DVとは?何がDVになるの?
DVの定義
DV(ドメスティックバイオレンス)とは一般的に、配偶者や恋人など、親密な関係にある人・またはあった人からふるわれる暴力の事を指します。
DVの種類
殴る・蹴るなどの身体的な暴力以外にも、暴言や脅迫・交友関係を制限するなどの心理的な暴力、生活費を渡さなかったり働くことを制限するなどの経済的な暴力、本人の意思に反して性的な行為を強要することなども暴力(DV)です。
DVの特徴
被害者は「逃げたらもっとひどい目にあわされるかもしれない」と思ったり、逃げた後に自分一人では生活が経済的に成り立たないという不安があったりして、加害者から離れることが難しい場合があります。
子供がいる場合は子どもの安全や今後の生活環境が確保できるか悩み、逃げる決断ができない場合もあります。
また、加害者が他の人とは問題なく接していて外面が良いために、被害を他の家族や親族など周囲の人に信じてもらえず助けを求められない場合もあります。
参考:パートナーや恋人からの暴力に悩んでいませんか。 一人で悩まずお近くの相談窓口に相談を。 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
DV被害者・加害者になるのはどんな人?
男性もDV被害者になりうる
DVの被害者になるのは女性だけではありません。
内閣府の調査によると、DV被害に遭った男性の中には誰にも相談しない(できない)人も多いため、被害の実態がわかりにくくなっているようですが、近年男性被害者からの相談も増えています。
参考:男女間における暴力に関する調査 | 内閣府男女共同参画局
参考:男性の5人に1人がDVを経験。内閣府の調査でわかった6つのこと|BuzzFeed News
障害者とDV
障害のある人がDVの被害を受けたとき、障害の特性により適切に周囲に助けを求められない場合があります。
加害者に「お前の方が間違っている、お前が悪い」と言われた時に、障害や病気が理由で自分に自信が持てなかったり、周囲の人に信じてもらえなかったりして自分の方に非があると思いこまされてしまう場合もあります。
相手と過ごすのが怖くてつらいなど、被害を受けていると思うときは相談機関に相談してみるのもよいでしょう。
DV相談以外にも、自治体の家族相談や障害者向け相談も利用できます。
依存症とDV
アルコール・ギャンブル依存症などの依存症患者に家族がDVを受けるケースもあります。
身体的暴力、暴言などの精神的暴力、ギャンブルやお酒を買うために生活費を使いこまれるなどの被害に遭いやすくなります。
また、発達障害の人は依存症を併発しやすいと言われており、発達障害のある人がDVや依存症に由来する暴力をふるう場合もあります。
このような場合、依存症患者の家族向けの相談窓口にも相談することができます。
関連記事:発達障害と依存症は併発しやすい?原因と対策もまとめて紹介!
参考:飲酒と暴力 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
参考:依存症についてもっと知りたい方へ |厚生労働省
参考:依存症と重複しやすい発達障害 – 依存症対策全国センター
DVをうけたときどうすればよいの?
緊急性の高い場合は警察へ
配偶者・交際相手や同居人などからの身体に対する暴力や生命・身体に対する脅迫(「殺してやる」「腕を折ってやる」など)は、裁判所が被害者へのつきまといの禁止や被害者とともに生活の本拠にしている住居からの退去を命じるなどができる保護命令の対象になります。
DVは身体的な暴力以外にも精神的なもの・性的なもの・経済的なものなどがあり、子どもが巻き込まれた場合は児童虐待にもつながります。
DV・児童虐待の相談機関や最寄りの警察署、警察相談専用電話(#9110)などで相談できます。
緊急性の高いときは110番に通報しましょう。
関連記事:今すぐ必要!どうすればいい?緊急時の相談窓口まとめ
参考:配偶者からの暴力 警視庁
参考:DVへの対応 – 愛知県警察
周囲の人に理解されにくい場合は専門家へ相談しよう
加害者は周囲の人へはいい人のようにふるまって外面が良かったり、生活費を使いこむなどの家庭内の事情は外に伝わりにくかったりするために、周囲の人にDVを受けていることを信じてもらえず、相談に乗ってもらいにくい場合もあります。
一人で悩みを抱えてつらい場合は、身近な人よりもDVに理解の深い専門家へ相談してみましょう。
理解に基づいた現実的な相談やアドバイスを受けられるでしょう。
参考:“密室”の恐怖 虐待やDVの被害者を救って|NHK NEWS WEB
参考:モラハラ=心への暴力、見えない支配 無視や嫌み…話し合えない夫=訂正・おわびあり:朝日新聞デジタル
DVに関する相談はどこでできるの?
DV相談を受け付ける窓口
DVに関する相談を受け付ける専門の窓口があります。
内閣府のDV相談や、都道府県・市区町村の相談窓口、警察や婦人センターなどでも相談を受け付けています。
相談の目的や緊急性などにより相談先を選んで相談しましょう。
DV被害者への支援
加害者が被害者へ接触するのを制限する方法
配偶者または交際相手から暴力や脅迫を受けた被害者を加害者から守るために、裁判所が被害者からの申し立てにより配偶者または交際相手に被害者への接触を制限する命令をする制度があります。
これを保護命令と呼びます。
被害者や被害者の子ども、親族などの住居や勤務先の近くを徘徊したり、つきまとったりすることを禁じる接近禁止命令、電話や電子メールなどの連絡を禁じる電話等禁止命令、被害者と加害者が生活している本拠からの退去を禁じる退去命令などがあります。
配偶者である相手方が保護命令に違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。
シェルター・母子生活支援施設(母子寮)
DV被害者が一時的に避難するための施設があり、シェルターと呼ばれます。
生活の拠点としての機能だけでなく、DV相談への対応、被害者の自立へ向けた支援なども行う場所もあります。
被害者の安全のため、シェルターの所在地は非公開とされています。
また、18歳未満の子どもがいる場合は母子生活支援施設(母子寮)へ入居できる場合もあります。
母子生活支援施設では18歳未満の子供がいる母子家庭、離婚の届け出のできない事情があるなど母子家庭に準ずる家庭の女性が子供と一緒に生活できます。
DV被害者の緊急一時保護も行っているところもあります。
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まとめ
支援を利用して安全と安心を取り戻そう
感染症の流行でDVや虐待のリスクが高まっているという報告もあります。
子どもの面前で配偶者へのDVを行うことは子どもへの虐待でもあります。
危険を感じたり疑問に思ったりしたら、迷わず専門家に相談しましょう。
参考:DV被害、コロナ禍で潜在化か 専門家「より地獄のような状況に」:朝日新聞デジタル
参考:コロナ禍でDV被害の増加が懸念されています!迷わず相談を/愛川町ホームページ