仕事を探しているけれど、将来が不安…
就職活動をしている
現在、就職活動を行っている方も多くいるのではないでしょうか。障害を持つ方の場合、職業能力開発校や就労移行支援事業所・就労継続支援事業所などでトレーニングを積み重ねながら仕事を探している方もいるかもしれません。自分のしてみたいことや『この仕事ならばできるのでは』と感じた仕事について、情報収集や必要なスキルを磨き続けて努力しているのではないでしょうか。
筆者もまた発達障害を持っており、少し過去には就労移行支援事業所でトレーニングしたのち、現在の仕事に至ります。
参考:国立県営 神奈川障害者職業能力開発校 – 神奈川県ホームページ
参考:障害者の就労支援対策の状況 厚生労働省
参考:発達障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
一方で、将来に不安を感じている
積極的に仕事を探している一方で、『将来は大丈夫なのかどうか』という不安を感じていることもあるかもしれません。家族や友人から『安定した仕事につきなさい』などと言われ、その意図とは反対に不安が強まってしまうこともあるでしょう。
その不安を解消するために、『将来性』という言葉に辿り着いた方も多いでしょう。仕事の紹介でも、その仕事の将来性はどのようなものなのか記載されている場合もあるほどです。
この『将来性』。何となくよく見られる言葉ですが、具体的にはどのようなことを指すのでしょうか。今回はこの「将来性」をキーワードに、仕事や将来のワークスタイルを見つけるヒントとして筆者の経験も踏まえながら紹介していきます。
『将来性』の意味とは?
現実的な先の物事に対して期待できることを指す
まず、「将来性」の言葉の意味がどのように表記されているか調べてみました。
「これから先」「将来」の発展や成功が期待されるという見込み。
複数のサイトで調べてみましたが、ほぼ上記と類似した意味でした。ちなみに「将来」とは、『これから先』『「未来」より少し現在に近い先のこと』という意味として紹介されていました。
参考:『将来性(しょうらいせい)』の意味と定義(全文) – 辞書辞典無料検索JLogos
参考:将来性(ショウライセイ)とは – コトバンク
参考:将来(しょうらい)の意味や使い方 Weblio辞書
仕事面での「将来性」は?
上記の意味を踏まえて「将来性のある仕事」を考えてみました。そのまま置き換えれば、『これから先の成功や発展が期待される仕事』ということになりますよね。さて、この将来性について、筆者のこれまでの経験で誤解していたことが多くあります。次はその『将来性に関する誤解』について、ポイントを紹介していきますね。
【体験談】将来性のある仕事について誤解していたこと
給料が安定している仕事
筆者ははじめ、公務員として働いていました。『公務員』と言うと『給料が安定している』『会社がなくなる・クビになる可能性が低い』というイメージが沸きやすい仕事ですよね。確かにほぼ毎月生活に困らない程度の同じ給料をいただいていましたし、そもそも自分が望んで入った職場でしたから期待も膨らませていました。
しかし、良く言われる『安定』というのは給与面や福利厚生などの待遇面のみであり、結果的に筆者はこの職場でうつ病を発症しています。筆者にとってはコミュニケーションや職場の価値観が合わないことで、発展どころか現状維持も臨めなくなっていたのです。
ここで学んだことは、『「給与・待遇が安定している=将来も安心できる」こととは限らない』ということでした。
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大手企業・有名企業
『大手企業』『有名企業』というワードも、『安定』『将来も安心』というイメージが沸きやすい言葉かもしれません。筆者も上記の職場ののちに障害者雇用で大手企業に入社することになりました。
確かに比較的倒産する可能性は限りなく低い企業です。周囲から『今度は大手だから安心だね』と言われることがあったほどでした。給与面も仕事内容から前職と比べれば低いものの、毎月ほぼ一定の賃金をいただいていました。
ただし、条件として安定した要素は多くありましたが、常に自分の中には不安がありました。それは、
・常に職場は負の感情に包まれていて、精神的負担が大きい
・この先『自分が』どうなるのか分からないという不安がある
