パーソナリティ障害の原因は母親だった!?チェックの方法とは

パーソナリティ障害とは

パーソナリティ障害とは

対人関係がうまくいかず、多くのトラブルを起こす

パーソナリティとは、性格というだけでなく、他の人や周囲で起こった出来事などとどのように向き合い、関わるかなど、自分と外の世界の関わり方を決めるものです。

パーソナリティが上手く機能せず、社会に不適応を起こす状態がパーソナリティ障害です。主に3つの問題があります。

・考え方にひどく偏りがある
多くの人がこう考えるだろうという「わく」から外れ、ものの考え方が偏っていたり、考え方に柔軟性がなく、別の考え方を受け入れられません。

・パターンがかたくなである
相手や場面により臨機応変に対応することがなく、いつでも、どこでお極端に偏った対応を続けます。こうした偏りが、特定の分野だけでなく、対人関係や社会生活全般にわたることも特徴です。

・特定の原因がない
はっきりとした原因がわからず、対処法が見つけにくいことです。パーソナリティ障害がなぜ起こるかの仕組みは複雑で、おおむね思春期~青年期(18歳以上)頃から上記のような傾向がみられるようになります。

参考:パーソナリティー障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

パーソナリティ障害の種類はたくさん

パーソナリティ障害の種類はたくさん

パーソナリティ障害はアメリカで使われているDSM-5という基準が使われています。

日本で使うには、社会の仕組みや文化的背景、個人の状況も考慮して判断しなければなりません。また、パーソナリティ障害の診断は医師でも診断が難しいとされています。自分一人で判断しないよう注意が必要です。

大きく3つのタイプにわけられる

【奇妙、風変わりが特徴】
・妄想性パーソナリティ障害
疑い深い傾向にあります。周囲の出来事や行動が、自分に対し悪意のあるものと捉えたりします。

・ジゾイド・パーソナリティ障害
社会へのかかわりが薄く、あまり感情を示しません。以前は統合失症質パーソナリティ障害といわれていました。

・統合失調型パーソナリティ障害
人との関係を築くのが苦手です。ものの考え方が奇妙で現実離れしていることが多いとされます。

【感情的、移り気が特徴】
・反社会性パーソナリティ障害
うそをついたり、自己中心的だったり、他人への愛情に乏しかったりします。自分自身ではあまり問題を感じていないことが多く、自ら受診しにくいことがあります。

・境界性パーソナリティ障害
すべてのパーソナリティ障害のなかで最も患者数が多く、さらに最近も増えている傾向にあります。強い不安感を感じ、さまざまな問題行動を引き起こします。

・演技性パーソナリティ障害
自分が悲劇の主人公だと思いたがり、人の気を引くため仮面をかぶり、演技をします。

・自己愛性パーソナリティ障害
強い自尊心が支えとなっていて、自分の内面を省みることがなく、等身大の自分のイメージがありません。自尊心がくじかれると急速に落ち込み、自分を好きという感覚がもてません。

【不安、内向的が特徴】
・回避性パーソナリティ障害
問題があった時に、立ち向かっていくのではなく、避けてやり過ごすパターンを繰り返します。

・依存性パーソナリティ障害
自分で何かをしたり、判断することができず、いつでも決断を人任せにします。

・強迫性パーソナリティ障害
完璧主義で、自分のルールにこだわります。ルール通りでないと気がすみません。

関連記事:パーソナリティ障害とは

参考:パーソナリティ障害の概要 – 10. 心の健康問題 – MSDマニュアル家庭版

境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害

特徴は?

・見捨てられることへの強い不安感
境界性パーソナリティの人は、幼いころから「親に捨てられるのではないか」という恐れを感じています。幼いころからすり込まれた幻想が思春期にあふれ出し、友人とのケンカなど日常の出来事がきっかけで強い不安がでたり、きっかけがなくても突然不安感に襲われたりします。

・いろいろな自分がいる
「大人の自分」と「幼い自分」、「良い自分」と「悪い自分」など両極端な自分増があります。その変化が激しく、周囲の人は驚きます。通常、成長の過程で一体化する良い部分と悪い部分がさかれたままになっていると考えられています。

また自分が良い子と悪い子(白と黒)に分かれているために、相手に対しても白か黒でしかとらえられません。

・問題行動が多発する
言葉にならない不安やうつうつとした気持ち、怒りや憎しみなどの感情が原因で、激しく破壊的な行動を起こします。自分を傷つけるリストカットや自殺計画、暴力やケンカなどの破壊的な行動、性的逸脱や薬物やアルコールに頼るなどの依存的な行動などに走ります。

また、人を引き付けようと、周囲の人の間に溝を作るような話をひっそりと話したりします。

治療方法は?

