就労定着支援とはどんな制度?
「就労定着支援」とは
「就労定着支援」とは、障害者総合支援法により平成30年度に誕生した障害福祉サービスの一つです。障害を持つ方が就職後、仕事上での問題や困りごとなどに対し、
〇本人
〇家族
〇企業側の方
〇必要に応じて医療機関や自治体
などと連携して、問題解決に向けた支援・助言を行います。
種類として、就労定着支援事業所(就労移行支援事業所)で行う支援と、支援スタッフの方が職場や家庭に訪問する支援があります。
どんなサービスを受けられるの?
厚生労働省で発表しているサービスは以下の2つです。
〇定着支援の事業所スタッフが企業の方、医療機関その他の者との連絡調整を行う。
〇就職後日常生活又は社会生活の中で起きた問題に関する相談、指導及び助言その他の必要な支援を行う。
としています。
就職後、
〇生活リズムが崩れてしまった。
〇浪費が激しくなった。
〇職場の方とどうコミュニケーションを取ったらよいかわからない。
などの問題について、支援スタッフの方が職場や家庭、医療機関などと連絡調整をします。
それに基づいて、あなたが今後どうすれば問題を解決していけるか、解決のヒントをアドバイスしてくれます。
なかなか困りごとがあっても、当事者同士で話し合うことは難しいです。そのため、双方の間に定着支援のスタッフが入り、話し合いや問題解決をスムーズにする目的です。
就労定着支援はどんな人が受けられるの?
就労移行支援事業所などを利用して就職した方が受けられる
就労定着支援を受けるには、就労移行支援事業所や就労継続支援事業所などを利用して就職した方が受けられます。もちろん、現在も就労を続けていることが条件です。
ただし、現時点では「就職直後に離職してしまい、直後に別の企業などに就職した方」にあっては対象外です。この場合に利用を希望したいときは、いちど定着支援を受けたい事業所に相談してみましょう。
正社員、非正規社員問わず、どんな雇用形態の方でも受けられる
定着支援は、一般就労をしている障害を持つ方を対象としています。ただし正社員のみでなく、パート・アルバイトや契約社員などの非正規雇用の社員でも定着支援を受けることができます。
利用期間は原則3年間
就労定着支援の利用期間は原則『3年間』です。しかし、かならず3年間利用しなければならないわけではありません。事業所の方と相談して、安定して働くことができていれば支援を終了することもできます。
利用料金の自己負担額は、前年の収入額により変わる
定着支援の利用料金の自己負担額は、前年の収入額によって変わることがあります。
就職後1年以上経つ方で事前に自己負担額を知りたい場合は、源泉徴収票など収入額が分かるものを用意しておきましょう。収入額を確認したうえで、市区町村の障害者担当窓口や定着支援の事業所に相談してみましょう。
利用したいときは、通所していた事業所に相談するのがおすすめ
就労定着支援を利用したいときは、あなたが就職の際に利用していた就労移行支援事業所などに相談することがおすすめです。
ただし、必ずしも利用していた事業所でないと定着支援を受けられないということではありません。しかし初めて利用する事業所ですと、就労移行支援を受けた時のように、あなたを知るところからスタートします。
最初から「話しやすい」「あなたのことを知っている」という意味で、以前利用していた事業所の方が安心して相談しやすいです。
就労移行支援の卒業前に、スタッフに相談してみよう。
定着支援は創設されたばかりの制度です。手続き方法や対象者についてなど、今後も変わる可能性があります。定着支援を利用したい場合は、必ず事業所の方に相談しましょう。
もし、今利用している事業所に定着支援も継続してお願いしたい場合は、卒業前にスタッフの方と相談しておくとスムーズに進みます。
これから就職活動をしたい方は、就労移行支援事業所を利用してみよう!
「仕事に就きたいけど、就職後どうなるか不安・・」「職場で他の人とうまくやれるのかな・・」という方はいませんか?就労移行支援事業所を利用して就職できれば、このような定着支援を受けることができます。
就職後、突然あなたひとりにはなりません。就職活動に不安を感じていたら、ぜひ就労移行支援事業所の利用を検討してみてください。もし選び方や自分の適性などに迷ったら、この後の案内「障害を持つ方へ。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします」も併せてチェックしてみてくださいね。
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障害を持つ方へ。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。これまでは、「いかに障害を持つ方が就職できるか」という取り組みが多かったです。しかし、障害を持つ方の社会進出が進み「より長く仕事を続けられるか」という問題に変わりつつあります。
就労定着支援は、そのための取り組みの一つです。あなたが安心して職場に定着していけるための制度です。もし就活に迷っていたら、就労移行支援事業所の利用を検討してみてください。