精神障害の職場定着には、健康管理が重要
精神障害を持つ方は、健康管理に苦労しやすい
精神障害を持つ方は、仕事による精神的ストレスや緊張感・不安などから体調を崩すケースが多いのではないでしょうか。
・不調を予測できないときがある
・疲労や負担がかかっていても、緊張や不安で気づけないときがある
・責任や不安で、無理をしてしまう
これらの理由から体調を崩すリスクが高く、就職後1年以内に半数以上の方が離職しています。その離職理由の大半が『体調不良』なのです。
「こころの健康」にもアンテナを張る必要がある
精神状態が充実していないと、充分な成果は上げられないことはもちろん、仕事を続けることも難しくなります。ですから体の健康状態だけでなく「こころの健康状態」にもアンテナを張る必要があります。
今回は、そのような「こころの健康状態」を知る方法として『ワークエンゲージメント』を紹介していきます。
ワークエンゲージメントとはなに?
ワークエンゲージメントとは
ワークエンゲージメントとは、精神状態の健康度を表す際『3つの要素』から考える『精神(メンタル)面での健康度を示す概念』です。
3つの要素とは、
・熱意
・没頭
・活力
この3つです。
これらのバランスが整っていると、仕事に必要な『心の健康状態』が充実していると考えられています。
また、3つの要素に関して詳しくは下記の参考リンクまたはこちらの記事「ワークエンゲージメントとは。プレゼンティーズム予防にもつながる!」をチェックしてみましょう。
ワークエンゲージメントを高めるにはどうすればいいの?
とはいえ、突然『ワークエンゲージメントを高めよう』『活力、熱意を持とう』など言われてもどうすればよいか分からないかもしれません。そこで今回は、3つの要素のバランスをどうやって整えていくか『ワークエンゲージメントを高める方法』をお伝えしていきます。
まずは3つの要素のバランスが崩れ、体調を崩すケースについて紹介していきましょう。
【ワークエンゲージメント】3つの要素のバランスが崩れると?
意欲がなく、仕事だから仕方なくやっている状況になりやすい
【活力○、没頭×、熱意×】
障害者雇用の業務で「つまらない」「退屈」と感じやすいことが出てくるかもしれません。このような状態でありながら、『仕事だから仕方なく』『面倒だけど上司に怒られるから』などのネガティブな理由のまま業務を行うケースがあるとしましょう。
ワークエンゲージメントの考え方では、この状態のまま仕事を続けていると心の健康を損ねるリスクが高いと考えられているのです。どんなに『義務感』のみで高い成果を出していても、不調に結びつくリスクが高くなってしまうのです。
このような、ネガティブな動機でもって仕事をし続けている(成果を出している)状況を『ワーカホリズム(ワーカホリック)』と言います。
一生懸命没頭した結果、認められない時にやる気をなくしやすい
【活力×、没頭×、熱意×】
上を見て、「一生懸命なのに全て『×』なの?」と感じたかもしれません。しかし、一生懸命になる『動機』「向け方」が異なるのです。
『認められること』が目的で一生懸命になっている場合は、本来の仕事の目的と離れているケースもあるでしょう。そのように「一生懸命の向け方」がずれているケースが考えられます。
このような状態で仕事に取組み、期待通りの結果が得られない時に意欲を喪失してしまうことを『バーンアウト症候群(燃え尽き症候群)』といいます。
バーンアウト症候群はワークエンゲージメントとは正反対の「3つの要素が全く充実していない状態」と考えられているのです。
体の不調に結びつきやすくなる
辛い状況の中仕事をすることで、同じ時間職場にいても長く辛く感じやすいことでしょう。このような辛い状況で仕事を続けていると、疲労を感じながらも無理を続けることで生産性が下がる『プレゼンティーズム』などの可能性も出てくるでしょう。
参考:アブセンティズムとプレゼンティズム (absenteeism / presenteeism) – 株式会社こどもみらい
さて、このような問題を予防するためには、3つの要素のバランスを整えワークエンゲージメントを高めていく必要があります。次は、ワークエンゲージメントを高める方法として、3つの要素をもとに考えていきましょう。
ワークエンゲージメントを高めるヒント
活力を高めるには
ワークエンゲージメントでの「活力」は、どのような場面にあっても高い水準を出し続けるエネルギーがなくてはなりません。辛い時に乗り越える精神力、精神的に疲れたときに回復できる力も「活力」です。
活力を高めるには、
・業務目的を明確にし、具体的に行動に移せるように考える
・職場のニーズに応えられる、自分の長所を見つける
これらを心がけ、「精神的に疲れた状態」のまま仕事をすることがないようにすることが必要です。
【こんな時は他の項目とのバランスを見直そう】
・「~しなければいけない」という使命感を活力にしている
・周囲から「張り切り過ぎだ」「無理をしないように」とよく言われる
このような状態があるときは活力の向け方やバランスを見直してみましょう。
没頭を高めるには
ワークエンゲージメントに基づいた『没頭』の動機や心理状態は、『幸福感』『充実感』でなければなりません。時間が過ぎるのが早い、と思える仕事をしていくことが大切です。
【こんな時は他の項目とのバランスを見直そう】
・仕事に集中し過ぎていて、周りが見えないときがある
・仕事の集中が切れた時、ひどい疲労感や喪失感がある
このような場合は「過集中」状態の可能性があります。心身への負担が大きく、不調のリスクが高いため集中力のコントロールについて見直してみましょう。
熱意を高めるには
『熱意』を高めるには、『活力』の項目でお話しした「業務目的」を上司や職場と共有・調整したうえで取り組むことが必要です。 OKRなどを活用して、「職場が望む自分の目標」であることを確認していきましょう。
【こんな時は他の項目とのバランスを見直そう】
・積極的に頑張っているのに、周囲が冷めた目で見てくる
・自分の考えに賛同してくれる人がいない
上記のようなケースで、熱意がずれていくとバーンアウト症候群につながるおそれがありますので注意が必要です。
参考:OKRとは? 【Google、Facebookが使う目標管理ツール】KPI・MBOとの違い、導入・運用・目標設定方法について解説 – カオナビ人事用語集
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まとめ
【ワークエンゲージメントを高めるチャンスがある】
いかがでしたでしょうか。
これまでワークエンゲージメントを高める方法を紹介してきました。しかし、職場は自分一人が充実していても成り立たない問題があります。特に障害者雇用の場合は、周囲の理解が充実していないと良さを活かせないケースも出てくるでしょう。
そのような問題を解消し、障害を持つ方が充実感を得やすい環境で仕事をするチャンスに『カスタマイズ就業』があります。
これは従来の苦手なことを克服していく考え方ではなく、障害を持つ方の本来持っている長所を活かして社会貢献していく働き方です。
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