【障害者枠での面接・選考】企業の事業課題について質問してみよう

障害者枠の面接でも、受ける側が主体性を持つことが必要

主体性を持って働く女性

就職活動の面接で、大事な事が1つあります。それは「受ける側が主体性を持つ事」です。
主体性とは、自分の意志や判断で、目的を持ちながら行動する態度の事です。なぜ、主体性を持つ事が必要なのか?それでは、少し例を挙げて想像力を膨らませてみましょう。

もし、貴方が面接官だとしたら

物事を自分で考え、目的を持ち行動する応募者
物事を自分で考えず、目的を持たず言われた事だけを実行する応募者

この2人が面接に来たとき、どちらを採用したいですか?殆どの方が「目的を持ち、自ら進んで動く」前者を採用したいと感じるのではないでしょうか。

社会(会社ではなく)の役に立つというスタンスを持つ

「働く」という事は少なからず社会の中の誰かの役に立っています。
視点を、会社のなかで役に立つということだけでなく、もう一歩踏み込んで、「社会のどの部分に役に立てるのだろうか」と考えてみると、少し考えを広げられるかもしれません。

ただ仕事をするのではなく、先ほどもお話しした通り自分から進んで「役に立とう!」という意識を持つ事が重要です。そんな人材を社会は必要としています。

そのために、自分にとってどんな配慮が必要か

面接するにあたって「働く上で、何か必要な配慮はありますか?」と聞かれると思います。これは「貴方が働く上で障害になる事は何ですか?」「貴方が安心して、なおかつ安定して働くために私達会社側は何が出来ますか?」と聞かれているのです。

企業側からよく「どのような配慮が必要かよくわからない」という声が聞かれます。この「配慮」は一言で言っても障害やその人によって一つ一つ違います。そのため、自己分析や自己理解で自分にはどんな配慮が必要なのかを解明し提案する事が必要です。自身の配慮して欲しいポイントがわかれば、企業側も不安を取り除くことが出来るでしょう。

企業に勤めることは、幸せになる(社会に役に立つ)手段でしかない

「働く」事はどんな職種であれ社会に役立つ手段の1つですが、自己分析や自己解析をしっかりする事で、自分自身のアピールすべき長所と反対に改善すべき短所をよく知る事ができます。そうした上で初めて企業側にも自分というものを知ってもらい、自分にとっても企業にとってもわだかまりのない良い関係を築く事ができるのではないでしょうか。
働くことは手段のひとつでしかありません。

目的は、自分が幸せになること、その過程として社会に役立つことです。
そのための、有効な手段の一つが、企業で働くことです。

障害者枠の選考での注意点は?

障害者雇用で意欲を見せる男性と女性
いざ障害者枠で働くとなると様々な配慮を受けられる反面、どうしてもお給料は落ちてしまうのが現実です。そのため、少しでもお給料の高い企業に就職したいと思う方は多いのではないでしょうか。しかし、ここで注意点があります。

いくらお給料が良くて自分のやりたい仕事だとしても、障害に対する企業の「理解・対応」に焦点を当ててみてください。もし好きな分野の仕事で就職できても、周囲の理解がなく離職してしまうとなっては元も子もありません。せっかく就く仕事ですから、障害に理解があり、受け入れる環境の整った職場が良いと思いませんか?また、これまで障害者の雇用経験があるか、障害者の離職率は高くないか、この2点も確認すると良いでしょう。

できることに上限を設けている(キャリアアップできない)会社は、自分の考えと合うか

「安定して働く」ために、仕事の内容に上限を設けていることがあります。これは1つの「配慮」というメリットでもありますが、反対に自分の「出来る」可能性を狭める要因にもなります。ここは双方を天秤にかけ、自身の考えとよく照らし合わせることが重要です。

安定とは、仕事ができる人になることです。安定してそうな組織に入社することではありません。

仕事ができるようになるためには、小さな失敗(挑戦)を繰り返しできる環境が、実は大事だったりします。多少の妥協はあっても、後悔のない選択をしましょう。

一般枠と、障害者枠の違いを聞いてみよう

まず障害者枠の大きなメリットは、個人の特性や症状を配慮し、「働きやすい環境を整えてもらえる」「殆どの場合残業がない」ことなどです。反対に一般枠のメリットは「職種が豊富で専門職も多い」、「経験を積めば大きな仕事を任せてもらえる」「お給料も上がる」などがあります。

これだけを見ると一見、一般枠の方が良さそうに思えるかもしれません。しかし、メリットのみでなくデメリットについても確認しておく必要があるでしょう。

障害枠のデメリットは主に軽作業や事務作業程度の仕事が多く、昇給がしにくい傾向にある事。そして一般枠のデメリットは、病気や特性を就職先に伝えないため職場や周囲からの配慮が得られず、昇給すれば仕事の責任は大きくなり急な残業も入ってしまう事です。こうした違いは企業によって異なります。もし面接時に聞くタイミングがあれば確認し、自分の価値観と照らし合せるようにしましょう。

違いの基準が自分の価値観と合わなければ、その会社には行かないほうがいい

価値観の違う環境に長くい続けることは、心身の健康を損ないます。よく自身の状態や症状、それだけでなく自己の価値観と行いたいこと(キャリアパス)を理解した上での判断が大切です。

企業の事業課題を、こちらから質問してみる

面接で積極的に質問をする男性
もし企業に面接に行く機会があれば、ある程度こちらの事を話した後、企業側の事業課題も質問してみましょう。最初にお話しした「主体性」をアピールするきっかけにもなります。それだけでなく、先ほどお伝えした価値観に合う環境なのかどうか、事業課題を深く聞いていくことで確認することができます。

企業の理想像を聞いて、そのために足りていないことを聞いてみる

そして、企業の「理想」についても質問してみましょう。理想と課題のギャップを明確にすることで、自らの役割のイメージを明確にすることができるチャンスでもあります。

課題に対し役に立てることを、自分がイメージできることが大事

返答を聞いて課題がはっきりしたところで、自分はそれに対し役に立てるか?ここでイメージができるかによって、その企業で働く自分の事も想像する事ができます。

「人が想像できることは、必ず人が実現できる」

これはフランスのSF作家ジュール・ヴェルヌの言葉です。人が想像できた事の多くは人が実現してきた事を指しています。その企業で働いている自分を想像できるところまで行けば、きっとそう遠くない未来に実現できるでしょう。

結局、仕事にやりがいを持てることが長続きのコツ

どんな仕事であれ、やりがいを感じなければ長続きはしません。やりがいを感じる事で仕事に対するモチベーションも上がり、結果的に長く務められるコツとなるでしょう。

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まとめ

障害を持つ方が活躍のステップを踏んでいく
いかがでしたでしょうか。

今回は障害者枠の面接・選考についてお話しさせて頂きました。まずは自分の自己分析・自己解析が重要です。自分をよく知ることで、企業の求めるものと自分の求めるものを照らし合せる事ができます。そうした上で、初めて他者にも自分というものを知ってもらい、満足のいく面接・選考になるのではないでしょうか。

まずは己を知る事から。一歩ずつでもよいので、確実に前へ進んでいけるように心がけてみませんか。

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