自己肯定感と自己効力感(セルフエフィカシー)の違い、要点を解説

自己肯定感と自己効力感に違いはあるの?

自己肯定感と自己効力感の違いに疑問を持つ女性

自己肯定感とは

自己肯定感」とは、自尊感情とも呼ばれる『自分は自分でいいんだ』と肯定する感情を言います。よく言われる「自己嫌悪」「自己否定」が強い方は、この自己肯定感が低いということになるのです。

自己肯定感を高めると、精神的不安やストレスの改善などあらゆる効果につながると考えられています。

参考:「自己肯定感」の誤解 | 町田クリニック

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自己効力感(セルフエフィカシー)とは

自己効力感」は、『自分はこの物事を正しく行うことができる』『この目標であれば達成できるかもしれない』と思える感情です。セルフエフィカシーとも言われています。仕事など、この自己効力感が高い人の方が目標を達成しやすくなるとして注目されているのです。

自己効力感が低い人の場合「どうせうまくいかない」「他の人は知らないけれど、自分は絶対にできない」という感情を持ちやすいことになります。

参考:レジリエンスと自己効力感 | 医療法人社団 平成医会

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両方を高めるために、両者の違いを理解する必要がある

仕事を頑張りたい障害を持つ女性
自己肯定感・自己効力感ともに高めることは、心身の健康状態を保ち豊かに生活するためのポイントになるのです。精神障害・発達障害などを抱えている場合、不安やストレスを抱えやすいため、両者が低くなるリスクが高い傾向があります。

参考:セルフ・エフィカシーを高めるポイント | e-ヘルスネット(厚生労働省)
参考:精神症状(不安・緊張が強い) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科 精神科 – 杉浦こころのクリニック
参考:かえでクリニック_大人の発達障害

そこで両方を高めるには、両者の違いを理解しておくことが大切です。今回は「『自己肯定感』と『自己効力感』の違い」について、ポイントを解説していきましょう。

【ポイント解説】自己肯定感と自己効力感の違いとは?

自己肯定感・自己効力感の違いに注目する女性
今回はわかりやすく「自己肯定感・自己効力感が高い場合・低い場合」として、それぞれのパターンを紹介していきます。

①自己肯定感【低い】+自己効力感【低い】場合

「自分はダメな人間なんだ。だからどんな仕事をしてもうまくいかない」

自己肯定感・自己効力感共に低い場合にこのような言葉が出やすいです。「ダメな人間」が自己肯定感の低さを表しており、「どんな仕事もうまくいかない」という思考が自己効力感の低さが現れた言葉になります。

この状態で仕事をしていても、意欲が沸きにくく周囲の方も「あの人に仕事を任せても不安だな…」と心配されやすくなってしまうのです。仕事など、物事を続ける精神力を保つことも難しいでしょう。

②自己肯定感【低い】+自己効力感【高い】場合

「自分はダメな人間だけど、何となく仕事がうまくいきそうな気がする」

自己肯定感が低く、自己効力感のみが高い場合です。この場合、実際に仕事の成果を出しているケースも考えられます。しかし問題は「自己理解が不足している」ことです。そのため、自分がどれだけ達成できているのか把握できない可能性が出てきます。これは自己肯定感の低さにより、自分を見失っていることで起きやすくなるためです。

この場合、以下のような問題が考えられます。

・実際に成果を出せていても、どうしてできているのかプロセスが分からない
・他人にアドバイスを求められても、具体的な説明ができない
(何となくできている感覚のため)
・実際には成果に周囲の方のサポートなどが関わっていても、気づかない可能性がある(自己肯定感の低さにより自分の状況を把握せず、かつ自己効力感の高さで自信を持っているため)
・目標達成できているのに、いつまでも自信がない

これらの問題により、一時的に成果を挙げることができても「困難に直面した時に打開できない」、「周囲に不満に思われてしまう」などの事態を招いてしまうかもしれません。

③自己肯定感【高い】+自己効力感【低い】場合

「自分は能力がある。それなのに仕事がうまくいかないのはどうして?」

自己肯定感が高く、自己効力感が低いときに出やすい言葉です。この場合、以下のような問題が考えられます。

・周囲から「できないのに偉そうにしている」と思われやすい
・問題や困難があっても現在の方法を変えようと思いにくい
(自己肯定感のみ高く、自分には原因がないと考えやすいため)
・実際には十分な成果を出していても喜べない(実際にはもっとできるはずで、運悪くダメなところがあったという発想になりやすいため)
・うまくいかなかったことを他者や体制などのせいにしやすい(自分は間違っていない、と思いやすいため)

このような印象を持っていると、周囲の人間から「近寄りがたい」「関わりたくない」と思われる可能性があります。自己肯定感の強さばかりが目立って、「プライドが高い人」と見られやすいからです。

自己肯定感【高い】+自己効力感【高い】

「自分には見合った能力がある。だから仕事もうまくできていけるだろう」

両方が高いと、このような言葉として現れやすいです。もっとも心身の状態が安定しており、健康面・業績面において良い状態を保ちやすくなります。

参考:自己効力感と自己肯定感の共通点や違いとは?双方を活用しよう! – 人事担当者のためのミツカリ公式ブログ

自己肯定感・自己効力感をバランスよく高めていくことが大切

自己肯定・自己効力感を高め喜ぶ女性
このように自己肯定感は自分の『足元(現在位置)』を表し、自己効力感は自分の『行き先』についての感情を表すことになります。どんなに行き先がはっきりしていても、足元が不安定であればたどり着けません。反対に足元が安定していても行き先が曖昧であれば進むことは難しいでしょう。

そのため自己肯定感・自己効力感の両者の違いを理解し、バランスよく高めていくことが大切なのです。

自己肯定感・自己効力感を高めるためには?

目標達成する自分を想像する女性
自己肯定感、自己効力感を高めるには、以下の経験が必要だと考えられています。

①達成経験…自分で目標を達成できた経験
→「自分はこの目標を達成した力のある人間なんだ」と感じる
②代理経験…他の方が目標達成を見た経験
→「あの人もできるなら、同じような自分にもできるかもしれない」と感じる
③言語的説得…他者から「自分はできる力がある」と言葉で説明を受けること
→「そういう根拠なら、自分にはできるかもしれない」と感じる
④生理的情緒的高揚…モチベーションが上がる生理現象
→好きな音楽を聴く、生活の中で頑張る励みがあるなどでモチベーションが上がる
⑤想像的体験…自分自身で「達成している自分をイメージすること」

この5つの経験が必要とされています。②に関しては自分もできるかもしれないと思いやすい『身近な存在』である必要があります。また、①で経験しても経験した自覚がなければ意味がありません。ですからしっかりと自分の行った業務や行動を記録して、覚えておく工夫などをしていくとよいかもしれません。

まとめ

自己肯定・自己効力感が高まり、精力的に働く女性
いかがでしたでしょうか。

自己肯定感・自己効力感ともに精神障害・発達障害を持っていると、障害特性や育った環境の中で高めることに苦労するかもしれません。もしくはせっかく高まったのに、一つの失敗で元に戻ってしまうかもしれません。そのときはこの記事を参考にして、一から少しずつ自分自身と向き合っていきましょう。

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