【精神障害者雇用】事務は給料が安い?給料UPの鍵にRPAもある!

精神障害者雇用の経済的自立が厳しい状況にある

経済的自立ができず、悩む障害者

精神障害者雇用の経済事情は厳しい

障害者雇用促進法などの施行に伴い、障害者雇用として働く機会が増えました。企業が障害者雇用の方に対して合理的配慮をするよう義務付けるなど、少しずつ体制も進化してきています。

しかしながら、経済的事情はどうか…というと、まだ自立した生活が望める収入を得られるケースは少ないです。身体障害を持つ方が一人暮らしをされているケースは多いですが、比べて精神障害(発達障害を含む)を持つ方は実に7割以上が「家族と同居」しています。これは生活面での問題もありますが、何より「一人暮らしできる経済状況ではない」ことが大きいのではないでしょうか。

参考:第1編 第1章 障害者の状況(基本的統計より)|平成25年度障害者白書(概要) – 内閣府

精神障害者雇用の給料事情は?

給料について悩む精神障害者雇用

精神障害者雇用は、事務の仕事が多い

精神障害者雇用には事務職の仕事が多いです。事務職とは、主に経理業務や総務業務などが挙げられます。

事務職は多くの方が触れやすく、また企業側も応募者に提案しやすい業務であるなどメリットもあるのです。実際に成果として現れやすい製造業と比べて、急な不調でも対応しやすいこともあるでしょう。

しかし、事務職は多くの場合企業の利益に直結することや、単体で利益を生むものではないことが多いです。そのため成果として現れる営業職などと比べて「企業が評価しにくい」問題が出てきます。この評価が「給与」として反映されるケースが多く、給料アップに結びつかないことがあるかもしれません。

精神障害者雇用は、正社員などの正規雇用が少ない

身体障害者雇用の場合、同じ事務職でも正社員雇用についているケースが多いです。これは体調が安定しやすく、障害の状態が周囲にも分かりやすいため、配慮しやすいなどの要因が考えられます。

しかし精神障害者雇用の場合、正社員などの正規雇用のケースが少ないです。身体障碍者雇用の正社員の割合がおよそ半数なのに対し、精神障害者雇用の場合は3割ほどまで下がります。また、比較的短時間勤務のケースが多いこともあるのです。

これは就職後も体調の変動が考えられることや、障害の特徴が分かりにくく適切な配慮をしにくいなどが考えられます。安定したパフォーマンスを維持するのに苦労しやすいことから、雇用形態も非正規雇用であることが多いです(平成25年時点では、有期契約のの正社員以外の割合はおよそ半数)。

また本人がどれだけ健康を維持していても、企業が精神障害者雇用に対して不安を抱えていると、昇給や昇進などの決断をしにくいことも関係しているかもしれません。

参考:障害者のお給料って少ないの?厚生労働省が発表した年収調査結果
参考:平成30年度障害者雇用実態調査の結果 厚生労働省

この2つの要因から、精神障害者雇用の事務職に関しては「給料が低い」のが現状です。具体的な給与額のデータなどは、上記の参考リンクをチェックしてみましょう。

精神障害者雇用でも給料アップの方法はあるの?

給料アップの頬右方について知りたい男性
さて、精神障害者雇用でも自立した生活がしたい、もっと収入を増やしたいと考えている方は多いでしょう。そのためにはどんな方法があるのか対策の一部を紹介します。

【精神障害者雇用】事務の仕事で給料アップするための方法

精神障害者雇用の働き方についてアドバイスする男性

①勤務時間を増やすように努める

短時間勤務で働いている方は、フルタイムなど勤務時間を増やすことで給料を上げる方法もあります。もちろん、業務負担責任は大きくなるでしょう。そのような事態に直面しても問題なく、安定した業務を行えると職場に理解してもらえるよう、取り組んでいきましょう。

うつ病から復帰後、フルタイム勤務は無理?職場で取り組んだ体験談」の記事で、精神障害者雇用の筆者が短時間勤務からフルタイム勤務に至るまでの取組みなどを紹介しています。興味がありましたら参考としてください。

