ITパスポートとは?
ITパスポートとは
ITパスポートは、IT(情報技術)を活用するすべての社会人や学生がその敢えておくべき基礎知識を証明できる国家試験です。「iパス(アイパス)」とも呼ばれています。具体的な内容は主に
・AIやビッグデータ、IoTなどの新しい技術について
・アジャイルなどの新しい手法の概要について
・経営全般について
・セキュリティやネットワークなどのIT知識
・プロジェクトマネジメントに関する知識
これらの幅広い知識について求められます。試験は2009年から始まり、現在は採用活動におけるエントリーシートへの記入を求める企業が出ているほど注目されてきています。
今回はこの「ITパスポート」について紹介していきます。
ITパスポート試験の概要
ITパスポート試験の概要は、以下の通りです。
【ITパスポート試験の概要】
○試験時間
120分
○出題数
100問(全て四肢択一式)
○出題分野
・ストラテジ系(経営全般):35問程度
・マネジメント系(IT管理):20問程度
・テクノロジ系(IT技術):45問程度
○合格基準
・上記の出題分野の総合評価点が1,000点満点中600点以上であること。かつ、各分野ごとの評価点がそれぞれ1,000点満点中300点以上であること
○試験方式
CBT方式
→コンピューターに表示された問題に対してマウスやキーボードを用いて回答する方式
○採点方式
IRT(項目応答理論)方式に基づいて、回答結果から評価点を算出する
このようになっています。
では、出題分野について詳しく見ていきましょう。
ITパスポートの試験内容
ストラテジ系
ストラテジ系とは、主に経営全般に関する知識についてです。さらに項目分けをすると、
①企業と法務 →企業活動、法務
②経営戦略 →経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ
③システム戦略 →システム戦略、システム企画
この3つの項目(小さい項目分けでは全7項目)についての知識が求められます。
マネジメント系
マネジメント系は、主にIT技術を管理する知識についてになります。具体的な項目は下記の通りです。
①開発技術 →システム開発技術、ソフトウェア管理技術
②プロジェクトマネジメント
③サービスマネジメント →サービスマネジメント、システム監査
これら3項目(小項目では5項目)について求められます。
テクノロジ系
テクノロジ系は、IT技術についてになります。さらに項目分けすると
①基礎理論 →基礎理論、アルゴリズムとプログラミング
②コンピュータシステム →コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア
③技術要素 →ヒューマンインターフェース、マルチメディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ
これら3項目(小項目10項目)についての知識が求められます。
この3種類の分野が試験内容となります。『どんな風に問題が出るのかな?』と気になった方は、下記の参考リンクから過去問題を見てみましょう。
基本情報技術者試験との違いは?
同じIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が主催している国家資格で、『基本情報技術者試験』もあります。どちらもITや情報技術についての試験です。『同じ資格なの?』『違いはどんなところにあるの?』と気になることがあるかもしれません。もちろんITパスポートと基本情報技術者試験は別の資格です。
そこで今回は2つの試験がどう違うのか、ポイントをまとめました。
【ITパスポートと基本情報技術者試験の違い】
○難易度が違う
ITパスポートの方が難易度は低め
○出題範囲が違う
基本情報技術者の方が出題範囲は広い
○開催日と実施方法・形式が違う
(試験時間)
ITパスポート:120分
基本情報技術者試験:全300分(午前・午後)
(問題数)
ITパスポート:100問
基本情報技術者試験:85問
○回答方法が違う
ITパスポート:CBT方式(パソコンを利用する)
基本情報技術者試験:マークシート方式(パソコンを使用しない)
両者の違いのポイントはこのようになります。ITパスポートはITに関する基礎的な知識について出題されるものです。対して基本情報技術者はITパスポートよりも更に広く、より専門的な知識を求められるのです。
また、両者で大きく異なるのが「試験日程」です。ITパスポートは年間で随時開催していますが、基本情報技術者は春と秋の年2回のみです。そのような意味でも、両者では勉強方法やスケ―ジュール管理の方法が異なってきます。
基本情報技術者試験に関してはこちらの記事「『基本情報技術者試験』とは。エンジニアの就職にも活かせる!」で紹介していますので、IT関連の資格を取得したいときは両者を比較してみるのも良いかもしれません。
参考:ポイントは6つ。基本情報技術者試験とITパスポートの違いとは? | 初心者も未経験者も。基本情報技術者試験 ~合格への道~
参考:理解できてる?ITパスポートと基本情報技術者試験の違い | lisense+ : ライセンスプラス = 見極める力(sense) + 価値ある資格(license)|prosheet.jp
ITパスポートは、エンジニア以外の仕事にも活かせる
ITパスポートは、情報技術についての知識を求められる試験です。そのため「自分はエンジニアでもIT系でもないから、取得する必要はないかな」と考える方もいるのではないでしょうか。確かに基本情報技術者はプログラミング言語などもあり、エンジニアやプログラマーなどに必要な試験かもしれません。しかし、ITパスポートは情報を活用して仕事をしているどんな方にとっても必要な知識になります。
『情報を扱う基礎を知っている』と証明する意味でも、ITパスポートが活きる可能性があります。もし就職活動でアピールする資格やスキルが欲しい時は、候補としてITパスポートを考えても良いのではないでしょうか。もちろん、エンジニアを目指す人が基本情報技術者試験を受ける前に勉強してみる、という方法も良いでしょう。
障害を持つ方には、就労移行支援で働くスキルを学ぶチャンスがある
今回のITパスポートや基本情報技術者試験など、その他働くスキルをどう身につけたらよいか分からない。そもそも自分に何ができるのか分からない…そのような悩みを持っていませんか。
しかし、まだ諦めるのは早いです。特に障害を持つ方には、専門学校などのほかに別途『就労移行支援事業所』で働くスキルを学ぶチャンスがあります。この就労移行支援とは、障害や難病を持つ方の働くニーズにマッチしたサポートを受けられる施設です。今回のような、ITに関する知識を学べる事業所もあります(こちらのページにて、Saladが取材した事業所の情報を見ることができます)。
就職活動に関して「ひとりでは不安…」と感じていたら、いちど就労移行支援事業所に相談してみましょう。
障害を持つ方には、就労移行支援で働くスキルを学ぶチャンスがある
このサイト『Salad』では、『就労移行支援事業所に関する情報提供』『障害を持つ方の強みを活かす就職に関するサポート』を行っています。もし『どこの就労移行支援事業所に行けばよいか分からない』『自信のあるスキルはあるけれど、活かし方が分からない』というときには、Saladにご相談ください。あなたの働くニーズに合わせ、お手伝いをさせていただきます。
Saladのサービスについての詳細など、お問い合わせやご相談はこちらのお問い合わせフォームからメッセージを送ることで行えます。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
ITパスポートは基本情報技術者試験よりはハードルの低い、IT知識に関する『第一歩』ともいえる国家試験です。今後AIやテレワークが浸透し始めていくなか、これらITに関する知識を持っておくと仕事がスムーズに進みやすくなるかもしれません。今のうちに仕事を有利に進めるためにトライしてみるのはいかがでしょうか。