HSPは、体調不良になりやすい
HSPは障害や疾患ではないが、生きづらさを感じやすい
HSPは、『Highly Sensitive Person』の略称で、「とても繊細な人」という気質を言います。「生きづらい人」としても話題になっていますが、心理学的用語であり障害や疾患ではありません。
ストレスや感情エネルギーを受け取りすぎて、「うつ」などの不調につながりやすい
HSP気質の方は、様々なストレスを感じ取っては体調を崩してしまうリスクを持っている場合があります。
共感性が高く、誰よりも人のことに気を配ることができる反面、「他人の責任」の部分にまで気を遣ってしまいやすいためです。
そのため他者よりも多く悩みや不安を抱えてしまうケースがあります。中には気づかないうちに他人の不安まで吸い込んでしまう場合もあるほどです。
これらの事情から、精神的不安を呼びうつ病を発症するケースもあります。
それでは、HSPの気質がなぜうつになりやすいのか。詳しく見ていきましょう。
参考:HPS(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソン | 仙台の心療内科・精神科・美容内科マドレクリニック
【HSP】うつになりやすい理由
共感性が高すぎて、周囲のストレスまで受け取ってしまう
HSPの一番の特徴は、「共感性の高さ」です。相手のことを自分のことのように考えることが得意です。
しかしながら、同時に問題として挙がるのが「他者との境界がない」ことです。自分で考えなくてもよいことまで考えてしまうケースがあります。
気づいたら他人の悩みで苦しんでいた、というケースもあり得ます。
他人の苦しみやストレスを感じられてしまうため、周囲の人の数だけストレスを抱えてしまう危険すらあります。
関連記事:【体験談】HSPで生きづらい特徴、仕事や私生活で向いてる特徴は?
相談や頼まれごとを受けすぎてしまう
HSPを持つ方はその共感性の高さから、相談や頼まれごとをされやすいことが多いです。また相手の気持ちを優先し(すぎ)て考えるため、自分が辛くても引き受けてしまうことがあります。
これは相手の辛い状況を見ていると自分にもストレスが移ってしまうため、という理由もあります。
しかしながら、自分の許容量を越えて抱え込んでしまうことで精神的負担がかかりやすいです。
過敏な感覚にストレスを感じやすい
HSPは「とても繊細な人」という呼称の通り、様々な物事に敏感なことが多いです。精神障害や発達障害も感覚過敏がありますが、HSPは「雰囲気」や「周囲の感情」などの目には見えない感覚にもストレスをためてしまう場合があります。
人混みに入るだけで具合が悪くなるということも少なくありません。
関連記事:【感覚過敏・体験談】過敏な感覚の生きづらさ、対処法と活用法を紹介
関連記事:辛い感覚過敏にもメリットがある!悩みを強みに変える活かし方とは?
参考:敏感すぎて疲れるのはHSPかも?うつ病にもつながるHSPの特徴と対処法 | 医療法人東横会 心療内科 精神科 たわらクリニック
他者の悩みには気づけても、自分の悩みには気づいてもらえない
HSPを持つ方の悩みの一つに、「他者との感じ方にギャップがある」ことがあります。自分は言われなくても周囲のストレスや悩みを「察する」ことができます。
しかし、HSP気質ではない方は、そこまで周囲の空気を察することはありません。そのため、「自分は相手の悩みに気づくのに、相手は自分の悩みに気づいてもらえない」というギャップに苦しみやすいです。
「悩みを言わないとわかってもらえない」ストレスがたまり、うつ病を招くおそれがあります。
これらの不調の原因を事前に防ぐ「予防法」はあるのでしょうか。
【HSP】うつなどの体調不良に対する予防法
一人の時間を設ける
HSPを持つ方にとって、一人の時間は「充電時間」です。他者がいると意識しなくても「センサー」が働いてしまいます。ですから対処として、そのセンサーを休めてあげることが必要です。
ストレスを解消するために、一日のうちでSNSなどの通信も含めて「誰ともかかわらない、一人の時間」を設けましょう。
自分の許容量を知り、他者との境界線を意識する
体調を保つためには意識して、「自分はここまでしか関わらない」という工夫が必要です。
相手の依頼を断ることが苦手な方など、自分の意思で線引きをすることが難しいことがあるかもしれません。その場合はあらかじめ相手に「~までしかできません」と伝えておくことも方法の一つです。
自分がどれくらい抱えられるのかの許容量を把握して、他者との境界を定めましょう。罪悪感があるかもしれませんが、それくらい行っても悪いことではありません。安心してください。
ストレスを感じる環境を避ける
人混みのある道を避ける、人が多く集まる場所には行かないなど、「行かなくてもよい場所」に関しては、極力避けるようにしましょう。特に疲れを感じているときは注意が必要です。
充分に休養をとる
職場など、どうしても避けられない場所がストレスを感じやすい場所であった場合、充分な休養を取るようにしましょう。上記の「一人時間」を設けて、心身を休めてあげることが大切です。
また長時間いることが辛い場合は、一時的にその場を離れるだけでも効果的です。
参考:敏感すぎて疲れるのはHSPかも?うつ病にもつながるHSPの特徴と対処法について、医師が解説します。 | CLINIC FOR
どうしても耐えられない場合は、職場環境を変える方法もある
今いる職場がどうしてもストレスをためてしまう、他者との境界が引けないなどの環境に悩んでいませんか?
そのような場合、職場環境を変えることも改善策の一つです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
HSPは自然と気を遣ってしまう気質であり、「もう気を遣いたくない」と嘆きたい方もいるかもしれません。しかし、誰よりも相手の心情や周囲の変化に気づきやすいことは、大切な能力です。
疲れやすく辛いかもしれませんが、そんな自分も受け入れてあげましょう。