障害者雇用で就職後、職場への迷惑行為を行うケースがある
障害者雇用で就職する方が増えている
近年、障害を持つ方の就職が増えています。障害者雇用促進法の改正や働き方改革関連法の施行に伴い、障害者雇用に対する社会の関心も高まっています。
職場への迷惑行為に発展するケースがある
障害を持つ方の働く機会が増えたことはとても良いことです。しかし、同時に職場が抱える問題も増えているのです。障害特性や本人の心がけの差によって、職場に迷惑行為をしてしまうケースがあります。
迷惑行為は問題行動となり、本人のみでなく周囲の仕事や生活にも支障をきたしてしまうこともあるのです。そこで今回は、『障害者雇用の迷惑行為・問題行動』について紹介します。事前にどんな行為が迷惑になるのかをチェックして、職場で行わないように注意しましょう。
【障害者雇用】職場での迷惑行為・問題行動の例
今回は『株式会社 日本経営開発研究所【障害者雇用実践編】障害者雇用におけるトラブル、失敗事例(第4回/全5回)』を参考にしながら、問題行動の例を紹介していきます。
障害者雇用同士のみで結束し過ぎて、一般社員の方と関わらない
障害者雇用として働いている方は、自分以外にも沢山の方が働いていることでしょう。問題として、『障害者雇用同士で結束し過ぎてしまう』問題があります。例えば、
・同じ聴覚障害同士で、一般社員の方とコミュニケーションをとる自信がないため、どうしても聴覚障害を持つ方同士のみの関わりになってしまう
・発達障害同士で、「一般社員は分かっていない」など批判的な意識を持ってしまう
・障害者雇用同士のみでコミュニケーションを進め、一般社員である上司への報告をしない
これらのようなケースに発展するリスクがあるのです。もちろん、周囲のコミュニケーションが足りないことも原因であるかもしれません。しかし、「どうせ理解してくれないから」と関わりをシャットアウトしてしまっては迷惑行為になります。
コミュニケーションが滞ってしまうことで、職場全体の流れが悪くなるリスクもあるのです。自分も職場の一員であること、「仲良し集団」を意識し過ぎないことを心がける必要があります。
同じ障害者雇用の方に期待し過ぎてしまう
また、反対の例として「同じ障害だから理解してくれるだろう」と期待し過ぎてしまうリスクもあります。これは一般社員でも障害者雇用でも同様ですが、例えば同じ『発達障害』でも、『同じ人間』であるということはまずありません。しかし、同じ障害を持つのだから同じことを考えるだろうという期待をしてしまうのです。
この期待を一般雇用の方のみでなく、障害者雇用の方もしてしまう可能性があります。相手に依存し過ぎてしまうことでストレスになり、双方もしくはどちらかの体調が崩れてしまうおそれもあるのです。
自己理解不足で、就職後に問題が発生する
就職活動時は、「とにかく就職したい」という思いが強くなります。この気持ちはとても大切です。しかし『就職』という結果にとらわれ過ぎて、自分の障害特性や抱える困難に関する理解が不足していることがあります。
また、その時の環境や業務内容によって抱える問題も変化します。これを意識せずずっと就職当初と同じ障害の伝え方をすることで、問題に気づくのが遅くなるというリスクもあるのです。
具体的な例をいくつか挙げてみましょう。
【障害者雇用 自己理解が不足していると…】
・視覚障害:視野が狭い、視力が弱い程度であるからパソコン業務も平気だろうと考えて就職した。画面を見やすくするために職場から拡大読書器を購入してもらい、業務を行っていたが、視覚的に業務を行えないと感じ離職してしまった。
・発達障害:就職当初は『ルーチンワークができます』と申告していた。しかしいざ仕事を始めてみると、結果的に同じ作業の繰り返しに耐えられず周囲に文句を言うようになった。結果的に職場を辞めることになってしまった。
・精神障害:就職当初は問題なく仕事ができていたが、人事異動で直属の上司が変わった瞬間、体調を崩してしまった。環境変化に弱いこと、異動後に改めて障害特性を伝えることをしていなかった。
このようなケースから突然リタイアしてしまうことは、職場にも大きなダメージとなります。
自身の体調、状態を認識せず、気づいた時には不調になっている
精神障害・発達障害を持つ方によくある行為です。就職当初は業務もスムーズにでき周囲からの評価も高いと、つい限界以上に仕事をしてしまうことがあります。『期待に応えたい』『仕事を頑張って、認められるような人間になりたい』このようなモチベーションを持ち過ぎていることで、自分の心身の状態を正しく把握できなくなってしまうのです。
限界を超えた状態を続けることで、何かのタイミングで不調に気づいた瞬間に突然遅刻や早退、無断欠勤が現れることがあります。それまで沢山の量の仕事をしていたこともあり、周囲が埋める穴も大きくなりがちです。
努力をするのはとても大切なことです。しかし、『自分の状態を知る』という努力も忘れてしまわないように、注意してなければなりません。
私的感情を周囲にぶつけてしまう
自身の障害を理解してもらえない…このような不満が溜まってしまうかもしれません。これを「要望」として伝えることは大切ですが、「不満」として周囲にぶつけてしまうことはいけません。自身の業務について『仕事量が多い』『量が少ない』など、適応しようと工夫をせず文句を言い続けるような態度を取ってはいけません。
中でも恋愛感情などの私的感情から、周囲に迷惑行為として行動してしまうこともあります。相手の感情を無視して相手に言い寄ったり、その間仕事をおろそかにしてしまうなどの問題になってしまうのです。これについて注意や指摘を受けることで、会社批判などを行ってしまうケースもあるのです。
職場で恋愛をしてはいけない…ということではありませんが、仕事とのバランスが乱れて不満の声を表面化させるようではいけません。
障害者雇用でも、クビになる可能性はある
障害者雇用は配慮や支援を受けることができます。しかし、「クビにならない」という保証があるわけではありません。上記のような問題行動が激しい場合、クビになる可能性もあるのです。こちらの記事「障害者雇用でもクビになることってあるの?仕事で気を付けることは?」をチェックして、事前に注意するよう心掛けましょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
障害者雇用だからといって、何をしても許される。当然ですが、そうではありません。「平等」であるからこそ、真剣に向き合うべきこともあるのです。
しかし、もし職場で自分の障害特性や困難を理解してもらえない…そのような困りごとが続いていたら、職場環境を見直すことも方法も一つです。その時はぜひ、Saladにご相談ください。こちらのお問い合わせフォームから連絡できます。