燃え尽き症候群・ワーカホリック状態を体験した
燃え尽き症候群とは
『燃え尽き症候群』とは「バーンアウト症候群」とも呼ばれ、自分の限度を超えて集中し、ある時期をきっかけに意欲を喪失してしまう状態です。これにより生活リズムの乱れや仕事へ行くことが怖いなどの状態を招きます。
参照:燃え尽き症候群|浦和区北浦和駅1分の心療内科・精神科 かせ心のクリニック
参考:バーンアウト症候群とは | アスク・ヒューマン・ケア
ワーカホリックとは
「ワーカホリック」とは、仕事で一定の水準をクリアしているもののネガティブな気持ちを動機に働いている状態です。「ワーカホリズム」とも呼ばれ、従業員の健康に関わる問題として注目されています。
参考:ワーカーホリックになりやすい人に見られる特徴 | ライフハッカー[日本版]
参考:「依存症」を理解する<その5>~”依存”と”依存症”~ | 波乗りクリニック
両方を経験し、うつ病発症につながったことある
筆者はこれまでに、この両方の状態を経験しました。自身「ものを極めよう」という意識が強く、無意識のうちに上記のような状態になりやすい問題がありました。
燃え尽き症候群を自覚した時には、めまいなど状態は悪化しており「うつ病」の診断を受けたのです。その後社会復帰までには4年の年月がかかりました。
関連記事:【体験談】うつ発症から復職まで~30代男性のリハビリ生活4年間
それぞれ、当時の心理状態はどうだった?
今から当時を振り返り、その時どういう心理状態で臨んでいたのか。今回は両方を体験した時、どのような心理状態で仕事に臨んでいたかをお伝えします。
「あれ?自分も今そのような状態かも」と気づき、ワーカホリックや燃え尽き症候群の予防や対処に繋がりましたら幸いです。
燃え尽き症候群を体験したときの心理状態は?
人事異動で新天地に赴任したばかりで、働き方を模索していた
燃え尽き症候群の一番の原因は、人事異動による環境変化です。
前任者からの引継ぎは半日程度、一方的に業務内容を話されたのみでした。ほぼ全く頭には入っていない状態であったため、周囲の方に状況を聞いて1から自分で組み立てていく形になったのです。
試行錯誤をしていた分、労力がかかっていたかもしれません。
役職(ポジション)がつき、自分にとって無理を求められる機会が増えた
当時まだ20代でありながら、倍以上の年齢の方に指示をする機会や上層部の方と交渉する機会を突然求められたのです。それまでの上司の指示通り行っていただけの状態から、突然自分で考え行うべきことが増えました。仕事の流れを覚えるために無理をしていた部分がありました。
直属の上司に認められようと無理を続けた
当時、直属の上司との相性が悪い問題がありました。今は『相性が悪かった』と判断できます。しかし当時は、この職場を辞めるギリギリまで『認められないのは自分の努力不足』としか感じていなかったのです(年数で言うと、2年近く状態に気づきませんでした)。
自分の中で「他者に原因を求める」ことに強い罪悪感がありました。そのため『どんなに相手が悪くても、全て自分のせいと考えて努力しなければ』と考えすぎていたことも体調悪化の大きな要因でした。
ワーカホリックを体験したときの心理状態は?
再就職として企業が拾ってくれたことで、気負い過ぎていた
ワーカホリックを経験した職場は、燃え尽き症候群を体験した職場を辞め、障害者雇用として再就職した職場でした。
さまざまな苦労があった末に就職できたため、企業への感謝や恩返ししたい気持ちが強かったのです。しかしこの思いが強すぎて、自他ともに負担になることがあったかも知れません。
障害特性としてできないことがあっても、無理をして行うことがあった
就職時に同行してくれていた就労支援センターの方から、企業に障害特性を伝えていました。電話対応などを他の方にお願いするなど『できないことを他の方にやってもらう』というものが主です。
ですから、もちろんその分他の方に負担がかかるわけです。それを意識して自分のできることで周囲をサポートしても『それなら電話を取ってくれ』と文句を言われてしまうだけでした。
そのような不満を言われないため、周囲に迷惑を変えられないために嫌々ながらも無理をして行っていました。さらにそれを「自分のため」と言い聞かせていたこともありました。
自らギリギリの状態に追い込んで力を発揮する方法をとっていた
筆者は『楽をしている』ことが許せませんでした。高いパフォーマンスを出すために、敢えてギリギリの心理状態に追い詰めるという方法をとっていました。危機感を植え付けるため、一時的に活力が生まれ、成果も出せました。当時つけていた手帳を振り返ってみると、少しのミスでも自分を傷つける言葉を多く書き綴っています。
そうして辛い状況であることが「頑張ること」だとずっと誤解していたのです。
どちらも自身への負担が大きく、体調を崩す結果になった
どちらを経験した時も自身への負担が大きく、ふとした弾みで大きく体調を崩すことにつながってしまいました(厳密には、その時に初めて体調を崩していたことに気づいた)。
現在は自分で「無理をする傾向がある」と意識して、早めの対応をするように心がけています。
両方を経験して感じたことは?
①『負い目』を原動力に仕事をしてはいけない
ワーカホリックの特徴として、『ネガティブな動機から仕事の活力を得ている』ことがあります。「しっかりやらないと怒られる」「辛くても、仕事だからちゃんとやるべきだ」などが状態として挙げられます。
筆者の場合、『自分は能力がない、ダメな人間』という強い思い込みを持っていました。このような『負い目』を動力として自分を追い込むことで、活力を得てきたのです。
今はマイナスな意識を持って仕事をしていると、一時的には良くても長期的に成果を出すことにはつながらないと考えています。
②自然体で働くことは、罪ではない
現在はテレワークでもって、障害特性での問題が少ない形で仕事ができています。過去の職場では、このような『自然体で臨む働き方』を許さなかったことでしょう。
当時は「仕事なのだから、いやなことでも我慢しなければいけない」「やりたくないことをやるからお金になる」という意識が強すぎたと感じています。
もちろん現在の仕事も楽というわけではありませんし、努力すべきこともあります。ただ、自ら進んで「我慢している」という感覚はありません。それを受け入れている自分がいます。
自然体で仕事に臨む工夫が大切
どうしてこのような状態をたびたび招いたのか、当時を振り返ってみました。本来仕事は成果を大切に考えるべきです。しかし当時は『頑張れている自分』を体感するために、自分でも分かりやすい「無理をする」という方法と取っていたのだと感じています。
体に負担なく自然体で臨むには、ありのままの自分を受け入れる必要があります。これができなかったことで、働き方に『ずれ』が生じていたのだと実感しているためです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
自分のスタイルや心理を変えることは、簡単なことではありません。今回お伝えした経験だけも、およそ10年間にわたる期間を要して現在に至っています。
ですからもし仕事でうまくいかない…と感じていても、ゆっくりと向き合いながら改善してもよいのではないでしょうか。その改善に力み過ぎないことも『自然体』への第一歩だからです。
もし、今の働き方に不安を感じていたらSalad編集部までご相談ください。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。過去に公務員およそ10年、民間企業にておよそ4年の職歴を持っている。現在、テレワークの業務をメインとした仕事についておよそ7カ月が経過している。