【体験談】社交不安障害で人生辛い…改善の為にした5つのこと

社交不安障害は改善できる!

「性格の問題」「極度のあがり症」で片づけないで

社交不安障害という疾患は、まだまだ認知度も低く、明らか社交不安障害の症状がある本人ですら「性格的な問題だから仕方ない」「自分は極度のあがり症なんだ」などで片づけてしまっていることがあります。

社交不安障害で苦しんでいる人も正しい治療や認知の歪み、また自分に合った生き方を選択することで、症状を和らげたり、自分の可能性を広げることが可能です。

今回は筆者の体験に基づき、社交不安障害を少しでも改善するためにしたことを紹介します。

学生時代から苦手と感じる状況があった

人前で話すのが苦手

授業中先生に名指しされ、みんなの前で問題の答えや解き方を発表することに強い恐怖心がありました。

黒板を使って問題を解くときは手や足が震え、先生やクラスメイトが見ている前で話したり、発表をしなければならない場で極度に緊張しました。

先生や先輩とうまく話せない

担任の先生や部活の先輩が相手だと、うまく会話することができませんでした。別人のように口がきけなくなってしまい、うなずきや「はい」「いいえ」など最低限の言葉を発することしかできなかったです。目上の立場の人が相手だと距離感がわからず、「嫌われるのではないか」「変に思われるのではないか」という不安を強く感じました。

仲の良い友達以外の人がいると話せない

仲の良いごく一部の友達以外の人がいる場面で、発言したり、アクションを起こしたりすることが苦手でした。また異性が相手だと特に緊張し、会話したり、遊んだりすることができませんでした。

話しかけられて、うまく受け答えできないことを友達からからかわれたりすることで、さらに苦手意識は高まり、特に男女混合の場ではただいるだけとなる場合が多かったです。

就職することで苦手が仕事に影響した

上司の前で仕事がスムーズにできない

パソコンのタイピングや、書類の処理など、あらゆる仕事が上司の前だと緊張し、作業スピードが下がったり、ミスが多くなったりしました。

就職したばかりの頃は上司が見ている前で作業をしなければならない機会が多く、ミスを怒られることでさらに委縮してしまい、一人ならできることもできなくなってしまうことがありました。

上司とコミュニケーションがとれない

仕事上でのコミュニケーションをはじめ、ランチでの雑談や、飲み会の席などで上司とコミュニケーションをとることが苦手でした。周りには極度の人見知り、コミュ障と思われていたと思います。時間がたっても慣れて話せるようになるということはなく、上司や先輩と仲良くなることもできませんでした。一方で、同期とは話すことができました。

電話をとるのが怖い

みんなの前で電話をとることが、非常に怖かったです。「変な対応をしているのではないか」「自分の電話対応に耳を傾けられている」と思い、電話をとることをなるべく避けるようにしていました。

また電話をかけるのにも非常に勇気が必要で、言わなくてはならないことを一字一句メモに書き、それを読み上げるという形をとっていました。電話が終わった後も「おかしな対応をしていたのではないか」ということが気になり、しばらく仕事に集中することができませんでした。

学生生活や社会生活に支障をきたした

苦手なことを回避するように

緊張や恐怖を感じる場面を避けるようになっていきました。学校では授業中、問題の答えがわかっていても手をあげることはせず、先生から名指しされても「わかりません」と答えるようになりました。学校内や廊下に先輩やそこまで親しくないクラスメイトがいると、そこは避けて通るようになりました。

職場で行われるイベントなどには参加せず、ランチは一人外に食べに行くようになりました。仕事中にみんなで軽く雑談していてもそこには参加せず、別の場所で一人仕事をしていました。

自分の能力が正しく評価されない

学校では、先生の前で問題の答えが言えなかったり、先輩の前でパフォーマンスができないことで(運動部でした)、自分の能力が正しく評価されず、消極的だと思われたり、部活では自分だけ試合に出せてもらえないなどがありました。

職場では、報告・連絡・相談などを含めコミュニケーションが取れないことや、上司の前だと緊張でミスをしがちだったりすることが原因で、毎日叱責されました。見られていないところではできることも、見られているとできないということが多く悔しさを感じました。

クラスや職場で孤立してしまう

仲の良い一部の友人以外としか話せないため、みんなで協力しなくてはならない学校行事やグループワークなどでは孤立していました。学校の先生から「孤立している」と指摘されたことがありましたが、決してみんなと仲良くしたくないというわけではなかったので、そう誤解される可能性があることは辛く感じました。

職場でも上司や先輩と、仕事上での連携やその他のコミュニケーションが取れないことにより、孤立していました。また、緊張や恐怖から逃れるための回避行動が孤立につながっていたともいえます。

