一般化とはなに?
一般化とは
何かの出来事を受けて、下記のように思ったことはありませんか。
○就職活動で初めて面接を受けたが、不採用の通知を受けた
→『面接なんてどこを受けても“絶対に”うまくいかない』
○婚活パーティーに参加したが、誰とも仲良くなれなかった
→『所詮婚活なんて“全部”こんなものだ』『男性(女性)なんて“みんな”、自分を気に行ってくれない』
○友達を一度遊びに誘ったけれど、断られてしまった
→『もう“絶対”遊んでくれない。今後誘うのは諦めよう。』
このように思ったことはありませんか?実はこれらのように感じることこそ、「一般化」なのです。
一般化とは、『1度や2度起こっただけの失敗や悪い出来事を、常に当然のごとく起きることのように認識する』ことをいいます。上の思考のように、言葉の中に「いつも」「全部」「絶対」などの意味を持つ言葉を含むことが特徴的です。
【認知の歪み】一般化の特徴は?
情報が整う前に、判断してしまう
一般化の特徴として、『情報が揃いきっていない』『まだ全てを決めるには早い』など情報不足の段階から判断することが特徴です。上の面接の例でもまだ1社しか受けていないのにも関わらず、「どこの会社からも同じ評価を受けるものだ」と決めつけていますよね。
今考えている「絶対」「いつも」「みんな」このような言葉を使うような意識を、もう一度見直してみてください。これらにも例外があるかもしれません。
ネガティブな経験と結びつける場合がある
過去にネガティブな経験をしていると、それを今起きている物事に置き換えたり、結び付けたりする場合があるのです。
例えば、上の婚活パーティーの例で説明します。最初に婚活パーティーに参加した際に、相手の異性からひどい扱いをされた経験があるとしましょう。この場合、次回以降婚活パーティーに参加するときも、このパーティーでの経験を結びつけて異性を見てしまうのです。
また「結びつけ」の例として、下記のようなケースもあります。
○学生時代、異性からひどいことを言われた
→婚活パーティーでも、異性は全て「ひどいことを言う人」と見方をする
○婚活パーティーで、異性から冷たい扱いを受けた
→婚活パーティーとは関係ない、職場で関わる異性にも「冷たい人なのだろう」という見方をする
このように、必ずしも同じ経験から結びつけるとは限りません。少しでも関係していると認識したときに、一般化の思考になることがあります。また、より関連の薄い物事でも結びつけて考えてしまうほど、一般化の傾向が強いと考えられるでしょう。
強い不安により、身を守ろうとする
これらの一般化をする原因の多くは、「不安」です。二度と同じ傷や辛い経験をしないために、早いうちから判断して身を守ろうとすることから来ています。
例えば、上の「遊びに誘った」例から説明してみましょう。事実は、『一度遊びに誘って、断られた』のみです。これは相手が『ただその日は都合が悪かっただけ』かも知れません。にもかかわらず「何度誘っても同じ」と決めつけて、今後誘うことをやめようとしていますよね。これもまた断られたときのショックを感じないように、身を守ろうとしているわけです。
自己否定につながりやすい
先ほど紹介したように、一般化はさまざまな経験と結びつけて考える傾向があります。この傾向が強まると、何か一つ不都合なことがあっただけで「自己否定」になる危険性があるのです。上の例を挙げて説明しましょう。
○1件、採用面接に落ちてしまった→企業から否定された→社会から必要とされない自分は、ダメな人間なんだ
○婚活パーティーで誰とも仲良くなれなかった→誰にも興味を持たれない自分は、ダメな人間なんだ
○遊びに誘っても断られてしまった→きっと自分のことが嫌だから断ったに違いない→断られるような魅力のない自分は、ダメな人間なんだ
…このように、何か一部分の「ネガティブな材料」だとしても、自分の全てが悪いと考えてしまうのです。
もちろん、『ダメな人間』と決めるのにはどれもタイミングが早すぎます。それにもかかわらず、このように「自己否定」につながってしまうリスクがあるのが、「一般化」です。
一般化は、他人にも影響するリスクがある
一般化は、何も自分自身だけに関わることとは限りません。この様な考え方が他人とのコミュニケーションの中に現れることがあれば、相手にも悪影響を与えてしまうリスクがあるのです。
・仕事で後輩がミスをした
→『この人は今後も絶対ミスをするだろうから、関わるのはやめよう』と考える
→後輩に「信頼を失ってしまった」と落ち込ませてしまう
・相手が体調が悪くて、デートの誘いを断った
→『どうせまた誘っても断るだろう。きっと自分のことが嫌いだからに違いない。だからもう誘うのはやめよう。』
→不信感を持たれることで、相手に辛い思いをさせてしまう
このように、一般化による過度な決めつけや判断で他人にも悪影響を及ぼすおそれがあるのです。では、この一般化を改善するにはどのような方法があるのでしょうか。
一般化など、認知の歪みの改善には「認知行動療法」が効果的
一般化は、認知の歪みや偏りによって起きているケースが多いです。「認知」とは、物事の受け取り方や感じ方、というと分かりやすいでしょうか。この認知の歪みの改善法として、「認知行動療法」があるのです。流れとしては、
①思考の「くせ」に気づく→今回は、『物事を受けてすぐに全てに結びつけようと決めつける』 など
②その思考や推測を、事実に当てはまることと当てはまらないことに分けて書き出してみる
③「当てはまらないこと」のほうが多ければ、その思考は事実ではないと考える
このような流れで進めていきます。こちらの記事「認知行動療法とは?セルフケアで発達・精神障害の不安を解消!」で認知行動療法について紹介していますので、併せてチェックしてみてくださいね。
「自分は就職に向いてない」そんな一般化をする前に、Saladにご相談を!
今回の記事で、「就職活動の失敗」についても例に挙げて紹介しました。特に面接まで行って不採用になってしまうと、その後は『もううまくいかないのでは』と考えたくなりますよね。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回一般化で挙げた例は、少なくとも一回は筆者が意識した思考から紹介しました。一般化は、様々な経験から培われていることが多く、間違いと分かっていてもすぐに改善することは難しいでしょう。そもそも「間違い」と認識すること自体、耐えがたいかもしれません。
しかしながら一般化を改善することで心が楽になり、他者との関わりにもゆとりが持てるようになります。時間がかかるかもしれませんが、少しずつ改善を意識してみましょう。
【筆者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれ男性。ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。自分自身の評価に関わることについて過去にネガティブな経験を受けているため、些細なことでも全て自己評価に結びつけて考えていた。