人に嫌われることを過剰に怖がる
「とても繊細」な特徴ゆえ、様々なことに対して警戒しやすい
HSPは、『Highly Sensitive Person』の頭文字をとった心理学用語です。医学用語ではないため、障害や疾患ではなく「性格・気質の特徴」を指す用語です。
特徴として「とても繊細である」「共感性が高い」などがあります。様々なことに気づき警戒する機会が多いため、精神的に生きづらさを感じやすいです。
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特性ゆえ、周囲の目を気にしすぎてしまう
HSP性質を持つ方は、繊細であるがゆえ他のことよりも多くの情報に気づくことができます。些細なことや雰囲気の変化にもいち早く気づく強みがある一方、警戒心が強く気にしすぎてしまう弱みがあります。
共感性が高い特徴もあり、他人の評価だけで具合が悪くなってしまうほどに影響が出る可能性もあります。
HSP性質を持つ方にとって、「他人の評価」がなぜ大きな影響を及ぼすのでしょうか。
【嫌われるのが怖い…】人の目を気にしすぎてしまう理由
他人との境界がない・薄いことで、他人の評価に支配されやすい
HSPを持つ方は共感性が高いことで、他人の気持ちに気づくことができます。しかしあまりにも共感性が高すぎて、他人が乗り移っているくらいに意識をしてしまっていることがあります。
細かいことをキャッチするセンサーの感度が強すぎて、他人と自分との「心の境界」がない場合があります。
そのため、自分に入り込んでいる「他人の評価」が、「自分の評価」になってしまっている可能性があります。
些細な仕草や雰囲気の変化に気付きやすい
意識しなくても周囲の細かいことにまで気づきやすい感度を持っていることが多いです。もともとの特性が、人の目を気にすることにつながっているケースがあります。
他人の感情次第で具合が悪くなるケースがある
HSPには、「感受性が強い」特徴を持つことがあります。
よく、他人が泣いているのを見て一緒に泣いてしまう「もらい泣き」があります。HSPを持つ方はこれに近い「もらい感情」になることが多いのです。
特に「怒り」「悲しみ」などの負の感情を吸収し、同じ精神状態になってしまうおそれがあります。これにより、体調を崩してしまうケースがあります。
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【HSP】人を『気にしすぎ』ないための改善法
他者評価と自己評価を混同させない
HSP性質の方がよくあるのは、「他者評価・他人軸で考えてしまうこと」です。そのため、「他人評価がすべて」「他人のためにならないことはすべてダメ」と考えてしまいがちです。
人のことを考えて動くことは素晴らしいことです。しかし他者に依存するほど意識するとマイナス効果になりやすいです。
大切なのは、自分自身も人間の一人であることです。あなた自身も自分の評価をしてもよいのです。ですから、自己評価と混同しない程度に他者評価との距離を保つ必要があります。
相手の反応に一喜一憂するまでの必要はない
行ったことが他人のためにならないとショックを受けていませんか?他人の感情があなたの中での「ルール」になっていませんか?
周囲の方も「人間」です。常に正しい判断をしているとは限りません。懸命に取り組みたいけれど、やる気が起きない…という心情であることもあります。
その不確かな基準に振り回されてしまっては、体調を崩すことはもちろんあなた自身の意思がなくなってしまいます。
ですから、相手の反応に一喜一憂する必要はありません。
定期的に相談する機会を設けて、周囲の意思を聞く
HSPは確かに周囲の感情や雰囲気を感じ取ることが得意です。しかし、全てを読み取れるわけではありません。さらにはその他者の心情すら不完全なものです。
コミュニケーションをとらず、心情を想像するだけでは限界があります。
ですから定期的に周囲の意思を聞く機会を設けましょう。相手の意思を「確認」することで、不安になる要因を減らしていく工夫が必要です。
自分の疲労パターンを把握して、適切な休養をとる
HSPは繊細な気質を持っています。そのため、自分自身でも気づかない細かい物事で疲れている可能性もあります。
体調管理を心がけ不調を予防するためには、自分がどういう流れで疲れやすいか「パターン」を知ることです。該当のパターンになりそうなときに事前に対処することで、不調予防につながります。
参考:敏感すぎて疲れるのはHSPかも?うつ病にもつながるHSPの特徴と対処法 | 医療法人東横会 心療内科 精神科 たわらクリニック
気にしすぎて疲れ果ててしまうなら、職場環境を見直してみよう
ここまで気にしすぎてしまうことに対する改善法についてお伝えしてきました。
しかし気にする要因が多すぎる場合は、防ぐことも難しくなります。気になる要因を減らし、気にしすぎを改善するには、環境を変えることが最善の方法です。
『カスタマイズ就業』という言葉を知っていますか?自分の障害や性格を強みとして活かして働く、新しい働き方です。
「気にし過ぎて疲れ果てた…」「どう頑張っても気になってしまう…」と悩んでいるのであれば、カスタマイズ就業のチャンスかもしれません。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
冒頭でご紹介したように、HSPは障害や疾患ではありません。しかし障害と同じくらいに生きづらくなる可能性もある性質です。
しかし、気にしすぎる特性はあなたを疲れさせるだけではありません。活かし方を変えれば異変にいち早く気づく「センサー」になることができます。
他者との距離感を保ちながら自分の性質と向き合って、活かしていきましょう。