・時間を守るなどのルールを決める
境界性パーソナリティ障害の治療は、精神療法が中心です。自分の気持ちをコントロールし、楽に人間関係を築けるようにしていきます。

・目標を決める
具体的な目標を決め、治療意欲を高めます。
職場に戻りたい 一人でいられるようになりたい など。

・治療のルールを決める
患者さんが医師や臨床心理士を理想化しないよう、医師との関係をはっきりさせ混乱を防ぎます。
予約や診察時間を徹底的に守る 医師や臨床心理士の役割をはっきりさせる など。

・具体的な療法に入る
精神療法を通して衝動的な行動を起こさず、自分の気持ちをコントロールし、気持ちや行動を言葉で言えるようにしていきます。

・孤独に立ち向かう練習をする
抑うつ、絶望感が襲ってきたときに問題行動が起きやすく、患者さんには問題行動を起こしたことで問題が解決されたかを考えてもらいます。

「幼い自分」や「見捨てられ不安」からくる問題行動で周囲を巻き込んでも、不安は解決しないことを知り、現実に悪いことは何も起こらないことを学びます。

・いろいろな自分と向かい合う
「大人の自分」と「幼い自分」、「良い自分」と「悪い自分」がどれも自分の一部だと受け入れる練習をします。白か黒でなく灰色(ほどほど)の感覚を身に着けます。よい自分だけでなく悪い自分、幼い自分にも目を向けていきます。

参考:境界性パーソナリティ障害(BPD) – 08. 精神障害 – MSDマニュアル プロフェッショナル版

自己愛性パーソナリティ障害

自己愛性パーソナリティ障害

特徴は?

・強い自尊心の陰に弱い自分がいる
自己愛性パーソナリティ障害の特徴は、思い描いている理想の自分と、何のとりえもない自分という正反対のイメージしかなく、等身大の自分のイメージがないということがあげられます。両極端の自分しかイメージできず、理想像で万能な自分を追い詰め、一度の失敗で完全にダメになったと落ち込みます。

本人はそれほど万能でもなく、かといって無能でもないのですがありのままの自分のイメージをもてません。

・地道さ、ほどほどさの感覚がない
地道さやほどほどさは、コミュニケーションには欠かせません。しかい自己愛性パーソナリティ障害の人は、これを軽視し、まったく正反対のものにしか価値を見出せません。ふつうで平凡な自分を受け入れられず、自分が常に特別で、他の人より勝っている自分であり続けようとします。

地道な努力は意味がないと思っていたり、結果が全てと考えていたり、努力しないことが自分の能力を証明すると信じています。根拠のない自信が患者さんを支えていて、地道な努力などはしません。

・褒められないと愛されないという思い込み
自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分が大好きに見えますが、じつは自分を好きになれない気持ちがあります。その背景にはプライドが高い傾向があり、加えて育った環境の両方が関係するといわれています。

他人より優れているときや、親を喜ばせた時しか愛されないと、子供の自己愛は育ちません。愛されない不安を解消しようと、自分は特別な人間だと信じ込むようになります。それが強い自尊心で自分を守ることにつながります。

参考:自己愛性パーソナリティ障害(NPD) – 08. 精神障害 – MSDマニュアル プロフェッショナル版

この自己愛性パーソナリティ障害や、依存性パーソナリティ障害の原因が母親である場合がある

この自己愛性パーソナリティ障害や、依存性パーソナリティ障害の原因が母親である場合がある

幼少期に、褒められない、愛されないという体験が過剰である場合に、この思い込みが強く刷り込まれてしまうケースがあります。

誰か信頼できる人を、強制的に作り出し、その人の判断を仰がないと意思決定できない状態が固定化されてしまいます。その状態が自分で変えられない状況となってしまうと、「本当は嫌なんだけど」ということでも喜んで受け入れてしまうということになり、身体的や精神的な虐待を受け易くなってしまいます。

そうなってしまうと、依存先となる「信頼できる相手」が、本当は信頼できない人だった場合に、裏切られ、その人を失った瞬間に「うつ病」などの二次障害を併発する恐れもあります。

チェックの仕方、治療法は?

【専門の医療機関でまずは診断を】

自分でインターネットサイトなどを確認して、症状をチェックすることは、実は危険です。自分の判断軸にバイアス(先入観、こうあってほしいという思い込み)がかかってしまっているケースがあり、都合よく解釈してしまうケースが多いためです。

「母親が原因だった」と断定せずに、まずは専門の医療機関でしっかり診察を受けるようにしましょう。

【治療のために自分でできることとは、等身大の自分を育てること】

考えの偏りなどに目を向け、少しずつありのままの自分を受け入れられるようにします。

・精神療法
ゆっくりと自信をかけ、自分の内面に目が向けられるように導きます。万能な自分の背景に隠れた不安感や自尊心の傷つきなどを受け止め、等身大の自分をつくり出していきます。

・家族療法
場合によっては、本人の治療と並行して行われます。自己愛性パーソナリティ障害は若い人に増えている為、家族療法の重要性が高まっています。家族も、治療を通して自分を見直し、患者さんとの接し方を修正します。父親、母親ともに参加するのが理想です。

・薬物療法
薬物療法は患者さんが不快に感じている症状に応じて補助的に行われます。うつ状態や不安症に抗うつ薬を使ったり、焦りや興奮が強い時に抗精神病薬を使うことがあります。

参考:パーソナリティ障害|Personality Disorder in Japanese | Royal College of Psychiatrists

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まとめ

いかがだったでしょうか。

そのほかにもパーソナリティ障害にはいろいろな種類があり、その特徴や背景、治療法などはさまざまです。いくつかの傾向を併せ持っている場合もあります。相談したいと思ったら、まずは精神科を受診することをお勧めします。初めから精神科に行くことに抵抗がある人は、地域の保健所や精神保健センターで相談するということもできます。

患者さんにもよりますが、パーソナリティ障害の治療はかなり長い期間行われるのが一般的です。焦らず少しずつパーソナリティの偏りを見直していきましょう。

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