自分を責める癖が、うつにつながった
何かあるたびに自分を責めていた
筆者は発達障害を持ち、30歳のときにうつ病を発症しました(体験談はこちら)。子供の頃から、他人に指摘されることが多かったためか、いつの間にか自ら自分自身に指摘する癖がついていました。これが原因で、うつ病発症を招いていたのです。
うつになるまで、何かと自分を責める癖がなかなか改善されませんでした。
参考:うつ病とはどんな病気?|原因・症状について知る|うつ病こころとからだ
参考:患者さんはすべてを否定的にみがち | うつ病の情報・サポートサイト こころの陽だまり
うつになり、自分を責める癖の改善を考えた
うつ病の症状として、意欲が低下し悲観的に考えやすいことがあります。筆者も同様の症状を体験し、かつ普段の自分を責める癖も加わったことで回復に時間がかかりました。
現在はうつも寛解(回復)し、障害者雇用として社会復帰しています。今後うつ病の再発を防ぐため、この「自分を責める癖」を改善しなくてはと考えたのです。
今回は筆者の体験から、
・自分を責めるのはどんな理由からか
・自分を責めることがどんな結果を生んでいるか
・自分を責めることをやめ、大切に考えるためにどんなことに注意しているか
この3点を中心にお伝えしていきます。
【うつ体験談】自分を責めるのはどうして?
自分の身を守るため
責めているのに「守る」とはどうして?と感じたかもしれませんが、筆者は自己防衛として自分を責めたことがありました。
それにはいくつかの理由があります。
・他人に指摘される前に自分を責めることで、「言われたときの準備」をしておきたい
・他人が思う以上、事実以上に自分を責めているいるところを見せれば周りが(心配して)責めてこなくなる
このような「他者への警戒心」から、自分を責める癖がついていました。
「人のせいにしてはいけない」意識が強すぎた
よく周囲から「すぐに人のせいにしてはいけない」と言われてきました。確かに責任転嫁は良くありません。しかし筆者の場合は、「『人のせい』はいけない」という意識が強すぎたのです。
この意識が強いために起きたことは以下の通りです。
・何でも自分のせいにすることで、相手と向き合う気がないと思わせていた
・明らかに相手が悪いことまで「自分のせい」として収めようとすることで、反対に相手を責めてしまった
これには「あまり人と正面衝突したくない」という避ける気持ちが全面に出ていたことも影響しています。
敢えて自分を追い込んで、力を発揮させるため
自分を責める癖があると、「耐性」がついてきます。そのため敢えて自分を厳しく責め続け、その危機感や緊張感を動力にして仕事をしていた時期がありました。
この方法、確かに成果が出ます。ただし、その代償はあまりにも大きく心身に負担がかかっていました。
自分を責めることで、どんな結果を生んだか
体調を崩してしまった
自分を責め続けることは、当然常に負荷をかけて生活していることになります。さらには目立ったダメージではなくじわじわと負担がかかるため、疲労に気付きませんでした。
本当の意味で他者から信頼されることはなかった
当時は「人を傷付けていないのだから人から嫌われないだろう」と感じていました。
しかし結果は、
・「近寄りがたい人」と敬遠されるか
・「自意識過剰」と不満に思われるか
このどちらかを生んだだけでした。本当の意味で他者から信頼されることはなく、うつになりやすいシチュエーションを自ら作っていたのです。
うつを克服した後もこのような事態から体調を複数回崩しました。そのため「これではいけない」と感じ自分を責める癖の改善を考えたのです。
【うつ予防】自分を大切にするために心掛けていること
自分を責めるのは、人を傷付ける行為と同じことを意識する
しかし、自分を責める癖自体「行為として、他人を傷付けることと同じ」と意識するようにしました。
自分をどこまでも責められるのは、「受けている相手(傷ついているさま)が見えないから」です。そのため自分を責める癖が出てきたな…と感じたら、「自分に痛め付けられている、もう一人の自分」をイメージするようにしています。
自分を責める癖は、元々は「誰も傷つけたくない」気持ちから生まれているものです。目の前に傷付いた人(自分)がいることをイメージすることで、責める気持ちが収まりました。
自分も一人の人間であると意識する
自分を責めるのは、「自分も一人の人間である」という意識が弱かったためです。その影響で、周囲から「自分だけ特別扱い」と誤解されたこともありました。
自分も一人の人間として加え、本当の意味でどんな人も平等に見ることを意識しています。
自然体の方が負担なく、成果も出せることに気付く
自分に負荷をかけていると、ストイックで「頑張っている」と自覚しやすいです。しかし本来大切なのは、「自然体」で取り組むことと感じたのです。
自分を責めることをしなくても成果が出ることを知り、責めることをやめました。
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おわりに
いかがでしたでしょうか。
筆者は、自分を責めることを「美徳」だと誤解し続けていました。何度も心身のバランスを崩しながらも、ようやくセルフケアをしていくよう心掛け始めました。
うつを発症しないために、若しくはうつ病から早期回復を目指すためには「自分をいたわる気持ち」がポイントになります。
この記事をきっかけに、自分を責める気持ちを少しでも緩和できましたら幸いです。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。子供の頃から自分を責める癖が強かった。すべて自分のせいにするのは、極端な思考も関わっていると考えている。