障害を持つ方の就職は、非正規雇用からスタートするケースが多い
障害を持つ方の雇用形態
障害を持つ方の社会進出が進む中、正社員雇用になる機会が増えています。ハローワークなどの求人でも、障害者雇用として正社員を募集している企業が出てきています。
発達障害を持つ方は、非正規雇用からスタートすることが多い
しかしながら、発達障害を持つ方の場合はどうでしょうか。障害者雇用の場合、契約社員やパートタイマーなどの非正規雇用からスタートするケースがほとんどです。
考えられる理由として、
○入社してすぐに離職するリスクが高い
○正社員と比較して、勤務時間などの配慮をしやすい
などが挙げられます。
参考:障害者雇用対策 |厚生労働省
参考:障害者職業総合センター研究部門 発達障害者の職業生活への満足度と職場の実態に関する調査研究(平成27年)
障害者雇用でも、正社員になれるケースがある
それでは、発達障害を持つ方が障害者雇用で就職した場合、正社員にはなれないのでしょうか?そんなことはありません。まだ例は少ないですが、正社員になることはできます。
今回は、発達障害を持つ方が正社員になる3つのポイント
〇発達障害の方の正社員雇用の探し方
〇正社員に採用される条件
〇非正規雇用で就職後、正社員になるための条件
をご紹介します。
発達障害を持つ方のための正社員求人の探し方
ハローワークなどの障害者求人の中から正社員を募集している企業を検索し、以下の方法でチェックしてみてください。
企業の障害者雇用実績を確認する
まず、対象の求人が見つかったら、企業の採用情報から、障害者の雇用実績を確認しましょう。過去にどんな障害を持つ方を多く採用しているかを知ることで、その企業がどんな障害を持つ方を求めているかが分かります。
応募要件をチェックする
次に、応募要件をチェックしましょう。
〇どんなスキルが必要か、
〇実務経験の有無は求められているか
などを確認し、確実に自分が活躍できると感じられる求人を、根気よく探しましょう。
企業のホームページなどをチェックして、事業課題への提案を考える
最後に、応募したい求人が見つかったら、その企業のホームページをチェックしましょう。企業理念や事業目標、今後の事業課題などをチェックして、あなたなりに「自分ならどうしたいか」をまとめておきましょう。企業の方針を考えるのは上層部や幹部だけ、ということはありません。
関連記事:【どんな質問をされるの?】障害者枠で面接を受ける方が準備すべきこと
「検索方法は分かった。でも、正社員として採用されやすい人はどんな人なの?」と感じる方もいるかも知れません。そのような方のために、「正社員になるために必要な条件」を紹介します。
発達障害を持つ方が、正社員になるために必要な条件
専門職の実務経験がある
Webデザイナーやエンジニアなど、過去に専門職の実務経験がある場合は正社員採用されやすいです。理由は知識だけでは得られない、業務全体の流れをはじめから把握していることが多いからです。正社員であれば、この業務の流れを一から説明しないといけない方より、即戦力として活躍できる人材が求められます。そのため、実務経験のある方が優先されます。もし未経験の場合は、実務経験に相当するスキルを証明する必要があります。
健康管理ができることを証明できる
正社員として採用できない理由は、体調悪化ですぐに辞めてしまうケースがあるからです。そのため、
〇過去に長期休暇が少ないことが分かる
〇体調が安定していることを証明できる
ことで、企業の方も「この方なら安定して働いてくれる」と感じて採用しやすくなります。
参考:心の健康 |厚生労働省
企業への課題に対して、明確なアイディアを持っている
先ほども触れましたが、どんな人でも仕事を始めてみなければどうなるかは分かりません。それは面接官や人事の方も同じです。
就職前から「自分ならこのように業務を行う」というイメージを伝えられれば、企業の方も「あなたの将来」がイメージしやすいです。即戦力として活躍するために、就職前から実務の準備をするくらいの熱意を伝えましょう。
関連記事:発達障害者枠でも自立できる!給料アップに必要なスキルとは?
さて、これまでは「正社員の雇用を受ける方法」をご紹介してきました。しかし「非正規雇用で就職したら、その会社では正社員になれないの?」と感じた方もいるのではないでしょうか。
最後に、「今非正規雇用で仕事をしている方が、正社員になる方法」をご紹介します。
【障害者枠】非正規雇用から正社員になるには?
1)健康状態が安定している
第一条件として、健康状態が安定していることです。どの企業も障害者雇用の方に一番求めている要素が「健康管理」です。正社員になると、あなたひとりだけの業務ではなく、他の方との関わりも増えてきます。そのためには周囲に迷惑がかからないよう、健康管理ができ体調が安定していることは必須条件です。
事実、職場定着が進むことで正社員になるケースは多いです。
2)安定して業績を残している
次に、「仕事の安定」です。毎日コンスタントに業務を行える力が必要です。良い時と悪い時にムラがあってはいけません。状態が良い時でも悪い時でも同じ成果が出せるのは、自己管理によるものです。
正社員になれば、業務の責任は重くなります。その分、多くの方が関わります。この多くの方から「あの人なら大丈夫」と安心してもらうためには、日々コンスタントにこなせる自己管理が大切です。
3)上司や周囲の方とのやり取りに支障がない
正社員になれば、チームの「核」として仕事をする可能性もあります。この場合、周囲の方とのやり取りに問題があるようでは、チーム単位で支障が出てしまいます。
このような事態が正社員になれば増えてきます。業務に必要なコミュニケーションは、問題なく取れるようにしておきましょう。
4)自分の活かし方を知っている
障害を持つ方は、「特性」があります。良いところもあれば、悪いところもあります。自己理解がなく、悪いところばかり目立っているようでは正社員にはなれません。あなたの良いところを理解し、磨き続けられる方法を知っておくことが重要です。『えっ!?自分の活かし方なんて知らないよ!』と感じたら、ぜひこのあとの案内をチェックして自分の強みを探すきっかけ作りをしてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
発達障害を持つ方の多くは、非正規雇用で経済的に悩んでいるのではないでしょうか。正社員になれば、責任が重くなります。しかし雇用形態は安定し、収入も上がります。
体調や精神状態、適性などを振り返りながら、少しずつ自分に合ったワークスタイルを築いていきましょう。