【障害者雇用促進法】職場での『障害者に対する差別の禁止』とは?

法律で障害者への差別の禁止が定められている

障害者雇用促進法「障害者に対する差別の禁止」

障害者雇用促進法は、障害者の雇用義務等に基づく雇用促進等のための措置、職業リハビリテーションの措置等を通じて、障害者の職業の安定を図ることを目的とした法律です。

参照:障害者雇用促進法の概要

平成25年の改正で、新たに「障害者に対する差別の禁止」が定められました。この「差別の禁止」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

「障害者に対する差別の禁止」とは?

雇用において、障害を理由に差別を受けない

障害者雇用促進法では「雇用の分野における障害を理由とする差別的取扱いを禁止する。」とされています。差別を受けた場合は、第三者を交えて企業を訴える権利があることも定められています。

参照:障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の概要

それでは、実際に職場で起こりうる「不当な差別」にはどんなものがあるのでしょうか。

【禁止事項】職場にかかわる、障害者に対する差別の禁止

募集・採用時の差別

〇「障害者だから」という理由のみで、応募者を不採用にする。
〇障害者のみに別の条件を応募条件に追加すること。(身体障害を持つ方にのみ要電話対応、精神障害を持つ方にのみ目標労働時間を設ける・・など)
〇障害の種類によって、募集の可否や採用の合否を決める。(身体障害を持つ方のみ採用対象で、精神障害を持つ方は募集対象でないため不採用とした・・など)

採用後(仕事中)の差別

〇「障害者だから」という理由で、昇進、昇給を認めない。(特別な条件を付ける)
〇障害者だからという理由で、特定の業務を割り当てること(障害者はオフィスの掃除をする・・など)。
〇障害者だからという理由で、特定の業務を割り当てないこと(業務上支障がないのに、障害者だからという理由のみでパソコンを使用させない・・など)。
〇雇用形態の変更、障害者のみ退職の勧奨対象にすること。
〇障害者に対して、差別的発言をすること。

参照:雇用の分野で障害者に対する差別が禁止され、合理的な配慮の提供が義務となりました|厚生労働省

職場で禁止されている差別の例はこのようになります。なお、差別を禁止している対象は、障害者手帳を持っていない障害者も含まれます。

禁止されていない差別ってあるの?

法律で禁止されていない差別として、
〇障害者を積極的に採用すること=障害者雇用(障害者枠)
〇障害に応じたサポートを行うこと=合理的配慮
があります。障害を持つ方の困難を解消し、積極的に働けるための差別は認められています。

障害者の差別を解消するため、別の法律も定められている

障害者差別解消法

もともと「障害者への差別の禁止」は、障害者基本法(第4条)で定められています。これを具現化する目的で、平成25年に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(=障害者差別解消法)」が制定されています(平成28年施行)。障害者の権利を守る取り組みが国際化したことなどが背景にあります。

主な内容は「障害者への不当な差別の禁止」と「合理的配慮の提供」です。加えて、国民一人一人の障害に関する知識不足や意識の偏りなどをなくすため、啓発活動の促進も定められています。これにより、「どんなことが差別なのか」「障害者がどのような配慮を求めているのか」を理解しやすくしようという取り組みです。

これに伴い、障害者雇用促進法も改正されました。「障害者への差別の禁止」や「合理的配慮」などが追加されています。

参照:障害者基本法:障害者施策 – 内閣府
参照:障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針 – 内閣府

まとめ

いかがでしたでしょうか。

普段何気なく生活しているものの中にも、たくさんの法律が関わっています。障害を持つ方が、他の方と同じように社会で活躍できる準備が整ってきています。しかし、法律や体制に対する解釈は企業によって様々です。あなたが社会で活躍し続けるために、法律を知り、自分の身を助ける知識として身に着けていきましょう。