発達障害の特性ゆえ、「友達がいない」と悩むひとがいる
コミュニケーションのずれから、第一印象で誤解されやすい
発達障害を持たない方の場合、相手のリズムに合わせて会話をすることなどの調整ができる方が多いです。しかし発達障害を持つ方の場合、その場その場の相手に適応する・・ということが苦手な方が多いです。ある意味「自分に正直」な方が多いため、第一印象で誤解され、敬遠されやすいケースがあります。
過去の体験などから、人付き合いを拒む方もいる
発達障害を持つ方の中には、対人関係において過去に何らかの辛い経験を経ている場合があります。いじめや孤立してしまうことなどの体験から、「しょせん人間なんて・・」と悲観してしまい、人付き合いそのものを拒む方もいます。
友達は、いたほうがよい
発達障害を持つ方にとっても、もちろん友達はいたほうがよいです。発達障害を持つ方は、特に不調の時に自分の価値観に閉じこもりがちになります。このようなときに的確なアドバイスをしてくれたり、共に考えてくれたりするのは、やはり友人なのです。
今回は、発達障害を持つ方が
〇なぜ友人がいない・できないのか
〇友達を作るためのヒント
をご紹介します。
友達がいない・できないと感じる理由
学生時代に友達ができなかったから
学生時代にいじめや周囲になじめなかったりした経験があると、大人になってもその価値観をひきずりがちです。「どこに行っても自分は嫌われ者なんだ」と考えてしまい、他者と接することを諦めてしまいます。
色々付き合いがあって煩わしいから
「友達付き合いがあると、やりたくないこともやらなきゃいけない」「面白くないのに笑わなくちゃいけない、などが煩わしい」そう感じている方はいませんか?友達イコール面倒くさいことと思い込んでいて、関わりを避けてしまいます。
会話が下手だから
「上手く話すことができないから、自分には友達はできない」そう感じてはいませんか?周囲に友達が多い会話上手な方と比較して、「自分には無理」と諦めてしまいます。
みんなと同じことを楽しめないから
「友達付き合いがあれば、周囲がやっていることや流行のものもやらなきゃいけない。そういうの、面倒なんだよね・・・」という思いから、関わりを避けていませんか?自分以外はみんな同じ価値観のように考えてしまい、関わりを避けてしまいます。
友達の作り方を知らないから
「友達が欲しいけど、作り方を知らない・・」と悩む方は意外にも、多いのではないでしょうか。普段人との関りが少なく、意識しないと交流の機会がない方に多いです。あれこれ考えすぎてしまって、「マニュアル」が欲しくなるような気持ちになってしまいます。
このような事情から、「友達はできない」と諦めていませんか?そのような悩みを抱えている方に、友達を作るためのヒントをご紹介します。
【大人の発達障害】友達作りのヒント
「学校」は、とても狭い価値観の世界である
学校は、とても価値観の狭い世界であることを意識しましょう。学校では同じ年代が集まって同じことをしています。そのため、周囲の人と少し違っただけでも「ルール違反」のように言われたかも知れません。しかし大人になれば、様々な年代の様々な価値観を持った方がいます。
ですから、学校でだめだったからと言って社会に出てもだめ、と決めつけるのはあなたの可能性を狭めてしまいます。反対に「学校(の価値観)」以外の交友関係に飛び込めるチャンスなのです。
学校で友達ができなくても、今友達ができる可能性は大いにあるということです。
友達を作る環境を変えてみる
友達とは、何もあなたが面倒に感じることだけをするわけではありません。あなたが普段自然にやっていることを、同じようにやりたい方もいるのです。今は、身の回りに自分が心地よい関係でいられそうな人がいないだけです。その場合は環境を変えて、友達を作ろうとする視野や場所を変えてみましょう。
会話以外のコミュニケーションツールで接してみる
友達付き合いは、何もおしゃべりをするだけではありません。ただ黙ってじっと同じことをしていることでうまくいくこともあります。反対に、会話だけでコミュニケーションを図ろうとすると大変です。
ですから共通のスポーツや絵画などの芸術、釣りに行く、カラオケで歌うことでも構いません。会話以外にお互いがやり取りできるツールを持ちましょう。そこから会話につながることも充分に考えられます。
同じ趣味の仲間を作る
「自分とは趣味の合う人なんていない」そう感じていませんか?いないなら、探せばよいのです。今はインターネットで検索できる時代です。趣味のサークルや関連サイトなどを見て、自分と同じ趣味を持つ方とやり取りをするところから友達関係になることもあります。
何かにトライし、楽しんでいく過程で良い友達ができやすい
「友達の作り方」を意識しているときは、「友達ができない」ことに対して強く意識しすぎているときに多いです。他の人に聞いても「作り方なんてあるわけない」と言われてしまいますよね。友達は意図的に作るものではありません。そのため、明確な作り方は存在しません。
しかし、長く続く良い友達を見つける方法の一つに、「挑戦を楽しむ過程で出会う人」があります。良く旅先で知り合った人と友達になるのも、同じ原理ではないでしょうか。自分が何かに向けて挑戦し、それを楽しんでいれば、自然と同じ意志を持つ方が集まってきます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
筆者も「友達なんてできない」と引きこもりがちになった時期があります。しかし、完璧な人間はいません。ですから、「完璧にどんな方ともうまくいかない」人間もいません。
あなたが身近に触れているもの、楽しんでいるものはありますか?もう一度それを見直してみませんか?もしなければ、今からでも遅くはありません。新しい経験にトライしてみましょう。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。学生時代、交友関係がうまくいかなかった影響で、自分の趣味をきっかけに社会に出て友達を探していた。その時に学校がいかに狭い価値観の集まりであったかを知る。