【アンコンシャスバイアス】ASD男性、IATテストを受けた体験談

アンコンシャスバイアスを知る方法に、IATテストがある

アンコンシャスバイアス・IATテストの存在に耳を傾ける男性

アンコンシャスバイアスとは

「アンコンシャスバイアス」とは、人間が無意識のうちに物事への見方や捉え方にゆがみや偏りをいいます。「高速思考」とも呼ばれ、判断や行動を素早くする役目もあります。

しかし、この偏りが強すぎると差別や偏見などが生じやすいのです。アンコンシャスバイアスによりコミュニケーションにすれ違いを生む可能性もあります。

よって、自分のアンコンシャスバイアスを理解し、思い込みや先入観を確認していくことが大切です。

参照:アンコンシャスバイアスとは?|一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所

関連記事:アンコンシャスバイアスとは?職場で嫌われやすいときは要チェック!

IATテストとは

アンコンシャスバイアスを知るためのツールの一つに『IATテスト』があります。

このIATテストとは、『潜在的連合テスト(Implicit Association Test)』の略称です。ハーバード大学とワシントン大学の研究者が共同開発した、あらゆる分野からアンコンシャスバイアスを知る方法の一つになります。世界的に公開されており、日本語版も公開されています。

参考:Implicit Association Test – 教育テスト研究センター
参考:IATの起源と測定

ASDのコミュニケーション改善のために、IATテストを受けた

IATテストを受ける男性
筆者は発達障害の一つ、ASD(自閉症スペクトラム)を持っています。過去に職場でコミュニケーションによるすれ違いから仕事がうまくいかないことがありました。

原因として「話す言葉の選び方」「正確に聞き取る力」ではなく、「根本的な思考が相手とずれている」と感じたのです。

対策を学んでいく中でアンコンシャスバイアスを知り、IATテストの存在を知ることになりました。そこで今回は、IATテストを受けたときの体験談をお伝えします。これから受けてみようと思っている方はぜひ参考にしてくださいね。

IATテストの流れ

IATテストにより、キーボード入力をする様子

①IATテストのホームページにアクセスする

「IATテスト」でネット検索すると、一番上に表示されます。ここからアクセスし、IATテストのホームページに入りました。無料で受けることができ、下記の参考リンクからもホームページに入れます。ぜひクリックしてみてください。

参考: IATテスト ホームページ

②注意事項を読む

「テストを受ける」をクリックすると、注意事項が表示されました。自身も予想していない潜在的な思考を知ることにもなる可能性があるため、どのような結果が出ても同意できるかどうかの確認です。

③受けたいジャンルを選ぶ

IATテストは、様々なジャンルのテストがあります。

以下のジャンルのテストを受けることができます。
・セクシャリティ(同性愛・異性愛)
・人種
・ジェンダー(男性・女性・人文学)
・肌の色
・国家(ナショナリズム)
・年齢
・体重

以上の7種類のテストを受けることができます。今回はこの中から職場でも関係しやすい『年齢』のテストを受けることにしました。

④自分の基礎情報を入力する

テストを受ける前に、簡単な自分の情報を入力します。氏名や住所、メールアドレスなどの『個人を特定する情報』は入力しませんので、安心して受けることができました。(任意で郵便番号を入力する欄があります)

入力する内容は主に潜在思考に関わるものです。

項目としては、
・年齢
・国籍
・政治観・宗教観
・これまでに受けたテストの回数(受けたジャンルの数)

これらの内容を入力(選択式)していきました。再度同じジャンルのテストを受けたいときは、このアンケートは不要です。(しかし、別のジャンルのテストを受けるときは別の事前アンケートを受けます)

⑤テストを受ける

アンケートを入力すると、本題のテストに入ります。専門知識やパソコンの技術などは不要で、簡単な内容です。テストの進行はマウスのクリックなどではなく、全てキーボード入力のみで進めていきます。所要時間は10分前後です。

・老人や若者の写真
・ネガティブな言葉とポジティブな言葉

写真や文字が一件表示され、『老人か、若者か』『ネガティブか、ポジティブか』をキー入力で選んでいきました。様々なパターンで複数回行います。スピードも求められるため、まさに『パッと見』で選んでいかなくてはなりません。

⑥終了後、アンケートを受ける

テストの結果、『老人よりも若者に対する自動的な選好がある』と表示されました。ただし回答エラー(選択間違い)が多かったため、『確定された結果ではない』とも出ていました。『若者に対する自動的な選好がある』とは、

『若い年齢だと判断するスピードが早い→若い人だという先入観を持ちやすい
ということになります。

最後に補助的アンケートとして、
・『子供』『若者』『大人』『老人』とは何歳くらいからと感じているか
・自身では何歳くらいだと感じているか

これらのようなアンケート(選択式)に答えていきました。

その後、その他先入観やテストの結果を左右するであろう要因(利き手の問題、事前知識など)があったかどうかをチェックする機会があり、終了となりました。

IATテストを受けて、どう感じた?

IATテストを終了し、リラックスする男性

ダイレクトに思考を理解するものとは言いにくい

筆者の感じたことですが、このテストだけでアンコンシャスバイアスすべてが分かるということにはなりませんでした。個人的にはコミュニケーション上の先入観や人間の感情や表情に関しての先入観を知りたかったのですが、そのようなジャンルのテストは現在このサイトにはありませんでした。

しかし、気づきや考えるきっかけになる

しかし、自分の知らないところで行われている判断やその基準には気づくことができました。そのため、『自分の知らないところ・意識していないところで行っていることがある』ことを知る良い機会だと感じています。

今後はさらに細かく見ていく必要が出てくる

今後は考え方や価値観の多様化が進んでいきます。様々の国籍の方や、LGBTをはじめとした性的志向を持つ方とも関わる機会が増えるかもしれません。そのため、自分が無意識のうちに発言したことが、「アウティング(LGBTに関わる方の情報を暴露してしまう)」などの差別的発言につながる可能性も考えられます。

多様な考え方に対応していくために、このIATテストがさらに大切になっていくかもしれません。

参照:アウティング

まとめ

安心して過ごすことができているASDを持つ男性
いかがでしたでしょうか。

アンコンシャスバイアスを知るきっかけとして、IATテストを受けてみました。速さを求められたことで焦りがありました。そのため考えることなく無意識に近い形で受けることができたと感じています。

このテストを良いきっかけとして、先入観や思い込みの傾向を見つめ直してみる良い機会になりました。

自分のアンコンシャスバイアスを知りたい、周囲とコミュニケーションがどうしてずれるのかが知りたいというときはぜひIATテストをきっかけに自分を見つめてみるのも良いかもしれません。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。こだわりが強く、過去の体験に結びつくような事態に対して偏見を持ちやすい傾向がある。

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