気分障害って何?
気分障害とは感情(気分)の病気で、文字通り気分が極端な上昇や落ち込みが現われるものです。
ある程度の期間に渡って持続して気分がおおきく変調し、苦痛を感じたりして日常生活に著しい支障をきたす状態のことです。
気分がひどく落ち込み、何事にも意欲がなくなる状態をうつ(抑うつ)状態といい、極端に気分が高まり、活動的になりすぎる事を躁(そう)状態と呼びます。
感情の極端な上昇や落ち込みがある期間を病相(びょうそう)といい、うつ状態の期間をうつ病相(びょうそう)、躁状態の期間を躁病相(そうびょうそう)と呼んでいます。
です。
うつ病
うつ病は、気分障害と聞くとどうしても気持ちが落ち込む病気と思ってしまいますが、実際は体全体の調子が悪くなるものです。
放置すれば命に関わる事もありますが、しっかりと治療すれば殆どのケースで症状は良くなります。悲しい事があったり、大きな失敗をした時等は、誰でも食欲がなくなったり眠れなくなったりしますが、うつ病はこれが酷くなって、そのまま治らなくなった状態です。
双極性障害
うつ状態と躁状態、または軽躁状態が現れる病気です。状態により、呼び方が異なる場合もあります。
・躁状態がある場合 → 双極Ⅰ型障害
・軽躁状態の身の場合 → 双極Ⅱ型障害
このように分類されています。現時点では躁状態の身しか現れていない場合でも、いずれうつ状態が出てくる可能性が高いため双極性障害と診断されます(双極性障害に関してはこちらの記事もご覧ください)。
ストレスに影響を受けやすい
ストレスから影響を受けやすい主な原因は、男性は職場に関する事(昇進や転勤等)で、女性は家族や家庭に関する事(引っ越しや子供との別離等)が多いようです。
張り切って生活したり、喪失の体験をしたりといった、急な生活の変化によるストレスが発病につながる傾向があります。
気分障害を持つ方に向く仕事とは
それでは、気分障害の方に向く仕事とはどのようなものがあるのでしょうか。こちらでは、具体的な職種というよりも働き方に着目して説明していきます。
【やりたいことと、できること、両方が満たされる仕事】
うつの回復期は、とにかく行っていて楽しいことに集中できた方が良いです。得意なことであっても、行っていて楽しいと思えなければ、思わぬ形でストレスを溜め続けていることに繋がりかねません。
ただし、やりたいことであっても出来ることでないのであれば、会社と中長期的にいい関係を築くことができません。やりたいことでもあり、できることである、この二つが満たされることが大切です。
【働く時間が決まっている仕事】
シフト制の仕事でもいいかもしれませんが、できる限り固定した時間で働くこととしたほうがいいようです。自分の中でペースが生まれ、生活リズムが安定するためです。
もう少し詳しく説明すると。勤務時間の固定による精神的な安定は、決まった生活リズムから生まれ、身体への負担が少ないことが大きな理由です。
【業務内容が明確な仕事】
うつ症状で思考が鈍り、判断までに時間がかかる事があるので迷いの少ない業務の方が、うつの時は向いています。マニュアルがあるかを面接の際に質問してみましょう。
【休んだ日に他の人が引き継げる仕事】
「仕事に穴をあけたくない」等の思いを抱く方も多く、職場に必要とされる事が支えである方もいるでしょう。
ただし、疾患があれば通院の為にどうしても休む日がでてきます。体調が整わず、急に休まざるを得ないタイミングはでてきますので、そのような事態に対応しやすい仕事がよいでしょう。
納期がそれほどキツくない仕事
納期がキツくなかったり、取り組みやすい職種を3つあげます。
【ライティング業務】
取り組みやすい仕事で、やる事がわかりやすいので休んだ時も対応しやすい所も利点です。
また成果物がみえやすく、納期がきつくなければ余裕を持って在宅でも仕事に取り組むことができます。
【軽作業、清掃業務、ピッキングなど】
マニュアルが決まっている業務内容であることが多い点が大きな理由です。業務内容も清掃の範囲・使用道具等、内容がわかりやすいため取り組みやすい職種といえます。
ただ、ルーチンになりやすく変化を求めるタイプの方にとっては、長く続けると思わぬ負荷として現れることがありますので、休憩時は散歩をするなどリフレッシュを欠かさないようにしましょう。