・安定はしているが、それは現状維持であって成長やステップアップは難しそう
これらの『不安定材料』があったのです。そのためこの職場での達成目標などは常に意識しながら仕事をしていましたが、『どうなるんだろう…?』という不安は常にありました。
ですからこの経験から『「大手・有名企業=将来がある」とも限らない』ことを学んだのです。
将来性のある仕事について考えていること
このような経験から、筆者が考えている『将来性』については以下の通りです。
将来性は、自分の事情と照らし合わせて成立する
上記の経験から筆者が考えていることは、『将来性は、企業など相手の条件のみでなく、自身の特性や適性なども踏まえて考える必要がある』ということでした。
「給料が高い」「家から近い」「休みが決まっている」この条件も確かに仕事において魅力的な要素だとは感じています。しかし筆者もそうでしたが、ハローワークでついこれら『相手側の条件』ばかり気にしてしまい、自分の事情を無視していた気がします。
その結果自分の苦手な分野に対して努力する必要が増えることや、力を活かし切れていない「不完全燃焼さ」を持ったまま仕事をしていたわけです。
就労移行支援事業所に通っていた時は、まず自身のスキルを見直すところからスタートしいました。そうして『自身の事情と相手側の条件を照らし合わせること』が将来性ある仕事を探すうえで大切なのだなと痛感したのです。
自身が安心し続けられるかが大切
『安定』というと、上記のように条件面の安定ばかりに注目されがちです。筆者もまた、『安定』とはそういうことだと認識していました。しかしながらどんなに給料が安定しても、休みが決まっていても、筆者自身の気持ちが安定することはありませんでした。
また、『(業務内容や役割が)変わらない』ことが安定につながるかというと、必ずしもそうとは限らないというのが筆者の感じた事です。自分の成長したい願望に合わせた機会がないと「いつまで同じことをしているのだろう」と不安になったこともありました。その不安を解消するべく自分で工夫してスキルアップさせようとすると、周囲から煙たがられたこともあります。
周囲から給与や会社規模が意識された『安定した仕事につきなさい』を言われることもあるでしょう。しかしそれも、根底の意味は『長く苦労することも少なく、働き続けてほしい』という願いからであることが多いのではないでしょうか。その安心しやすい条件としてイメージしやすいものが、大企業や公務員といった形になっているのだと考えています。
ですから今は仕事について『自分が安心し続けられるか』に焦点を置いて考えるようにしています。
自分が得意なことを仕事にしていると、力みが少ない
現在は主にテレワークでもって、ライターの仕事をしています。その仕事の傍ら、障害者アーティストとしての活動もしています。どちらも仕事以外の場面で何気なく行っていたものを今、仕事にさせていただいているわけです。
『好きなことや趣味を仕事にするのは難しい』と敬遠しがちでしたが、得意なことを仕事にしていると、力みなくスキルを発揮できる感覚があります。ですから比較的、先のこともイメージしやすいと感じているのです。
関連記事:【体験談】発達障害のパラレルワーク事例。働き方の効果・注意点は?
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参考:在宅勤務ガイドライン
参考:テレワークセキュリティガイドライン
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
記事内で紹介したように、『将来性ある仕事』については、いちど自分自身の状況も踏まえたうえで初めて形になるものなのではないでしょうか。ですから漠然と企業の条件から仕事を探すのではなく、自分のスキルや性格などを見直しながら仕事を探してみるようにすると、これまでに見つからなかった選択肢が見えてくるかもしれません。
【筆者紹介】
Salad編集部員。主に記事制作を担当。1980年生まれの男性。うつ病発症後、かかりつけの病院でASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。20歳から公務員としておよそ10年(休職期間除く)、民間企業の障害者雇用としておよそ4年勤務したのち、現在の仕事に至る。