【体験談】障害者雇用の時、職場で心掛けてきた5sを紹介。効果は?

5sとは、組織を挙げてきれいにしようという活動

5sを意識し、身近なところから清掃を行う男性

5sとは

5s」とは、整理整頓を組織的に取組み徹底的にきれいにしていこうという活動です。

・整理
・整頓
・清掃
・清潔
・しつけ

この5つの頭文字「s」をとったものを「5s」と呼び、各企業で取組みが進められています。

参考:5Sとは何か | 5S|ナビゲート

関連記事:『5s』とは?ADHDが苦手としやすい整理整頓の工夫にもつながる!

仕事で5sに沿った整理整頓を行ってきた

5sについて考える男性

過去に紛失や忘れ物で迷惑をかけるときがあった

筆者は過去に職場で紛失や忘れ物をして、周囲の方に迷惑をかける機会が多くありました。原因は「【体験談】発達障害はよくものをなくす?紛失防止で工夫したこととは」で詳しく紹介していますので、興味があればぜひチェックしてみてください。

障害特性を考え、効率よく仕事をする工夫を求められた

そのため、自分の障害特性を見直し、効率よく仕事をする工夫が必要だと感じました。その一つとして、「整理整頓」があったのです。

筆者は初め整理整頓や清掃など、5sに該当する行為は苦手でした。しかし始めてみるとスムーズに取り組めるようになり、今では「きれいを維持すること」にも意識できるようになってきています。

今回は、主に障害者雇用で事務職の仕事をしていた時に工夫した「5s」について紹介していきます。

参考:すぐに役立つ生産改善(その2)-5S運動- | 財団法人 茨城県中小企業振興公社ホームページ

【5s】障害者雇用のときに行った整理整頓の工夫

きれいに整頓されているデスク

整理

事務職であったため、デスクをきれいにすることがメインになります。

・電話対応で回答が必要なファイルなど、大切なものをまとめておく。
・他の方がデスクを使用することがあるため、誰でも使用できるようにデスク上にできる限り物を置かないようにする。
・書類などは、できる限り一か所にまとめるように保管する。
・パソコン内のデータを整理。定期的にデフラグ(最適化)やクリーンアップを行い、不要なファイルを削除する。

このような取組みをしました。大切にしていたのは、パソコン内のデータ整理も同じように重視していたところです。

整頓

整頓は、見かけの美しさだけではなく、その後スムーズに使用できるところにも配慮しなくてはなりません。その項目を考えると行っていたことは以下の行動です。

・(整理した)電話対応で使用するファイルは、電話が来た時にすぐに取って応答できるようにジャンルごとに分類して保管する。さらに右手を伸ばせばすぐに取れる位置に置く。
・パソコンのデータファイルは業務ごとに分類し、他者にも分かりやすいようにシンプルに配置する。
・箱に入った書類などは、箱を開けなくても分かるようにタイトルや保管期限などを記載しておく。ただし、個人情報など公開できない情報を表示しないように配慮する。

清掃

清掃はきれいにするだけでなく、安全に使用できるかどうかなど点検も行う必要があります。この項目を考慮した行動は以下の通りです。

・書庫の掃除は、きれいにするだけではなく不要のものや使用できないものを分類しておく。
・反対に、清掃によって使用できるものが見つかった時は優先的に使用する。
・パソコンの電源コードの埃を取るときは、コードが切れていないか、無駄につながっているコードはないかを確認する。

清潔

清潔は、きれいしたものを維持することです。これを意識した行動は以下の通りです。

・書庫の整理は、置き方が悪いと取り出すときにまた汚くなってしまうことが考えられる。そのため、頻繁に取り出す書類とそうでない書類を分類し分かるようにしておく。
・まとめてきれいにしようという考えではなく、気になったゴミを拾うなどこまめに小さな清掃を毎日行う。

掃除が苦手なときは、できる限りまとめて一度に行おうとしていました。今こまめに掃除することと比べてみると、『汚れは同じ量でも、精神的な負担はこまめに掃除をした方が明らかに少ない』ということでした。

作業が大きくなればなるほど、心身への負担が大きくなることを感じたのです。これがパソコンなどの精密機器となれば、別途経費もかかるかもしれません。

しつけ

しつけに関しては、このきれいにしようという意識を習慣づけすることです。これを意識するために筆者は、過去の紛失した時の影響など『きれいにしないことで失敗したこと』を思い出すようにしています。それを思い出すたびに、常にきれいにしなければと気持ちを引き締める効果を感じています。

参考:5S ~現場を劇的に改善し社員を変える5つの魔法~ | ProSharing(プロシェアリング)

5sを心掛けてどんな効果を感じた?

自分の意識を変える男性

紛失や物忘れが減った

整理をするということは、定期的に対象物を意識する機会を作ることにつながります。筆者も定期的に整理整頓を行うことで、物の配置や存在を確認することができました。

それまで物をよくなくしていた筆者ですが、意識し始めてから紛失や忘れ物が大きく減少したと考えています。

業務がスムーズに進むようになった

さらには仕事中の不安を緩和する効果がありました。視界に映るものが少なくなることで、必要な物事だけに集中しやすい環境で仕事を行うことができました。おかげで業務のタスク整理がしやすくなり、スムーズに進められるようになりました。

また一度に意識することを減らすことで、余計なストレスを感じることもなくなり、体調を崩しにくくなったこともあります。

自分の精神状態をコントロールしやすくなった

整理をしていなかったときと比べ、自分の感情を抑制しやすくなったこと、思考の整理がしやすくなった効果を感じています。

自分をコントロールしやすくなったことで、物事も落ち着いて考えられるゆとりができました。

常に「きれい」を意識することで、自然と身の回りに意識が向くようになり、様々なことに気を配れるように変わっていったことを感じています。

参考:【連載特集】5S・現場改善の生産管理

少しずつ進めていけば、「きれい」は維持できる

自分自身を整え、充実している男性
片付けが苦手で苦労している、思考の整理ができなくてイライラしてしまう…このようなことで苦しんでいる方がいるかもしれません。

そのような場合は、まず身の回りの「一部分」からでも始めてみてください。デスクの上にペンを置いたまま帰らない…など、一つ行うだけで大きく変わることを体感することで5sは意識しやすくなっていくからです。

まとめて行おうとすると精神的にも辛くなります。しかし、少しずつ行えば意識することもなく、いつの間にかきれいになっているということになれるかもしれません。

少しずつきれいにしようと意識していれば、「きれい」は維持できます。

参考:5S | 日経クロステック(xTECH)

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まとめ

希望を持てる社会へ
いかがでしたでしょうか。

5sは企業の活動として注目されています。さらには家庭での書類や大切なものの管理にも応用できるのではないでしょうか。筆者の場合は現在テレワークの業務を行っているため、自宅での物や情報の管理が仕事に直結しやすいため、これまでより注意を強めています。

もっと業務や生活をスムーズに進めたい!と悩んでいたら、5sを見直して、今一度基本に立ち返ってみることも良いかもしれません。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。20代には診断はされていないものの、ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性も見られ、整理や整頓に苦しむケースがあった。

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