まずは悩みの原因を明らかにしよう
仕事に行きたくないと感じた時の対処法
仕事上の悩みがあり、出勤したくない、職場に行きたくないと感じる方は多いでしょう。
問題を解決して働き続けるためには、その悩みが自分の考え方や工夫で乗り越ることができる問題なのか、根本的に職場環境そのものを変えた方がよい問題なのかを見極めることが重要なポイントです。
このブログ記事ではその判断のヒントを提供します。
現状を客観的に評価するためのステップを見ていきましょう。
参考:“意欲わかない”“体調悪い”「五月病」の相談増 対策は |NHK 北海道のニュース
参考:新入社員に生じたメンタルヘルス不調の2事例:事例紹介|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(厚生労働省)
自力で解決できる問題の見極め方
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自己分析を通じて問題解決の方向性を見出す
仕事上の悩みや問題に直面した時にまず最初にできることは、自力でその問題を解決できるかどうか考えてみることです。
自力で解決できる問題かどうかを見極めるためには、自分の能力や影響力を客観的に評価する必要があります。
例えば、勤務時間や働き方に関する問題であれば、自分のできる範囲で業務の効率化のためのさまざまな工夫を行うことで改善できるかもしれません。
このような場合、自分で解決できる問題として捉えることができます。
しかし、職場の人間関係や組織の就業規則などに関する問題であれば、自分一人の行動では解決が難しくなります。
このような場合は、職場で他の人に協力してもらうか、または職場そのものを変える必要が出てきます。
自分の問題解決能力を見極める際には、過去の経験や実績も参考になります。
以前同様の問題に直面した経験があり、それを解決できた経験があれば、同様の問題にも取り組んで解決できる見込みが大きくなります。
一方で、経験がない場合や、過去に似たような問題が解決できなかったことがある場合は、他の手段を模索したほうが良いと判断するヒントになります。
自分で解決できる問題かどうかを見極める際には、自分のスキルや経験だけでなく、問題の性質や範囲も考慮することが重要です。
環境を変えるために仕事をやめた場合、多くの場合は同じ職場で同等以上の条件で再就職して働き続けることは難しくなりますし、退職や再就職には時間もコストもかかります。
そのため、環境を変えるよりもまず先に自分の力で解決できる問題に積極的に取り組むことから始めるのが効率的です。
参考:問題解決に強い人はこう取り組む | 日経クロステック(xTECH)
参考:仕事で役立つ「問題解決能力」の極意とスキルの高め方 | リクナビNEXTジャーナル
問題の原因が環境かどうかを見極めるヒント
職場=環境の影響を正しく評価する
まずは、仕事上の悩みを解決するために職場(環境)を変えるべきかどうかを見極めることが重要です。
以下に環境が変えるべきポイントなのかどうかを判断するための具体的な方法と視点を紹介します。
働きにくい職場の特徴
まずは業務量や労働条件をチェックしてみましょう。
無給の前業・残業を強要されている、休息が十分に取れない(休日や休憩について「とったこと」にされて実質取らせてもらえない)、事前に示された雇用契約・就業規則と労働の実態が一致しない、それらを強要して当たり前の社内の空気がある、といった場合は労働条件が問題の原因に深くかかわっている可能性があります。
このような場合、問題を告発したとしても改善の見込みがあるとは限らず、社内での評価や人間関係を悪化させずに働き続けるのが難しくなりがちです。
業務量や労働条件のせいでストレスや負担を感じているのが仕事に行きたくない原因で、労働条件の改善が見込めない場合、環境を変えることを検討するのも一つの手段です。
参考:求人票の内容と実際の仕事が違う | 茨城労働局
参考:守られない”内部告発者”たち 組織の不正やパワハラを明るみに…そして行われる『報復』の実態 | 特集 | MBSニュース
参考:内部告発は報復されるの? 内部通報者を保護する法律と裁判例|ベリーベスト法律事務所
居心地の悪い職場で感じるストレス
さらに、職場の文化や風土を評価しましょう。企業の文化が自分に合わない場合もあります。
例えば、常に高い競争意識を求められる、チームワークが欠如している、利益のために遵法意識や倫理観を犠牲にすることを強いられる、自己犠牲を強いる文化があるといった場合です。
こうした文化に適応できない場合、長期的に見て健康やメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性があり、改善の見込みもうすいため、悪い環境を脱するためには職場を変える方が早くて確実と判断するヒントになります。
入れ替わりが激しい職場
自分だけでなく他の人のケースを観察することで、問題の原因がどこにあるのかを分析するための判断材料となる情報が増え、判断の精度を上げることできます。
たとえばあなたが人間関係の問題でストレスを感じている場合、職場の環境でチェックするのは問題がどこで起きているのかに注目することです。
自分の働く職場で常に求人情報を掲載していたり、何度も新人がすぐに離職していたり、人の入れ替わりが激しかったり、精神の不調で休職・退職する人が複数存在したりする場合は、直属の上司に何か問題があるのではないかと推測することができます。
単純に過酷な労働環境や不当に厳しい就業規則など、業種や企業全体に起きている問題でなければ、直属の上司の部下に対する言行に問題があるのかもしれませんし、上司による部下へのハラスメントがあった場合のサポート体制が不十分な職場環境のせいで問題が解決しないのかもしれません。
