ポイント4つ」の記事を参考にして、具体的に状況を伝えていくよう工夫していきましょう。
また、就職後も「ナビゲーションブック」などで、常に自分の障害を伝えられるよう整理しておくことでさらに安心です。作成方法に関しては、下記の参考リンクまたは関連記事を参考にしてみましょう。
関連記事:自己理解を深める!発達障害特性に役立つナビゲーションブックとは?
関連記事:「ナビゲーションブック」とは?就職活動で精神障害の特性を伝えよう
自分の特性を理解し、マッチする働き方を探す
どれだけ双方の理解が合っていても、自身に全く合わない業務内容や職場環境であれば続けることが苦しくなってしまいます。
これを防ぐためには事前に自分の特性を理解し、負担なく良さを活かせる働き方を選ぶ知識を持つことも方法の一つです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
障害を持つ方のみならず、さまざまな方が平等に生活できる「理想」のひとつとしてノーマライゼーションが誕生しました。しかしこれを実現していくためには、企業はもちろん、障害を持つ方本人もさらに理解を深めていく必要があるでしょう。
自分に合う働き方を見つけるために、今一度自分自身について見直してみるのも良いかもしれません。