【事務】
勤務時間の変動が少なくて、休みも決まった日にとりやすく、生活リズムが乱れにくい点が良い理由の職種です。事務といえど、仕事の難易度は企業ごとにかなり異なりますので、詳しい業務内容は面接時に必ず確認するようにしましょう。
以上、挙げた業種は比較的簡単なお仕事が多いですが、文章のライティングなど、企業によっては納期は重視せず、文章の内容を大切に考えている企業もあります。企業の方針によって、様々傾向が異なります。
とはいえ、納期が無い仕事などない
納期が無い仕事はありませんので、気分障害を持つ方が向く仕事の勤務時間が決まっていたり、マニュアルがあったり、休んでしまっても対応しやすい職種を選んで頂く他ありません。
結論!自分にとって楽しめる仕事(ストレスを溜めない)かどうかが大事
ストレスが気分障害の発病・再発の原因ですので、仕事を楽しんでストレスを溜めない事が発病・再発を防ぐ為にも何より大事です。
寛解を目指す
うつ病から社会復帰をした当初は早く服薬・通院を止めたくなりますし、色々な意味で再スタートだという気持ちも強いですので、早く仕事に慣れて戦力になりたいと思って、ついつい仕事の方に目が向きがちですが、うつ病は大変再発が多い病気です。
再発の無い就労を続けていく事は、うつ病という病気を持病として受け止められる事が大切なのだと思います。
うつ病は完治するのが難しい病気ですので、無理してストレスを溜めてしまう危険がある完治ではなく、寛解(病状が治まって穏やかとなる)を目指す事が良いとされています。
完治ではなく、受容を行なっていく
自分の現実を受け入れる、という当たり前の事ですがこれが必要だと思います。
人は多くの場合は必要にせまられて嫌だけど受け入れざるを得ないので、状況から強制されて「受け入れて」いますが、それでもいいのです。自分が精神疾患の患者という現実を受け入れて、そこから出発して治療・療養生活を送るという事が重要だと考えます。
「精神疾患の患者である自分」を許しましょう。自尊心を低くする様な思考パターンを繰り返す事は止めましょう。
それを繰り返しても建設的な物は出てきません。それに気付く事が重要です。「自分」を楽にしてあげるのです。本当に苦しんだ「自分」を労わってあげてください。そして良い意味での「開き直り」をしましょう。
完璧など存在しない。大切にしてくれる仲間を大切に
人は誰しも何にでも完璧にできません。
人以外にも、動物や植物等の全ての生き物が役割を完璧にできません。我々人が作った物も同じです。逆に、何も役割を果たせない人や物もありません。何かに使っていたゴミだって、その前は何かに使われて役に立っていた訳ですし、リサイクルもできます。
なので、自分が何も役に立たない無能と思わずに10%でも良いですし、極論を言いますと0.1%でも0.01%でも出来れば貴重な戦力になるので「仲間」とお互いの足りない部分を補い合って協力してより良い物にしていくという事が大事なのです。
何かを一緒にしてくれる「仲間」を大切にして「仲間」と助け合いあって、何かをしたりして生きていく事が自分への負担も軽くなりますし、苦しみが少なくなる事の1つだと思います。人は皆、自分1人ではないのですから。
仕事探しは、結論を急ぎすぎないこと
何よりも先述の気分障害を持つ方に向く仕事を参考に、焦らずに自分の経験や長所・短所を考慮して時間をかけてじっくり選ぶと良いと思います。
失敗はだれでも当たり前。気になったらとりあえずやってみる
人は完璧ではないのですからもちろん失敗します。なので、失敗したから自分はダメなんだと気負わずに挑戦するといいと思います。
「仲間」に頼って協力して挑戦するのも良いです。
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まとめ
気分障害の原因はストレスですので、発病前後どちらも苦痛を感じてストレスを溜め込む日常を送らない事が大事。
もし発病してしまっても「自分」を責めずに労わる事、仕事も向いた仕事にする等をしてストレスを溜め込まない様にして、完治ではなく受容をして寛容を目指す事がいいです。それには大切な「仲間」がいると、心強くなります。