「セルフエスティーム」とはなに?
セルフエスティームとは
「セルフエスティーム(self-esteem)」は、
・自己肯定感
・自尊心、自尊感情
・自己評価
・自己有用感(自分は必要な存在、目標を達成できる存在と思える)
・自己重要感
これらの意味を持つ言葉です。主に「自己肯定感」と広い意味で使われることが多いです。
自己肯定感の高さは、広く生き方に関わる可能性がある
セルフエスティーム(=自己肯定感)は自分自身の「心の軸」となります。そのため様々な行動や判断、物事への受け取り方など生活の様々な場面に関わってくるのです。
セルフエスティームの高さがどう関わる?
では、セルフエスティームの「高い・低い」によって、具体的にどのような影響が出てくるのでしょうか。
気持ちの状態について
セルフエスティームの高さは、気持ちの状態に大きく影響します。
【セルフエスティームが高いと…】
・自分に対して安心感がある
・自信があり、主体的に動きやすい
・自身や物事を肯定的に受け止めやすい
【セルフエスティームが低いと…】
・常に不安や恐れを感じている
・自信がなく、受け身になりがち
・自分や物事を否定的に見やすい
これらの違いによって、行動の質やストレスの感じ方に影響が出てくるのです。特にセルフエスティームが低いと、常に罪悪感を持って生活しやすい傾向があります。
他者との関わり方について
セルフエスティームは、他者との関わりにも影響することがあるのです。
【セルフエスティームが高いと…】
・自己評価があり、他者の評価に動揺しにくい
・自分と同じように、他者も尊重できる
・周りに振り回されにくい
・他者に善悪をつけるなど、ジャッジせず「個人の考え」と意識できる
・自分の意思を伝えられる
【セルフエスティームが低いと…】
・自己評価がないため、他者の評価に頼りやすい
・自分への評価によって、相手への評価が変わりやすい
・周りに振り回されてしまう(周りに好かれるためだけに行動してしまう)
・他者の評価や考え方に良し悪しをつけやすい→すれ違い、対立につながりやすい
・自分の意思を伝えることをためらってしまう
このような違いが生じやすいです。セルフエスティームが低いと他者を「個人」として見ることができず、(自分を評価する対象として)「みんな」などひとくくりで見やすい傾向があります。
ストレス対処について
ストレス対処についても、セルフエスティームの高さが関わるのです。
【セルフエスティームが高いと…】
・失敗をしても建設的に受け取れる
・他者に悪い評価をされても、崩れない自己評価がある
・他者の評価に怯えず、自分らしく振る舞える
・問題があっても「なんとかできる」と意識しやすい
【セルフエスティームが低いと…】
・失敗したら、自分のすべてが終わった若しくは自分自身が減点された感覚を受ける
・他者に悪く思われたら終わりだと感じやすい
・他者の評価に常に怯えている
・問題があったとき「だめかもしれない」と感じやすい
上の違いを見ると、同じ物事でも受けるダメージの大きさが変化してきます。セルフエスティームが低いとダメージの要因を生みやすく、かつ大きなダメージだと感じやすいです。これにより、ストレス対処に差が出てきます。
セルフエスティームはどうやって作られる?
生まれてから様々な要因によって築かれる
セルフエスティームは、生まれてから今に至るまで様々な要因が関わることで築かれます。主に育った環境や人生経験が作用することが多いです。発達障害や精神障害などの障害特性も関わるかもしれません。
発達障害、精神障害はセルフエスティームが低くなりやすい
発達障害や精神障害は特性や症状から、不安を生みやすいです。また、感情のコントロールや表現が苦手なことで周囲から否定されてしまうこともあったかもしれません。
これらを原因に、セルフエスティームが低くなりやすいです。
一度失敗しただけで「自分には向いていない」と決めてしまったり、理由なく罪悪感を持っている場合はセルフエスティームが低くなっているかも知れません。
セルフエスティームを高めるには?
では、セルフエスティームを高めるために必要な5つの要素を紹介します。
①自分を認める
良い部分だけでなく、悪い部分も含めてありのままの自分を認めることで高められます。
何か資格や条件があることで認める、というものでもありません。今現在の自分を無条件に認めることになります。
②自分を受け入れる
現在の自分を受け入れることも大切です。否定された自分、気に入らない自分でも受け入れるのは難しいことかも知れません。
心の軸であるため、すぐに変化が見えるケースは少ないです。地道に少しずつ受け入れていくことが大切になります。
③自分を大切にする
心身ともに心地よく意識していくことや、健康のために自分を労ることなどが該当します。
「誰にも認められない自分なら大切にはできない」などの意識を持たず、常に自分自身が一番の味方でいるイメージをキープしていく心がけをしていきましょう。
④自分に価値を感じる
この「価値」についても、「お金があるから」や「重要な役職だから」価値が生まれるわけではありません。
純粋にこれまで経験してきたものは大切だと、肯定的に受け取ることができればセルフエスティームが高くなってきているでしょう。
⑤自分を信頼する
無条件に自分を信頼できることです。この意識を持てるようになると、セルフエフィカシー(自己効力感)のアップにもつながってきます。
セルフエフィカシーに関しては、下記の関連記事を参考にしてください。
関連記事:セルフエフィカシーとは。障害者の働く自信を高めることにつながる!
関連記事:自己肯定感と自己効力感(セルフエフィカシー)の違い、要点を解説
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
『何の要素もないのに自分を認めるなんてできないよ』と感じたかも知れません。
障害の有無に関わらず、長い年月を経て作られたセルフエスティームを高めることは難しいことでしょう。しかし、今現在あなたのセルフエスティームが高まっている可能性もあるのです。
それだけセルフエスティームは、普段は目立たない「心の軸」になります。
ストレスとうまく向き合い長く健康的に働くために、少しずつセルフエスティームを高めていく気持ちが大切です。