『働き方改革関連法』とは?障害者雇用には、どんな影響があるの?

働き方改革関連法とは

働き方改革関連法で変わる人の一生

働き方改革関連法とは

「働き方改革関連法」とは、正式には「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」または「働き方改革一括法」という名称です。

これは日本における労働法規の改正を行うための法律になります。

ちなみに関係する法規は、
・労働基準法
・労働安全衛生法
・労働時間等の設定の改善に関する特別措置法
・じん肺法
・雇用対策法
・労働契約法
・短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
・労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
・働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律

などが該当します。

参照:「働き方改革」の実現に向けて-政省令告示・通達 |厚生労働省

今回は、
○働き方改革関連法のポイント
○働き方改革関連法により、障害者雇用にはどんな影響があるのか
を紹介します。

働き方改革関連法のポイントとは

働き方改革についてアドバイスする男性

働き方改革の総合的かつ継続的な推進

働き方のうち「雇用」に関する改革として、
・青少年の応募機会の拡大
・募集・採用に係る年齢制限禁止の義務化
・外国人の適正な雇用管理
・雇用情勢の地域差の是正

4つのポイントを挙げています。

参照:厚生労働省 <雇用対策法及び地域雇用開発促進法の改正について>

長時間労働の是正・多様で柔軟な働き方の実現など

ワークスタイルの改革で、労働基準法などが改革の対象です。

ここでは、
・時間外労働の上限規制
・年次有給休暇の時季指定
・フレックスタイム制の見直し・高度プロフェッショナル制度の創設

などについて取組みが行われています。

その他連続した勤務時間の上限を決める(勤務間インターバル)制度の促進や、産業医や産業保健機能を強化し労働者の健康に働けるよう目指しています。

参照:厚生労働省 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について

障害者雇用にはどんな影響があるの?

働き方改革関連法について知りたがっている年配のビジネスマン

雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

パートタイムなど短時間労働をしている方に対しても平等な条件で働くことができるよう、「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」についても取組みが進められています。

ポイントとしては、
【正社員・非正規社員に対して平等に待遇するようにする】
「同一労働同一賃金」と称した、雇用形態による賃金の不平等をなくすことが目的。「正社員と同じ業務をしているのに、給与が安い」など、同じ勤務内容でありながら「肩書き」によって給与が異なるなどの不平等をなくすことが目的。

平等を義務付けしているのは賃金だけでなく、休暇や福利厚生などの条件についても同様に対象となる。

【労働者に待遇についての説明を強化する】
どの労働者に対しても、待遇について説明する義務を強化する。

このような、取組みがあります。

参照:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法が施行されます」
参照:厚生労働省「平成30年度労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>」

障害者雇用の場合、パートタイムなどの非正規雇用が多い

障害者雇用の場合、現時点ではパートタイマーや派遣社員など「非正規社員」の雇用が多いです。これは体調面などを考慮し、短時間勤務からでも始められるなどのメリットがあるためです。

このようにメリットがある反面、しっかり頑張っているのに「非正規社員」というだけで平等に評価してもらえないケースがあったのではないでしょうか。中には後輩の正社員に仕事を教えるパートタイムの方もいるでしょう。このような「事実上、立場が逆転している状況」なのにもかかわらず、非正規社員という理由だけで悔しい思いをしてきたことがあったかもしれません。

関連記事:精神障害者雇用の再就職に不安なら、「短時間勤務」から始めてみよう

障害者雇用でも業務を頑張れば、評価される可能性が高くなる

働き方改革関連法の取組みが進めば、業務内容に応じた評価がされやすくなるのです。ですから仕事を頑張ることで昇給や昇進、正社員登用などのチャンスも増えるのではないでしょうか。

関連記事:発達障害でも無理じゃない!正社員になるチャンスと必須条件を紹介!

衛生管理も強化され、健康面の不安も緩和される可能性がある

また、働き方改革関連法の中には、労働安全衛生法についても改革を進めています。これまで以上に衛生管理を強化し、企業が労働者の健康管理をする義務を強めたのです。

もし体調を崩し、産業医に相談したとしましょう。もし企業や職場側に原因があるとすれば、事業所ごとに労使で構成する衛生委員会で内容を報告しなければなりません。

よって体調に影響するような業務を課せられたり、自分にとっての過重労働を強いられたりするケースが減るかもしれません。

参照:労働安全衛生法(安衛法)|安全衛生情報センター

働き方改革関連法で、障害者雇用が注意するべきことは?

働き方改革の注意点について説明をする男性

「障害者雇用だから」と甘えられなくなる可能性がある

先ほどパートタイムなど非正規社員も、「業務の成果や内容によって平等に待遇されるかもしれない」とお伝えしました。

「良い待遇」が平等であれば、本人にとって厳しい待遇も平等になりかねません。

確かにこれまで通り頑張っていく中での配慮は受けられるでしょう。さらには障害者雇用への解釈が曖昧なことなどを理由に、クビにならずに済んだ事情もあったかもしれません。

しかし、これからはさらに平等になります。

ですから成果が見込まれないこと、職場が望む勤務態度が望めない場合、クビになってしまうケースも増えるかしれません。

こちらの記事「障害者雇用でもクビになることってあるの?仕事で気を付けることは?」をチェックして、適正な勤務態度を見直してみましょう。

自分を知り強みを活かすことで、さらに評価されやすくなる

これからは、正社員でも非正規社員でも「どんな仕事をするか」「どんな成果を出せるか」がポイントとなります。もっとも評価されやすい、成果を出しやすい働き方の一つに「自分の強みを活かして働く」という方法があります。

今いる職場で自分ができることは何なのか、自分はどんなことが得意なのかを探していくことでより努力が認められやすくなります。

上司と相談しながら、自分の強みや働き方について考えてみるとよいかもしれません。

関連記事:大人の発達障害の就職のコツ!障害者雇用でも強みを活かせる

参考:障害者雇用 働く現場での悩みと解決のヒント – 記事 | NHK ハートネット

強みを活かす働き方を求めて、「カスタマイズ就業」という方法もある

カスタマイズ就業で自由に働く強みを活かしている男性

自分の活かし方について考えた結果「今の職場では活かせない」ことに気づくことがあるかもしれません。そのような場合は、自分の強みを活かす環境で働く「カスタマイズ就業」を検討してみましょう。

カスタマイズ就業は、従来の「苦手なものを克服していく」福祉的要素の強い働き方ではありません。本来持っている強みを活かして活躍していくというスタイルなのです。

Saladでも、このカスタマイズ就業を応援しています。また、長所を活かせる非公開求人をこちらで取り扱っております。

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参考:障害者の能力や強みを生かす「カスタマイズ就業」って? – 毎日新聞

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まとめ

働き方改革で希望を持てる社会へ

いかがでしたでしょうか。

『働き方改革』と一言で言っても、実は沢山の法律を変える大きなプロジェクトなのです。この改革が進めば障害者雇用で評価されず、ずっと悔しい思いをされてきた方にも「チャンス」が来るかもしれません。

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