適応障害とは
適応障害とは
適応障害とは何か特定の出来事のストレスが原因となって、心身のバランスが崩れて社会生活に支障をきたすことです。
原因がはっきりしていて、それに対して過剰な反応が起きる場合のことをいいます。
その人の所属する文化などを考慮したうえで、明らかに正常な範囲を超えた反応で、普通の生活を送れないほど日常生活に影響が出ている場合に診断されます。
適応障害はよくみられる病気で、精神科の外来患者の5%~20%にみられます。
適応障害の症状
よくある症状は抑うつ気分・不安・恐怖・緊張などのほか、無断欠勤・無謀な運転や行き過ぎた飲酒や暴力行為などとなって現れることもあります。
適応障害の症状は一般的に原因となる出来事が生じてまもなく始まり、原因となる出来事がなくなった後6か月以上を超えて続くことはありません。
原因となる出来事から離れると症状はしだいに改善します。
ただし、原因となる出来事が慢性的に存在する場合は症状も慢性化します。
参考:適応障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
参考:適応障害|病気解説|医療法人 池澤クリニック|心療内科・精神科・内科
適応障害になったらどうすればいいのか
適応障害の治療
適応障害の治療は、まず原因となっている出来事を除去する環境調整が優先されます。
ストレスの原因となる出来事から離れることで症状が良くなるためです。
また、ストレスに対する本人の対応力を高めるために、認知行動療法を行う場合もあります。
不眠や不安など、心身の不調や行動の問題が大きく、日常生活に支障が出る場合は薬物療法がおこなわれる場合もあります。
発達障害があると適応障害になりやすい?
発達障害と適応障害の関係
発達障害のある人はコミュニケーションの障害、こだわりの強さ、様々な感覚が敏感なことにより、環境に適応しにくく適応障害を併発する場合もあります。
逆に環境が合わないことで適応障害を起こし、それが原因で発達障害をもっていることが判明するケースもあります。
コミュニケーションの障害(言葉を文字通りに受け取ってしまう、口調や表情などを読み取るのが難しい)や環境の急な変化が苦手(こだわりが強く、同じことの繰り返しを好むこと)など、発達障害の特性は職場の環境に不適応状態を起こす原因になりやすいといえるでしょう。
参考:『軽度発達障害が背景にある適応障害への対応』|神奈川産業保健総合支援センター
参考:発達障害の特性(代表例)|厚生労働省
二次障害としての適応障害
発達障害の特性が原因で、合わない環境への不適応を起こして精神疾患を発症したり問題行動を起こしてしまうことを二次障害と呼びます。
二次障害は発達障害の人全員に起こるわけではなく、周囲の適切なサポートや支援、本人による生活の工夫などが効果を発揮すれば起きない場合もあります。
発達障害の人は、適応障害のほかにもうつ病、不安障害、強迫性障害、依存症などが二次障害として併発する場合があります。
適応障害で休職するには?
適応障害で仕事をつづけられないとき
適応障害で仕事をつづけるのが難しいときは休職の制度を利用するのも一つの選択肢です。
会社の就業規則で定められている場合は、条件を満たせば休職することができます。
休職の制度を利用するには、就業規則に従って会社に医師の診断書を提出する必要があります。
まずは自分の会社の就業規則の休職に関する項目を調べてみましょう。
休職している間に給与が支給されない場合には傷病手当金を受給できる場合があります。
また、精神の病気で治療を受ける場合の費用の一部を公的に支援する制度の自立支援医療を利用できる場合もあります。
自立支援医療の給付を受けるためには医師の診断書が必要になるので、受給を希望する場合はまずは医療機関で相談しましょう。
関連記事:簡単に読める!発達障害を持つ方に向けた障害者自立支援法とは
参考:病気やケガで会社を休んだとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
参考:こころの病気への支援や助成など|治療や生活へのサポート|メンタルヘルス|厚生労働省
参考:自立支援医療(精神通院医療)について 東京都福祉保健局
適応障害の治療
適応障害の治療について
適応障害では抑うつ状態や不眠、不安などが症状が重いときは、症状を和らげるために薬物療法がおこなわれる場合もありますが、ストレスから離れて休養し、環境を変え、ストレスへの本人の適応力を高めるため休養・環境調整やカウンセリングなどが重要になります。
治療が効果的に進めば、早期に症状が改善することが多いといわれています。
再発を防ぐためにも、服薬に頼りすぎて、主体的に環境の改善に取り組んだり、自分の適応力を高めたりすることを怠らないよう治療を進めてい必要があります。
一般的に、適応障害の治療として薬物療法だけが単体で行われることはありません。
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まとめ
早期の治療で早期の改善をはかる
適応障害では早期に治療を行った場合はすみやかに症状が改善する場合が多いといわれています。
適応障害の原因となるようなストレスにさらされながら生活すると生産性が大きく損なわれます。
患者本人が主体性をもって、環境調整やセルフケアに取り組むことが重要です。
適応障害かもしれないと思ったら、早めに精神科または心療内科を受診しましょう。
参考:こころの病気の初期サインに気づく|こころの病気と上手につきあうために|メンタルヘルスへのとびら|メンタルヘルス|厚生労働省
参考:適応障害と私:こころの病 克服体験記|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
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