社会生活に溶け込む自信がなくなりニートに…

学生生活がうまくいかなかったことや、職場で叱責を繰り返された経験により、社会生活に溶け込む自信がなくなりニートに。

再就職しても同じことを繰り返すのではないかという恐怖心があり、なかなか就職活動に踏みだすことができませんでした。

改善のためにした5のこと

医療機関を受診して治療を始めた

「このままではいけない」と思い、医療機関を受診しました。

病院では先生に自分の症状をきちんと伝えられるか不安だったため
・これまでの経験でおこった症状
・今、辛いと感じること
・緊張や不安を感じる場面
・苦手な場面で起こる身体症状
・社会生活においてどんな支障をきたしているか
・その他の症状(うつや、被害妄想など)
などを、パソコンで打ち出しわかりやすく整理したものをプリントし先生に渡しました。

先生はしっかりと話しを聞いてくれ、薬物療法を中心に治療が開始されました。

障害者雇用で働くことにした

友人から、障害者雇用について聞き、自分の疾患を理解してもらえるところで働くことを決めました。障害者手帳を取得したいことを主治医に伝え診断書を書いてもらうことに。障害者雇用ではあらかじめ自分の苦手なことや症状のことなどをオープンにでき、考慮してもらいながら働くことができます。

苦手とする電話対応を避けたり、常に上司が近くにいるような環境を避けて働けるところを探しました。

ちょっと苦手なことに挑戦した

職場のイベントなど親しくない人と関わる場面は避けてきましたが、できるだけ参加することにしました。例えばBBQや飲み会などがありましたが、自分からは話せなくても、気にかけて声をかけてくれる人に対して笑顔で受け答えするなど、できそうなことに少しだけ挑戦しました。

いままで避けてきたけれど、処方された薬も飲んで挑んでみると思ったより「できたな」と感じることもありました。「できたな」という体験が、自信や喜びにつながった気がします。

カウンセリングを受けた

通院している病院でカウンセリングも受けることにしました。カウンセリングでは、具体的なアドバイスをもらうということはありませんが、今の症状や不安、近況などを聞いてもらうことで心が軽くなります。また医師との診察時間は短いことが多いですが、カウンセリングは30分、1時間とある程度の時間をかけて話を聞いてもらえます。

自分の気持ちを伝えるトレーニングにもなりますし、医師に直接言いづらいこともカウンセラーを通して伝えてもらうことが可能です。両親や友人には言えないことも、カウンセラーの先生に話せるのは大きいです。

自分のやりたいことを探し、強みを活かせる仕事を探した

障害者雇用でもいくつかの職種を経験し、より自分に合った仕事探しに努めました。症状を考慮してもらい働けるのはとってもありがたいことですが、職種によっては、仕事内容がかなり制限されてしまいます。コミュニケーションや電話が苦手なために、仕事内容は一人でもできる書類整理や簡単なデータ入力など単純作業メインになりがちです。

「PCを使ったWeb系の仕事であれば在宅でもできるかもしれない」と思い、苦手なことを避ける働き方だけでなく、やってみたいことを勉強し、それを活かせるような仕事に就きたいと考えるようになりました。

Webライティングや在宅ワークに憧れがあったので、基本的なPCスキルを就労移行支援で学び、在宅ワークでWebライティングの仕事ができる企業を探しました。コツコツと作業することは得意なのでそういった強みを活かせる仕事をしよう!と考えをシフトチェンジしました。

苦手はあるが、生きやすい人生に!

症状は昔よりだいぶマシに

医療機関を受診し、薬を飲みつつ少しずつ苦手にも挑戦することで、意外と「できる」と思える経験が増え、学生時代や、就職して間もないころより症状はだいぶマシになりました。

もちろん、微妙な関係の人がいる場での発言や、上司や先輩との積極的なコミュニケーションは苦手ですが、声をかけられれば受け答えをしたり、飲み会やイベントなども楽しいと思えるようになりました。苦手な場面での緊張や恐怖のレベルも前より低くなり、だいぶ生きやすくなりました。

異性に対しても必要以上に緊張はせず、普通の会話なら問題なくできるようになりました。

治療を継続しつつ、人生のレベルアップへ

苦手なことに挑戦するのも良いけれど、これからは自分のやりたいことやできることを伸ばしていくようにして人生のレベルアップを図りたいと考えています。

治療は継続する。苦手なことにも少しずつ挑戦する。ただ、できそうなことを伸ばすということでより人生は豊かになると思います。私の場合、人前での緊張や、目上の人とのコミュニケーションが苦手だったりしますが、特にコミュニケーションは仕事をするうえで避けられません。

在宅ワークを選択することで働きやすくなりますが、それでも誰とも話さず仕事をすることは孤独を感じますし、やはり一人きりで仕事をすることはできません。能力アップの為にも苦手なコミュニケーションをとりながら、やりたいとおもっていたWebの仕事をすることで、人生をより豊かにしたいと思っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

私と同じ「社交不安障害」の症状で苦しんでいたり、改善するためになにをしていいかわからない人の参考になれば幸いです。

また、自分の苦手にフォーカスするだけでなく、「やりたいこと」「自分の強み」を大事にし、仕事や生き方に活かしてもらえたらと思います。

【筆者紹介】
Salad編集部員。精神障害者。人前での過度な緊張や不安や鬱などの症状あり。以前障害者雇用で接客(セラピスト)の仕事をしていた経験を持つ。