②正社員など、雇用形態の変更を検討する

勤務時間を増やす方法に加えて、パート社員などの非正規雇用から正社員などの正規雇用として変更できるよう検討する方法もあります。

先ほど紹介したように、事務は「企業に評価されにくい」ことが多いです。そのためどれだけ数多くこなしても変更に至りにくいかもしれません。ですから方法として、

・個人で担当業務を持つ
・成果やパフォーマンスに波がなく、職場が「想定内」と感じるくらいまで高める
・体調管理を徹底する

これらの取組みを行い、企業からの信頼を得ることが大切です。まずは上司と相談して、今の業務で何を求められているか常に「企業のニーズ」を意識する癖をつけていきましょう

転職する

転職することも昇給のチャンスの一つです。どんなに成果を挙げていても、昇給する仕組みがなかったり昇給しにくい企業であれば①も②の決断もされにくいです。

どう頑張っても昇給が見込めない時は、転職して自分の条件に合った企業にスイッチするのも方法の一つして覚えておきましょう。その際、ポイントして以下の3つを押さえておいてください。

【転職するときのポイント】
・将来的に正社員登用があるかどうか
・週30時間以上の勤務形態ができるかどうか
・賃金が上がりやすい職種や仕組みがあるかどうか

これらを感じない場合、給料アップしにくい問題がでてきます。また、体調の安定を図る意味で在宅勤務にトライしてみる方法もあるでしょう。

事務の経験を活かして、RPAの業務に転職する方法もある

事務業務を行うロボットのイラスト

RPAとは

事務の仕事を大きく変える可能性を持つものとして「RPA」というものがあります。これは「Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション」の略称で、ロボットによる業務自動化の取組みです。

RPAについては詳しくはこちらの記事「働き方改革につながるRPA!精神・発達障害を持つ方も使える?」をチェックしてみてください。

参考:RPA | 用語解説 | 野村総合研究所(NRI)

「RPAエンジニア」として、事務の経験を活かした専門職になる方法がある

業務をロボットにやってもらうなら、むしろ仕事がなくなるのでは?と感じたかもしれません。しかし、ロボットが動くには人間の「管理」や「メンテナンス」が必要です。ですからこれを管理する「エンジニア」が今後重要なポジションとなっていく可能性があります。専門職ですから、比較的給与面での評価もされやすいです。特にRPAが出始めている近年ではこのスキルを持つことで重宝されるケースもあるでしょう。

これまでの事務の仕事を活かせる可能性があり、かつエンジニアは障害特性にマッチするケースも多いです。

いま、転職やレベルアップを考えているのであれば「RPA」というワードをカギに仕事を探してみるのも良いかもしれません。

RPAは、就労移行支援で学べる可能性がある

職場や就労移行支援事業所でRPAを学ぶ様子
エンジニア…と聞いて「難しいのでは」「自分にできるかな…」という不安を感じた方もいるでしょう。いま、このRPAを学べる就労移行支援事業所があります。就労移行支援事業所であれば、RPAのスキルはもちろん障害特性との向き合い方など働き方全般に関するアドバイスを受けることもできます。

もし、「RPAを学べる事業所を教えて!」と感じたらSalad編集部までお問い合わせください。

まとめ

給料アップに向け将来設計を考える男性
いかがでしたでしょうか。

収入が低いと、将来に対しての不安は大きいですよね。筆者自身も精神障害者雇用であり、経済面の問題に関して悩んだ経験を持つ人間の一人です。

認められようと無理を続けて体調を崩してしまっては元も子もありません。そのため効率よく昇給できる方法を見つけて、無理せずステップアップできる方法を心がけていきましょう。

【筆者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれの男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。およそ4年精神障害者雇用として事務職の業務を行った。短時間勤務からフルタイムになるまではおよそ3年かかっている。現在はテレワークのスタイルでライター業務の仕事に転職している。

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