人事部やさらに上の上司が、ハラスメントを行っている直属の上司との癒着・協調関係にあり、ハラスメントを受けている部下をサポートしない・むしろ部下側に責任転嫁して加害者とともに責めるために、結果的に休職・退職に追い込んでいるケースもあります。
このような場合は職場の複数の人間に問題があり、自分一人の行動で対処するのが難しいことが多く、環境を変えることが解決の糸口になることがあります。
以上のように、解決のキーポイントが職場=環境を変えることにあるかどうかを見極めるには、さまざまな観点から客観的に分析するして得られる情報にヒントがあります。
人間関係、労働条件、職場文化など、さまざまな要素を総合的に評価し、自分の努力で解決できる問題なのか、それとも環境を変えるほうが効率的なのかを冷静に判断することが重要です。
自己改善と環境改善のバランス
自分でできる改善と環境の改善をバランスよく進めるコツ
仕事の悩みを解決するためには、自己改善と環境改善をバランスよく進めることが大切です。
問題を単に環境のせいにしてしまうと、自分自身の成長の機会を失うだけでなく、問題の根本的な解決には至りません。
一方で、自分の能力を超えて自己改善に重きを置きすぎると、精神的・肉体的な負担が増し、結果として逆効果になることもあります。
環境の改善が必要な場合を見極める重要なポイントは、環境の問題は自分一人の努力だけでは解決が難しい場合が多いという点です。
例えば、職場の物理的な環境、例えば通勤時間が長すぎるということや、オフィスの設備の問題も、環境改善の一環として見直すべきポイントです。
自己改善と環境改善をバランスよく進めるためには、以下のステップに沿って現状について考えてみるのが有効です。
1.問題の原因を分析する
自分の行動や考え方に問題があるのか、あるいは職場の環境に問題があるのかを冷静に分析します。
2.改善策をリストアップする
自分でできる改善策と、職場全体で取り組むべき改善策をリストアップし、優先順位をつけます。
3.具体的な行動計画を立てる
自己改善のための具体的な行動計画を立て、実行に移します。
4.進捗を定期的に評価する
自分の改善状況や環境改善の進捗を定期的に評価し、必要に応じて計画を修正します。
自分でできる改善に向けたアクションと職場環境を変えることをバランスよく行えれば、双方の改善策が効果を発揮でき、より良い結果を生み出しやすくなります。
自分の能力を最大限に発揮しつつ、職場環境を変えることも検討することで、効率的に仕事の悩みを解消し、より充実した職業生活を送ることができるでしょう。
参考:問題解決とは?5つのプロセスとフレームワークを使った解決手法 | SMBCビジネスクラブ InfoLounge
参考:マッキンゼーの「問題解決の7ステップ」はこうして生まれた | 完全無欠の問題解決 | ダイヤモンド・オンライン
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まとめ
仕事を辞める時の判断基準
基本的に、仕事を辞めるのは一人ではできません。
場合によっては仕事の引継ぎなどの準備期間を要し、いろいろな人に協力してもらって退職の手続きを行い、ふたたび求職活動を経て再就職する際も同様です。
退職によって給与収入がなくなり、長期間再就職ができなければ経済的に困難が生じる場合もあるので、慎重に判断する必要があります。
まず、辞めるべきかどうかを判断するための基準として、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
1.健康状態
仕事が原因で心身に異常を感じる場合は、辞めることを真剣に検討するべきです。
過度なストレスや長時間労働が続くと、うつ病などの健康問題に発展する可能性があります。
2.成長機会の有無
現在の職場で成長やキャリアアップの機会が見込めない場合、長期的な視点で見て、別の環境に移ることが適切かもしれません。
スキルや経験を積むことができる職場で働くことは、仕事を続けるモチベーションの面でも将来のキャリアにとっても重要です。
3.職場環境の質
自分にとって働きやすい職場かどうかを見極めることも大切です。
職場の人間関係や社風が自分に合わない場合、無理をして働き続けることは長期的にはマイナスになります。
特に、職場の雰囲気が悪く、不正やハラスメントが蔓延していて、受け入れがたいと感じる場合は、速やかに離れるべきです。
4.収入と生活のバランス
生活に十分な収入が得られない場合、経済的な不安がストレスを増大させます。
自分の生活水準と給与が合致しているかを確認し、必要ならば転職を考えましょう。
これらの基準は仕事を辞めるかどうかの判断の参考になります。
一時的な感情やストレスだけで判断せず、冷静に状況を見極めることが重要です。
参考:会社の「辞めどき」は15のポイントで判断せよ 長くない人生、貴重な時間の浪費は避けよう | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン
新しく理想の職場を見つけるためのステップ
環境を変えるために退職したあとは当然、以前より良い環境で働ける職場を見つけたいでしょう。
理想の職場の条件は人それぞれ異なりますが、理想の職場を見つけるためには、まず自分にとっての理想の条件を明確にすることが必要です。
前の職場を辞める原因となったポイントをあらためて見直すと、前の職場には欠けていたもの、つまり自分が必要だった条件が明確に意識できるかもしれません。
職場を変えることは大変ですが、職場を含めた労働環境を変えることを検討することは、あらためて自分のキャリアについての振り返りを行い、より良い環境で働くためのチャンスに変えることもできるでしょう。