就労移行支援事業所は、体験利用できるケースがある
1)就労移行支援事業所とは【概要ポイント】
就労移行支援事業所とは、障害を持つ方が就労するための福祉サービス施設です。ポイントの概要を下記にまとめました。
〇「就労移行支援事業所」とは
障害者総合支援法に基づいて運営されている福祉サービスを行う施設。
〇目的
就労を希望している障害を持つ方のニーズに合わせて、スキルアップと就職のサポートをする。
〇その他
平成29年度には全国でおよそ3千を超える事業所がある。今後も増加傾向にある。
事業所数は年々増加しています。増えている反面、様々な支援スタイルが増えているため自身に合う事業所を選ぶことが重要になってきます。無計画に利用開始することで、あなたに合わない支援を受ける可能性もあるのです。ですからまず、事業所を選ぶ際に注意してほしいポイントを紹介していきましょう。
関連記事:就労移行支援事業所の探し方。『支援内容(スタイル)』について紹介
あなたに合わない「要注意」の就労移行支援事業所
1)情報不足。あなたの知りたい業種や働き方を知らない。
〇テレワークなど、あなたが知りたい業種や働き方の質問をしても応えない。
2)スタッフの方や支援方針との相性が合わない。
〇「あなたの努力不足と言われた」など、あなたの人格を否定するスタッフがいる。
〇あなたが望む就職スタイルに合った支援サービスがない。
3)あなたの希望に応えない。
〇「事務や清掃の仕事しかない」など、あなたの希望を無視して、可能性を限定してくる。
4)通いにくい。
〇事業所があなたの家から遠い場所にある。
〇「苦手な混雑電車に乗らないといけない」など、交通手段が合わない。
〇あなたの希望した日数・時間帯では通いづらい。
以上の4つが、事業所を選ぶ際に注意してほしいポイントです。もっと詳しく知りたい、という方はこちら「失敗しない就労移行支援事業所の選び方!こんな事業所には注意!」で詳しくご紹介していますので、参照してください。
就労移行支援事業所の体験利用ってどんなことができるの?
さて、このような要注意の事業所を避け、あなたに合う事業所を見つけるにはどのようにすればよいのでしょう?方法として、就労移行支援事業所の「体験利用」があります。では、体験利用をすることで具体的にはどのようなことを知ることができるのか見ていきましょう。
【体験利用で行うこと】
〇事業所のスタッフの方と相談できる。
〇支援方針や、サービス内容の説明を受けられる。
〇訓練を実際に体験できる
主な体験内容としてはこのようになります。内容は事業所によってさまざまですので、詳しく知りたい方はぜひSalad編集部にご相談ください。Saladでは、さまざまな就労移行支援事業所の情報を紹介しています。
それでは次に、実際に体験利用することでどんなメリットがあるのでしょうか?ポイントをご紹介します。
【就労移行支援事業所】体験利用をするメリット
1)サービス内容・訓練内容が分かる。
訓練を体験することで、チラシやホームページでは分からないサービスや訓練内容が分かります。
また、事業所によってはどんな求人情報があるか、どんな職種に応じたサービスがあるかの説明も受けられます。「チラシにはイラストレーター・フォトショップと書いてあったけど、動画作成も学べることが分かった」「エクセルは初級・中級・上級で段階に分かれているので、一から学びたい自分でも学びやすい」など、触れてみることで見えてくることは多いです。
2)事業所の雰囲気が分かる。
体験で一定時間を過ごすことで、事業所の雰囲気やほかの利用者の方の動きなどが分かります。
「この事業所は静かだな・・」「この事業所は分からなかったらすぐに聞けそう」など、周囲の状況から受け取れます。また、におい・音・光・室温などが敏感な方も、この体験利用でどんな配慮を受けられるかが分かります。
3)スタッフの方との相性が分かる。
体験利用の際には、必ずスタッフの方と相談しましょう。
〇あなたの持つ障害や悩みへの対応がどんな感じなのか。
〇訓練の流れをどのように教えてくれるのか。
〇あなたの希望をしっかりと聞いてくれるか。
など、相談の中であなたとの相性が分かります。体験で何を学びたいのか、利用するとしたら何を学びたいのかなどの希望を伝えて確認してみましょう。
4)体験することで、あなたの生活にマッチするかが分かる。
正式に利用が始まった場合、事業所に通うことがあなたの生活のメインです。そのため、通所があなたの生活にマッチするかどうかはとても大切な要素です。
実際に家から通う→事業所で訓練する→帰る・・という一日の流れを体験することで、あなたが長く通所し続けられるかが分かりやすいです。「ちょっと疲れたかな・・」「ここなら通いやすいし、続けられそうだ」など、通所があなたの生活にどんな影響があるのかを体験できます。
このように調べただけでは分からない、体験することでのメリットは多いです。「どんな体験ができるのかな・・・ちょっと興味あるかも」という方はこちらもチェックしてみてくださいね。
取材済の就労移行支援事業所一覧
実際にお伺いし、取材した事業所を紹介しています。事業所の雰囲気やスタッフのお話などもご紹介しております。
体験後すぐに利用決定ではないので、安心してどんどん体験してみよう!
就労移行支援事業所は、体験利用イコール利用決定ではありません。事業所利用には別途手続きが必要になります。(利用手続きについては詳しくはこちらをチェックしてください。)
そのため、安心して複数の事業所を体験できます。どんどん体験して、あなたに合う事業所を見つけましょう!もし自分に合う事業所が分からない…と困っていることがあれば、このまま下記の案内をチェックしてみてください。
障害を持つ方へ。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
就労移行支援事業所を選ぶことは、あなたの将来を選ぶことです。そのくらい、今は様々なスタイルの就労移行支援事業所が存在します。体験利用することで、あなたが通い続けられる、希望の就職に結びつく事業所が分かりやすくなります。自分の特徴を生かした仕事を見つけるために、ぜひ事業所の体験利用を検討してみてください。
【筆者紹介】
30代男性。大人になってから発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)と診断されている。公務員として10年間勤務、うつ病を経験し民間企業の障害者枠の事務職として4年間勤務。民間企業を退社後、就労移行支援事業所の見学、体験利用を行い利用開始。週5日、一年間通所してトレーニングを続けた。就活の結果、職種を変え、強みを活かせる就職が実現した。