発達障害を持つ方は、自信が欲しくて恋愛に依存することがある
発達障害を持つ方は、様々な経験から自分に自信を持ちにくい
大人になって発達障害の診断を受けた場合でも、過去に自分に対して何かしらの違和感があった方が多いのではないでしょうか。
「学校でうまくなじめなかった」「友達とうまく関われなかった」など、特に対人関係に対してコンプレックスを感じていることがあります。
このコンプレックスを解消し自信を回復する手段として、恋愛に依存してしまう方がいます。このような方には、どんな心の特徴があるのでしょうか。
恋愛に依存する・依存しやすい方の特徴
自分に自信がない
大きな特徴として、自分に自信がない方が多いです。過去に経験した恋愛や対人関係に対して大きな傷を負っていると、「人とうまく関われない」コンプレックスを抱きやすいです。
自分自身で自己肯定感や自信を回復させられないために、恋愛に依存します。「恋愛は、条件なしで自分を受け入れてくれるもの」だと、『しがみつく』気持ちで相手に依存してしまいます。
さらに、相手に尽くしている、努力していることでもって自分を評価しようとしてしまいます。この「努力」には、相手の都合が関わっていないことが多いです。
相手に負担を与えやすい
相手への依存心は、何らかの形で相手に伝わることが多いです。これは「過剰適応」に近い行為です。「自分はダメな人間なのだから、もっと頑張らなくてはいけない」と思い込んでしまいます。しかし、相手はそこまでの「頑張り」を望んでいるケースは少ないです。
さらに恋愛依存が進むと、目的が相手のために頑張っている自分でいたいことにすり替わっているからです。相手も違和感を与えてしまいます。
相手に尽くしたり、してあげたいと思い過ぎたりしていませんか?お互いにリラックスしたい関係であるはずなのに、負担と緊張を与えてしまっては逆効果です。
うまくいかなかった時に相手に不満を抱きやすい
恋愛依存になりやすい方は、相手に受け入れてもらうために「最大限(と考えている)の努力」をします。しかし、先ほども触れたように相手の都合が関わらないことが多いです。そのためうまくいかなかった場合、「あれだけ頑張ったのに!」と強く不満を抱いてしまいます。
恋愛依存は、犯罪に繋がるケースもある
恋愛に依存してしまうと、あらゆる犯罪に巻き込まれるケースが多くなります。
【被害者になるケース】
相手に「頼めば喜んで何でもしてくれる」と思われて、詐欺などの被害に遭うこともあります。
【加害者になるケース】
また、「最大限の努力を否定された」ことに怒りを感じて、相手に対してストーカー行為をしてしまうおそれもあります。
このような状態を防ぎ、心地よい恋愛関係を築くために、どのような気持ちを持てばよいのでしょうか。
参考:ストーカー規制法 警視庁
恋愛に依存しないための、気持ちが楽になる方法
恋愛は自分を肯定する機会ではない。
まず、恋愛はあなたを肯定してくれる機会ではありません。人は「審判」ではありません。ですから過去にひどいことを言われたとしても、それが正しい判断から出た言葉とは言い切れません。「あなただけが大切だ」と言っても、後に裏切る方もいます。そのような不完全なものに頼ってしまうこと自体、危険なことなのです。
最終的に自分を肯定するのは自分
自分を肯定するのは、他者ではありません。あなたを肯定するのは、あなたの感情を知ることができるあなただけです。周囲の方は、その肯定に後押しできるだけです。
発達障害を持つ方にとって、明確な根拠もないのに自分を信じるということはつらいことかもしれません。しかし自分を肯定するのに他者に依存しているようでは、自立はあり得ません。
自分を信じる条件は、どんな方でも平等だからです。
相手のためでなく、「二人のため」を意識する
恋愛依存になってしまう方に多いのは、相手のために「だけ」を考えていることが多いです。あなたがしてあげたいと思うように、相手もしてあげたいと思うのです。この感情を無視して一方的に与えてしまいがちです。
相手のためにだけではなく、「二人が幸せだと思うこと」を考えていきましょう。あなたが尽くす思いに、あなた自身も含めてあげてください。
相手にも求めることができるからこそ、大切な関係になれるのです。
「一人でいるときのあなた」を受け入れてくれる方を探す
恋愛依存になりやすい方は、意外にも「うまくいくイメージ」を持っていないことが多いです。常に「嫌われたらどうしよう」という不安から、相手に尽くしていることが多いからです。
相手のためだけに無理をし続けていると、あなたか相手のどちらかが疲れ果ててしまいます。そのような関係のまま、一生を送ることは幸せでしょうか?
ですから「一人でいるときのあなた」でも受け入れてくれる相手でないと、辛いだけです。焦りや不安もありますが、あなたがいちばん心地よくいられる環境の延長線上に「恋愛」があると考えるようにしましょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
筆者も長いこと「自分自身を恨んでいた人間」でした。人に好かれた前例がない、人に好かれる公的な根拠がないなど、さまざまな言葉を並べて自分を憎んでいました。ずっと嫌な気持ちが続いてしまうのは、最初に受けた傷を連続再生しているからでした。
恋愛に依存して深く傷を負ってしまっていませんか。改善には、まずはあなたが最初に受けた傷を思い出すのをやめることです。「不幸をやめる勇気」です。一歩踏み出せれば、強く前向きに生きる力が湧きます。
あなたも、幸せになってよいのです。それだけは忘れないでください。
【筆者紹介】
30代男性。30歳になる年に広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受ける。過去の経験から自分に対する恨みが強く、救いを求めて恋愛に依存していたことがある。既婚。体験談はこちら