生きづらさを感じているが、発達障害と診断されていない
私は「なまけている」「もっとがんばればできる」だけなのだろうか?
話題に上ることの多い「発達障害」。
人間関係や仕事上の問題が続き、自分も発達障害ではないか?と思ったことがある。
しかし自分は診断を受けていないし、ただ「できない」だけ「なまけている」だけなのではないかと不安にさえなってくる……そんなお悩みをお持ちではありませんか?
自分は発達障害ではないのではないか?とお悩みの方へ
まずは「もし自分が発達障害なら、家族や周囲の人が全く指摘しないなどということがあるだろうか?」と考えるのではないでしょうか。
まず家族以外の人については、ほぼ100%、こちらから「自分は普通の人と違うところがあるでしょうか?」と聞いたとしても「普通ですよ、問題ありません。」と答えるでしょう。
失礼にあたることを心配するからです。
家族の場合はどうでしょうか?
現在成人している人(あなた自身)が子どものころですので、発達障害は現在ほど多くの人に知られていませんでした。
その保護者または親世代の人はなおさら知識がない場合が多いでしょう。
また障害や障害を持つ方に対する考え方も現在とは異なりました。
さらに病院嫌いの家族(保護者)が病院にあまり連れて行かない場合や障害を受容できない場合もあります。
そのような場合、成人した子どもが受診する際に家族としての意見を求められても「子どものころに他の子と比べて違うところはなかった」「学校で困っていることはなかった」「仲間に入れない・友達との間に問題はなかった」などと事実と違うことを述べ、子どもが適切な医療や支援につながるのを妨げる場合すらあります。
そのような不運な条件が重なり、適切な医療や支援を受けられず、長期間困り感を抱えて生活する人も、残念ながら少なくはないようです。
【体験談】30代女性の体験談(子ども時代地方在住)
発達障害の診断を受けた経緯の体験談
筆者は2010年頃の「発達障害の診断を受けられない悩みを持つ成人」が多かった時期に診断を受けました。
当時は発達障害が今より多くの知られていないほか、成人の発達障害を診断できる専門の病院やクリニックの数も少なく、特に東京以外では成人の発達障害の受診(診断)が非常に難しい状況でした。
似た状況の方に参考になるかもしれないので紹介します。
◆体験談:診断前
まず、小学校低学年で知能検査を受けたことを覚えています。
結果は覚えていないか本人には知らされなかったのかはっきりしませんが、どこかに他の児童と大きな差があったとしても教師か親のどちらかがスルーしたのではないかと思います。
その後、20代で精神障害者手帳を取得し、障害者枠で就職しました。
◆体験談:診断を受けるまで
20代後半のとき本を読んで発達障害のことを知り、自分もそうではないかと思いメンタルクリニックA(仮名)でWAIS-III成人知能検査(現在はWAIS-IV)を受けました。
その際は発達障害ではないといわれました。
メンタルクリニックAは発達障害を専門とする精神科のクリニックではありませんでした。
WAISの結果および問診をもとに診断結果を告げる際、メンタルクリニックAの医師は「発達障害ではない、(あなたは知能検査も)もっとがんばればできるはずだ。(発達障害の人は)もっと大変だ。」と言いました。
結果に納得がいきませんでした。
知能検査の全体を構成するいくつかの下位検査の結果の値に非常にばらつきが大きかったためです。
とりあえず知能検査の結果を印刷したものをもらい、保管しておきました。
約1年後、成人の発達障害の診断を行える精神科のクリニックBの予約を取ることができたため、診察を受けました。
こちらのクリニックBではクリニックAで受けた知能検査の結果と問診(子供のころから今までの様子、今の状況など)をもとに発達障害の診断を受けました。
その後、発達障害の成人に向けたSSTを行っている病院Cがあり、参加するためにはその病院の医師に発達障害の診断を受ける必要がありました。
その病院では家族(保護者)の診察への同行が求められ、診察に同行した家族が私の子供のころの様子などを聞かれて事実と違うことを話し、発達障害ではないと判断され、希望していたSSTにも参加することができなくなりました。
◆体験談:診断を受けたあと
診断を受けた後も何度か、大学などで行われる発達障害を持つ人を対象にした研究に参加しました。
大学という権威のある場所で発達障害のを持つ人とそうでない人で結果(傾向)の異なる検査を受けることができたためです。
未だにクリニックAで「あなたはもっとががんばればできるだけ」「発達障害の人はもっと大変」と言われた体験、家族が障害を認めないために発達障害ではなくすべて自分の努力不足や落ち度とされてしまうことで感じた強い不安が忘れられません。
今でも「自分は『なまけている』『詐病(仮病、ニセモノ)』なのではないか」「支援を受けていてずるいのではないか」という不安感や罪悪感を感じることが少なくありません。
参考:発達障害と診断されない「グレーゾーン」の人たちの生きづらさ 『発達障害グレーゾーン』姫野桂さんインタビュー WEDGE Infinity(ウェッジ)
必要なら、準備して専門医を受診してみよう
発達障害の疑いで「周囲の人に困り感が理解されない」という問題がある場合、あらためて正しく情報が伝わる状況で、専門医の診察を受けられれば状況が変えられる可能性があります。
人間関係や社会生活において困りごとを抱えていると自分に自信が持てなくなりがちだと思いますが、自分の状況を一番よく理解しているのは自分自身です。
発達障害に限らず、状況を正しく伝える工夫と準備を行い、手間や時間がかかっても問題の専門家を探して支援を求めることを試してみてはいかがでしょうか?
参考:理解する ~発達障害って何だろう?~ | 政府広報オンライン
参考:ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療| e-ヘルスネット(厚生労働省)
まとめ
具体的な問題解決に向けて
成人になってから発達障害の診断をうけるメリットとしては、必要な支援にアクセスしやすくなることがあります。
障害者枠での就職を考えている方や、通常(一般枠)での就労が困難だった方に特に役に立つのではないかと思います。
【筆者紹介】
Salad編集部員。ASD(自閉症スペクトラム障害)。30代。障害者雇用での就労12年目、テレワーク2年目。
自立支援医療・障害者手帳取得・障害者雇用のメリットについては、下記の参考記事もご覧ください。
参考記事:保険証を変更したら自立支援の更新手続きも必要!時期にも注意!
参考記事:大人の発達障害が分かっても障害者手帳はもらえる?手続きの紹介!
参考記事:障害者雇用の就職活動総まとめ!自己分析から内定後まで
参考記事:【仕事がないと悩んだら】障害者雇用にはこんな種類の仕事もある!
参考:障害者雇用 働く現場での悩みと解決のヒント – 記事 | NHK ハートネット
参考:特例子会社で働くメリット・デメリットを経験者が語る – むじなの障害者転職記