テレワークは、はたらく個人でもメンタルヘルス対策を行う必要がある。
テレワークでも、長時間労働が懸念されている
テレワークは場所や時間にとらわれない、柔軟な働き方です。それゆえ本人の意思で、休日労働や長時間労働などの危険があります。
オフィスワーク同様、過重労働は心身の健康を損ねることになるのです。厚生労働省はこのような事態を防ぐため、企業にメンタルヘルスの対策を促しています。
具体的な対策として、
「業務時間外は端末などにログインできないようにする」
「業務時間外の報告を抑制する」
などにあわせ、テレワーク利用者にもストレスチェックの実施が進められています。
参照:厚生労働省におけるテレワーク推進の取組 平成30年
参照:厚生労働省 テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン
自分のペースで行うからこそ、利用者にも健康管理の責任がある。
テレワークは、あなたのペースで業務を行うことができます。
しかし、自由であるからこそ、あなたにかかる健康管理の責任も大きくなります。あなたがテレワークを長く続けていくためには、自身でメンタルヘルス対策を工夫することが必須です。
今回は
○テレワークであなたの健康を損ねるリスク
○テレワークであなたの心の健康を保つ、メンタルヘルス対策
をご紹介します。
まず、注意が必要な、テレワークで健康を損ねやすいリスクについてご紹介します。
テレワークであなたの健康を損ねるリスク
企業にあなたの状況を見てもらえない
【体が辛いとき、見つけてもらえない…】
テレワークは、お互いの姿が見えません。
そのためオフィスワークのように、業務時間内に誰かが見ているということがないのです。具合が悪いときや精神的に辛いときは、あなたから発信する必要があります。そのため、意識していないとつい我慢してしまうケースが多くなるのです。
時間や場所にとらわれないため、仕事のスイッチを「オフ」にしにくい。
【寝る前でも、休日でもいつもどこかで仕事が気になる…】
テレワークは、仕事のオンオフの切り替えが難しいです。特に「オフ」のタイミングが少ないことで健康を損ねる危険性があります。
分かりやすくするために、テレワークとオフィスワーク「オフのタイミング」を挙げて比較してみましょう。
【比較】オフィスワークとテレワークの「オンオフ」
○オフィスワークの「オフできる」タイミング
・オフィスから出る
・タイムカードを切る
・業務時間外はオフィスに入れない
・周囲から「お疲れさまでした」という声が聞こえてくる。
・帰りの交通手段が気になる。
・自宅に入った瞬間。
○テレワークの「オフできる」タイミング
・あなたの意志。
・業務の目処が立ったとき。
・(勤務管理システムを導入しているときのみ)業務時間終了で、ログインできなくなったとき。
2つの働き方の、「オフできるタイミング」を比較してみました。
このようにテレワークは、オフにするタイミングが少ないです。勤務管理システムがある場合を除き、テレワークはあなたの意志でオンオフを切り換えないといけません。
したがって業務の目処が立たず、仕事を引きずり過重労働になってしまいます。
相手の意図が読みづらく、不安になりやすい。
【相手は何を考えているのだろう…?】
テレワークは相手の姿が見えません。相手の表情が見えないと、ネガティブになりやすいです。
また、テレワークはひとりでいる時間がとても長くなります。対話が少なくなるぶん、ひとりで考える時間が増えるのです。そのため、ネガティブな想像をしてしまい不安になる可能性もあります。
職場定着に向け、あなたが行うメンタルヘルス対策
始業・終業報告などを行い、ペースを明確にする
【自分の過ごしやすい環境を、自分で作る】
企業の方には、必ず仕事の「始まり」と「終わり」を報告しましょう。定刻通りに報告することで、あなたの健康状態を共有できます。あなたが体調を崩して報告できないことがあったとしましょう。毎日報告していれば、企業の方が「あれ?いつもは連絡が来るのにおかしいな。」と気付きやすくなります。
業務のペースを作っていき、相手が健康状態を把握しやすくするだけでなく、あなた自身にとっても明確なペースがつかめていくことができると、自分が過ごしやすくパフォーマンスを上げやすい環境が形作られていきます。
あなた自身が、あなたの過ごす環境をコントロールできるようになることが、最善なメンタルヘルス対策です。
「成果にかかわる必須項目」をもとにスケジュール管理をする。
【定量的に、成果目標を定めていく】
際限なく仕事をしてしまう原因のひとつは、「定量的な目標がわからない」ことです。
どれだけの質のものを、どれくらい行えばよいか。これが分からないと不安になります。不安を解消するために過重労働をして、心身の健康を損ねてしまいます。
上司に成果の質や定量など、「成果にかかわる必須項目」を確認しましょう。必須項目をもとにしたスケジュールがあれば、当日の定量が分かります。日々の定量が明確であれば目処も立ちやすく、安心できます。
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上司と相談して、報連相の形式を決める
【仕事を進める上で、過不足ない頻度をつかんでいく】
テレワークは、コミュニケーションの機会が少ないです。あなたの意志がなければ、0になるリスクもあります。かといって、やみくもに発信してもお互いが疲れてしまいます。お互いにとって程良いコミュニケーションを取れることが、ストレスをためない方法です。
上司と相談して、双方の仕事が円滑にできるように、報告連絡相談の頻度やルールを調整していきましょう。はじめに決めすぎずに、仕事を進めていく中で調整していくと、適切な頻度がみえていきます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。オフィスワークでは、他者との関わりや環境への適応に苦しんだ方も多いのではないでしょうか。
テレワークでは、これらのストレスを回避することができます。しかし、お互いが見えないこと、一人で行うテレワークならではのストレスがあります。
自己管理などあなたが長くテレワークができるよう、工夫をしていきましょう。