【筆者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれの男性。発達障害のひとつ、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。複数の職場でさまざまな困難を経験し、特性を活かす方法としてテレワークの仕事に就職。現在妻と暮らしているが、オフィスワークであった妻もテレワークを開始することになった。
テレワーク(在宅勤務)を利用している方・企業が増えている
テレワーク利用者が増加している
近年、『テレワーク(在宅勤務)』というスタイルで仕事を進めている方も増えてきました。これには背景として、インターネットの普及やスマートフォンの所有率が高まったことなどがあると考えられています。テレワークが普及していくことによって、これまで介護や育児などで仕事ができなかった方、障害などの理由で通勤やオフィスワークに困難を抱えやすい方などにも働けるチャンスが広がりました。
また、地方に居ながら都市部の企業で働ける『ふるさとテレワーク』などどこに住んでいてもキャリアアップできるチャンスも広がろうとしています。
参考:テレワークの普及動向|テレワーク情報サイト
参考:日本テレワーク協会 平成30年通信利用動向調査ポイント
参考:ふるさとテレワーク ポータルサイト – 今の仕事をそのまま地方(ふるさと)で。
妻もテレワークになり、一時的に家族でテレワークをすることになった
妻は普段は通勤スタイルのオフィスワークをしています。しかし現在のウィルス感染予防を防ぐため、会社の方針で一時的にテレワークをすることとなりました。関連の報道や情報を見てみると、
・突然テレワークになり、どうやって仕事を進めればよいか分からない
・メールやチャット、テレビ会議などのやり方が分からない
・モチベーションをどう上げたらよいか分からない
・子どもや妻のいる場所で仕事がしづらい
・自宅の通信環境だと、Web会議などの途中で通信が切れてしまう
これらのほかにも、さまざまな問題が発生していることがわかります。このように突然テレワーク体制になったことで、混乱している方も多いのではないでしょうか。
筆者の家庭でも、家族でテレワークをすることになりました。もともと妻は比較的パソコンや情報機器に強いため、混乱することは少なかったです。しかし、それでも準備や仕事の進め方を考えるのに苦労していました。そのようなこともあり2人で相談しながら、お互い迷惑をかけない、負担をかけないために2人で工夫していったのです。
そこで今回はテレワークを進めるコツも踏まえて、「家族でテレワークをする際に注意していること・取組み」について紹介していきます。
【体験事例】テレワークになり妻が抱えていた不安
まず本題の前に、新たに妻がテレワークになり相談を受けたことについて紹介します。
①これまでと異なるやり方のため、効率が落ちてしまう
妻は普段は社内にある資料や書類を見ながら仕事を進めていきます。しかし、自宅にまでこの書類を持ってくることはできません。そのため、オフィスと連絡を取りながら書類をPDFデータ(画像データ)にしてもらい、仕事を進めていっていると聞きました。
やはりこれまでに培ってきたやり方を変えないといけないことで、戸惑いや疲労感を持つことがありました。現在は少しずつテレワークの進め方の体制が整ってきたと聞いて安心しています。
②自分から発信しないといけないことが増える
これは筆者もアドバイスとして伝えたものです。オフィスワークとは異なり『見ていれば分かる』ことのほとんどが分からなくなります。そのため自分が今どんな状況なのかをこちらから発信する機会が増えてくるのです。妻はその発信量の多さに、はじめは苦労していました。
③十分な設備がない
オフィスではパソコンやモニターが複数台あり、それぞれにパソコンとモニターとで異なる情報を同時に見ながら仕事を進めています。しかしテレワーク体制では貸与されたものはノートパソコンのみでした。仮にモニターなどを持ってこれたとしても、自宅におけるスペースや電源を用意することは難しいかもしれません。そのため対処として、モニターを購入して少しでもオフィスと同じ環境に近づけるよう工夫しています。
【家族でテレワーク】お互い負担をかけない為に取組んでいること
①通信環境を個別に分ける
これは筆者の家がインターネット回線をつないでいない、という事情もあります。しかし同じ場所に居ても、同じ無線Wifiを利用して仕事を行うことはしていません。それぞれ個別にWifiを使用し通信しています。
これは、
・通信環境を分けることで、通信の負担を軽くする
・同じ通信環境で仕事をしていると、万が一片方の端末から情報漏えいが起きた場合、もう片方の端末の情報も漏えいしてしまうおそれがある(もちろん、安全な通信を行うことが前提である)
上記の理由があります。また、お互いWeb上で打ち合わせする機会などもありますので、会議中に通信が切れないよう心掛けているのです。
家事や日常生活のスタイルは変えない
例えば家に家族がいると、つい『家にいるのだから』と家事を手伝ってほしいと思いがちです。しかし、筆者は『職場が家になっただけで、負担は変わっていない』と考え、それまで行っていた家事は継続して筆者が行っています。
筆者は特にですが、お互いできるだけ環境変化の機会を減らせるよう相談しながら工夫しているのです。また、『通勤』という運動がなくなったことで体調の変化が起きないよう、仕事終わりや休日に2人で散歩をする機会も設けています。
関連記事:【テレワーク体験談】仕事と家事の両立。バランスを保つ為の心掛けは
お互い、内部情報は話さない
上記のように『テレワークでの困りごと』に関しては話す機会はあります。しかしこれは当たり前のことかもしれませんが、お互い会社の内部情報について話すことはありません。筆者がWeb会議を行うときはヘッドフォンを付けて自分にしか会議内容が聞こえないように工夫しています(加えて、別室で行います)。また、妻が打ち合わせをする際には筆者は別室に移動します。
このような部分も含めて、お互い仕事の内部情報である
・企業内の情報
・仕事で関わる個人や企業の情報
・仕事で扱う書類などの情報
これらについては話したり、見たりしないように心がけています。
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参考:在宅勤務ガイドライン
参考:テレワークセキュリティガイドライン
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事で、テレワーク体制になってさまざまな困難や負担を感じている方への参考となりましたら幸いです。